《最強家族のまったりライフ》3話 スキル選択
「イリス様。種族決まりまし───えっ!?」
「ぐすっ、ぐすっ、ひっぐ、ひっぐ──」
種族が決まったので、イリス様に報告しようとイリス様の方を見ると、イリス様はしく幻想的な紫の瞳を涙で濡らし泣いていた。
「え、ええと……。イリス様?」
「ひぐっ、どうせ、ひぐっ、私なんか、ぐすっ、うえぇぇぇぇぇぇぇんっ!!」
俺が恐る恐る話しかけると、それが決壊の呼び水となってしまったようで聲をあげて盛大に泣き始めてしまった。
「うあぁぁぁぁぁん!」
「無視してしまってごめんなさい!もうしませんから!」
「ふぇぇぇぇん──」
さすがにやり過ぎたと思いすぐに謝ったが、俺の聲が聞こえていないようで一向に泣き止むことはなかった。
結局イリス様が泣き止むのには一時間近くかかった。その間俺はずっとイリス様に謝り続けていたのでしぐったりしてしまった。
「……っ……ぐすっぐすっ……もう……無視…しない?」
「はい、もうしません」
「……っ……じゃあ、許してあげる」
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良かった……。
「あ、そうだ。イリス様、俺はエルフになります」
とりあえずイリス様が泣き止んでくれたので、俺はなりたい種族をイリス様に伝えた。
最終的に、俺はなりたい種族をエルフとヴァンパイアに絞った。
ヴァンパイアになって「我は悠久の時を生きるものぞ!!」とか「ふははは!我は闇を統べし夜の王なり!!さあ!下等生共よ、生きを捧げよ!!」とか言ってみたかったんだけど、さっきの辭書の詳しい説明を見てみたら、ヴァンパイアってを求めて他種族を襲うから忌避されてるらしいし、討伐の対象になっているって書いてあったんだよね……。そうなると隠れて過ごさなければいけなくなるし、神衛生上よろしくないことに気が付いて、消去法でエルフになることに決めたのだ。
「ただのエルフでいいの?ハイエルフにもなれるわよ?」
え?そうなの?なら壽命が長い方がいいかな。
「じゃあハイエルフでお願いします」
「わかったわ。それじゃあ、次にスキルを決めなきゃね。スキルはこの中から10個選んでね。それと、私からもひとつスキルをあげるわ。あと……特別にあなたがスキルをひとつだけ作っていいわよ」
イリス様はそう言って俺の前に先ほどのパネルとは別の報が書かれたパネルを出現させた。
「ええと、イリス様からのスキルというのは?あと俺が作るって?」
俺は後半のイリス様の言葉が気になったので聞いてみた。
「どっちもそのままの意味よ。ちなみに私からあげるスキルはそこに載っているスキルより上位のものよ」
「え!?そんなすごいものを頂いてしまっていいんですか?」
「え、ええ。本當はそんなことしないつもりだったんだけど、その……私、あなたに迷かけちゃったじゃない?だから、そのお詫びのようなものよ」
イリス様は視線を彷徨わせながら恥ずかしそうに理由を語った。
元とはといえば俺のせいなのに……でも、斷るのも悪いしお禮を言っておこう。
「ありがとうございます」
「い、いいのよ!……だって、こんなに優しくされたの初めてだったから…………って違うわよ!そ、それと、あなたがスキルを作れるっていう方だけど、さすがに世界を壊すような魔法はダメだからね。でもほとんど問題なく作れると思うわ」
俺が素直にお禮を言うと、イリス様はし顔を赤らめながらはにかんだあと、誤魔化すように強く否定した。
それにしてもほとんど制限なくスキルを作れるって……これは俺の記憶廚二病を総員して作らなければ……。
まあ、それはあとのお楽しみにとっておくとして、まずはスキルを選ぼうか。
カテゴリー
・武
剣・槍・斧・弓・棒・杖・・盾・投擲・格闘・鎌
・魔法
火魔法・水魔法・風魔法・土魔法・魔法・闇魔法・時空魔法・無魔法
・技能
強化・気配察知・気配遮斷・魔力探知・魔力作・隠蔽・危険察知・解析・鍛冶・裁・料理・錬金・解・調教・威圧・恐怖………etc
武や魔法のよりもカテゴリーが多種多様な技能系のスキルは數えきれないほど多かった。
「そうだ。言い忘れてたけどに転生してからも訓練次第でスキルは獲得できるからね。それと、魔法は魔力作を獲得しちゃえば後から簡単に全種類習得できるわよ」
というか技能系のスキルをあれもこれもと取っていたら武スキルとか魔法スキルなんて取れないんじゃ………と考えていると、イリス様が俺の心を読んだらしく、懸念に答えてくれた。
え!?そうなの?てっきり魔力作なんて魔法をとらないと使えないだろうから候補から外しちゃってた……。
「魔力作っていうのは本當は魔法を極めた者のみが獲得できるスキルなのよ。だから魔力作を持っているってことは魔法を極めたことと同義なのよね」
し、知らなかった……。魔力作さん、使えないとか言ってすみません……。
それじゃあ、武のスキルは今は剣だけでいいかな。魔法のスキルは魔力作をとるつもりだから必要ないけど、選び終わってまだ選べるようだったら考えよう。
俺は前世にはなかったスキルの存在にを躍らせながら、スキルを一つ一つ味して10個のスキルを慎重に選んでいった。
・剣
・強化
・気配察知
・気配遮斷
・魔力作
・魔力探知
・隠蔽
・調教
・加速
・長倍加
これが俺の選択したスキルだ。隠蔽をとったのはイリス様からもらう強いスキルと俺が作るスキルを隠すためだ。
もし周りに俺のスキルがバレて、珍しいスキルだからと良からぬ手がびてくる事態になってしまったら目も當てられないからね。
調教は魔をテイムするためだ。
やっぱ異世界って魔じゃん。従魔ペットしいじゃん。
加速は特に理由はない。強いて言うなら足が早くなりそうだからだ。
長倍加は文字通り経験値やスキル練度を倍加させることができる。
それと、先ほど知ったのだが、スキルにはスキルレベルというものが存在し、スキルを使えば使うほどスキルレベルが上がっていく。スキルレベルは10が最大で、最大になるとだいたいの場合上位スキルが手にる。上位スキルのレベルは20が最大となる。だから使えないスキルだと思っていたら、上位スキルが凄く強かったなどということはざらにあるそうだ。
―――まあそんなわけで10個のスキルを選び終わったのでイリス様に報告することにした。
「イリス様。終わりました」
「あら、終わったの?」
俺は自分が選んだ10個のスキルをイリス様に伝えた。
「分かったわ。それじゃあそのスキルを渡すわ。あ、ついでに私からあげるスキルも渡しちゃうわね」
イリス様はそう言って、手の平を俺に向けた。そして、何事か呟くとイリス様の手から白いがれ出し、俺のへとり込んできた。
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