《最強家族のまったりライフ》24話 魔法の訓練②
ギムルが倒れた(倒された?)シェーラと一緒に帰ってしまったので、なし崩し的に魔法の練習はケリルの番となった。結局無魔法の練習はできなかったので、後でギムルが教えてくれるらしい。さっきはイケメンクソ野郎とか言ってすみませんでした。そして相変わらず母さん達も姉さん達も戻ってきていない。あの人達に限ってもしものことなど考えるだけ無駄なのだがもうかれこれ2時間近くは経っているので戻ってこないのがし気になる。
「私が教えるのは水と土魔法ですね。水魔法も土魔法も日常生活に大いに役立つので覚えると便利ですよ。水魔法は飲み水を作ることは勿論、お洗濯にも使えますからね。土魔法は簡易的な椅子やテーブルなど作れるのでお出かけの際などは重寶しますね。」
まあそろそろ戻って來ると思うので今はケリルに魔法を教わろう。
ケリルは俺にニコニコと微笑みながら自分の教える魔法を紹介している。元々ケリルの顔立ちがいこともあってかとても可らしく、安心する。ああ、癒される…………。
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シェーラの獲を狙うような視線とは大違いだ。いや、シェーラも悪気があるわけじゃないんだけど…………ほら、ね。
「それではまずは水魔法からやってみましょうか。」
「うん!」
「水は形がないのでしイメージし辛いかもしれません。ですので最初のはコップにった水を想像してください。」
コップにった水、コップにった水………。
「…………うん、できた!」
「では次にそのイメージを保ったままどちらかの手に魔力を集中させてください。」
「………できたよ。」
「そうしたらコップにった水をこぼすイメージをしてください。それと同時に魔力を放つのです。ここが最初は難しいので焦らず何度でも━━━」
水をこぼしながら魔力を放出…………ん?これかな?とりあえず口に出してみよう。
「水よ放て"水弾ウォーターショット"」
俺がそう口にすると手のひらから10センチ程の大きさの水球が現れ、かなりの速さで飛んでいった。そして水球は50メートルほど進んだ辺りで地面に落ち、小さな水溜まりを作った。
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※ピローン  水魔法Lv .1を取得しました。
おお、これが水魔法か…………。魔力で作り出した水は消えないんだ。まあ、そうじゃなきゃ飲み水として使えないか。
「ク、クルス坊っちゃま?一発で出來たのですか?」
橫を見るとケリルがムンクのびのような格好で驚いている。表かな人だな。
「うん!できた!」
一発でできたのはおそらく魔力作のスキルのおかげだろうが、魔法ができたこと自は嬉しいのでそののまま笑顔でケリルに報告する。
「はうっ!………なるほど、これはシェーラがサボってまでクルス坊っちゃまの元に行くわけですね…………。私もこれからそうしようかな…………ぶつぶつ。」
「ケリル?」
「ふぁっ!?え!?クルス坊っちゃまはやっぱりすごいです!すごいです!」
なにやら小聲でぶつぶつと呟きだしたケリルに、どこかシェーラと同じものをじて危険だったので、俺が聲を掛けると俺を見て驚いたあと元のケリルに戻った。
良かった。まだダークサイドシェーラ側には墮ちていなかったようだ…………ないよね?
《……………。》
『……………。』
おいっ!ノイント!ティオ!なんでそこで賛しない!
《え?い、いやぁ~ははは………。だ、大丈夫ですよ~……多分、おそらく、きっと……。》
『マスター。ケリルを信じるのです。希はあり…あり……ま……す?』
それもうダメなやつじゃん!
「あれ?どうしましたクルス坊っちゃま?」
「ナンデモナイヨ。」
「そうですか。では次は土魔法ですね!」
「ソウダネ。」
俺はもう考えないようにした。俺は何も見ていない!魔法のことだけ考えよう。
「土魔法はどんな形にもできる魔法なので、自分のイメージしやすい形を思い浮かべるだけで結構です。土魔法はその質上、魔法名と詠唱があることはないので、魔法名は自分でつけることになります。」
どんな形でもいいのか。まあでも失敗はしたくないから無難に球にするか。
「出來ましたらそのイメージを保ったまま魔力を地面に行き渡らせるのです。難しい形や効果範囲が広いほど高い用の數値と多く魔力が必要になってきます。現時點で出來ないものはイメージを保つことが出來なくなるので、もしこの時點で自分のイメージしていたものが崩れるようでしたら別のイメージを試してみてください。ここが出來れば魔法は発するので頑張って下さいね。」
魔力を地面に行き渡らせる?
「ケリル、魔力を地面に行き渡らせるのってどうやるの?」
「申し訳ございません、失念していました。魔力を地面に行き渡らせる方法としては手を地面に付き、その手から魔力を放出して、魔力を地面に押し込むようにするのです。魔力作が上達している者なら足から地面に行き渡らせることもできます。クルス坊っちゃまは今回が初めてのようなので手を地面に付く方法にしましょう。」
「うん、わかった!」
早速俺は地面に手を付き自分のしたイメージを思い出しながら魔力を地面に放出した。
俺がイメージしたのは小學校の時に作った艶のある泥団子だ。今のところイメージが保てなくなるということはないから大丈夫だろう。
そして、俺のイメージが乗った魔力は何の抵抗もなく地面に吸い込まれていった。そして地面が魔力を吸い込まなくなると次の瞬間、俺の目の前の地面からとバランスボール程の大きさの土でできた球が地面から押し出されるようにして姿を現した。その球は重さをじさせない作でフワリと宙に浮かび、そのまま空中に留まるように靜止した。だが変化はここで終わらず、その球は圧されるようにしてみるみるうちにんでいき、最終的には拳大のサイズになった。またも変わり、土気だった巖は真っ黒に染め上げられ、黒りするように変化した。変化を終えた球はフワフワと俺に近づいてくると、クルクルと俺の周りを衛星のように回りだした。
ピローン  土魔法Lv . 1を取得しました。
《ご、ご主人様~。これなんですか~?》
俺が聞きたいよ………。ティオ、なんだかわかる?
『土魔法です』
うん。それはわかってるからこれは━━━
『土魔法です』
いや、だか━━━
『土魔法です。』
あ、はい………。ティオさん、分からないなら分からないと言えばいいじゃない………。
ノイントとティオとそんな會話を繰り広げていると、俺の脳にこの黒い球にどんな能力があるのかという説明書のようなものが流れ込んできた。
俺はとりあえず脳に流れ込んできた説明書にあった能力を試すために今もクルクルと俺の周りを回っている黒い球に魔力を送る。すると、黒い球はピタリときを止め、一瞬で俺の前に來ると形を変え、球から俺のを覆えるくらいの大きさの長方形になった。
脳説明書にもあったがどうやらこの球は盾の役割をしてくれるようだ。そのままでも巖が圧されているのでとてもいが、変形させるときに送る魔力量に比例して度も上がっていくらしい。また、今は俺の前方に展開したが基本俺の近くならどこでも展開でき、形もこれと言って決まりはないらしい。
俺は試しに今は長方形の球に向かって先ほど覚えた疾風ゲイルや水弾ウォーターショットを打ち込んでみたがびくともしなかった。
あらかた能力の確認は出來たので黒い長方形に向かって念話のようにして意志を伝えると一瞬で元の球に戻り、またクルクルと俺の周りを回り始めた。
そして、その景を今まで口を半開きにして見ていたケリルの方を見るとやっと驚きが抜けたようで俺に話しかけてきた。
「………クルス坊っちゃまはどんな形をイメージしたのですか?」
「え?普通の球だけど?」
「球だったんですか!?うーん…………坊っちゃま、一度ステータスを見せていただけないでしょうか?」
別に見せてもいい気はするが、そうすると稱號で俺が転生者と気づかれてしまう。俺の隠蔽スキルが育ってれば良かったのだが生憎レベルは1だ。ケリルが鑑定のスキルをレベル2以上で持っているなら意味がない。でもここで見せないのも不自然だし…………どうしようか。
『安心してください、マスター。どうやらケリルは鑑定スキルを持っていないようなので今のレベルの隠蔽でも大丈夫です。』
そうなの?よかった。じゃあ隠蔽っと。
これでステータスを隠す必要はないな。
「うん、いいよ。ステータス開示。」
クルス・レグサンド :男    3歳
種族:高位森人族ハイエルフ
狀態:健康
Lv . 89
耐久力   52300/52300(35488up)
魔力     87568 /87568(58961up)
攻撃  42510(32530up)
防  29932(22511up)
俊敏  48005(37305up)
用  53444(37974up)
運     85
《スキル》
【武系】
・剣Lv . 1
【魔法系】
・風魔法Lv . 1(new)
・水魔法Lv . 1 (new)
・土魔法Lv . 1 (new)
・魔法Lv . 1 (new)
・深淵魔法Lv . 1 
・神聖魔法Lv . 1 
【技能系】
・強化Lv . 10超越化Lv . 3
・気配察知Lv.10、超覚Lv. 6
・気配遮斷Lv . 10、隠Lv . 6
・魔力作Lv.10、神力作Lv . 1 
・魔力探知Lv .10、霊眼Lv. ━
 ・隠蔽Lv. 1
・調教Lv . 2(up) 
・加速Lv . 10、瞬速Lv . 4
・痛覚耐Lv . 2(new) 
・長倍加Lv ―
【ユニーク】
・神の導き手ガイドマスターLv . 3
・スキルクリエイトLv . ―(3986P)
・霊魔法Lv . 1
《加護》
主神イリスの加護、魔王の加護
《稱號》
転生者(隠蔽)、神の加護をけし者、 
魔王の息子、世界の深淵を知る者、學ぶ者、深淵を覗く者
このレベルの上がりかたは絶対レレナ姉さん達とやったゲームのせいだ。やっぱり昨日シェーラが持ってきた猿の魔は強かったんだな。
貯まってるポイントはどうしようか。何か作ってみてもいいけど5000Pで作れるオリジナルスキルっていうのが気になるからもうし貯めてからにしよう。
ケリルは俺のステータスを目を見開いてまじまじと見つめていた。そして、しばらくすると徐にため息を吐いてどこか納得したような表で話し出した。
「…………クルス坊っちゃま。このステータスははっきり言ってヤバいです。先ほどの魔法もクルス坊っちゃまの魔力と知力の數値を見て納得しましたよ。
…………一何をしたらこんな數値になるのですか!?それにこのレベル!クルス坊っちゃまの年でこのレベルは有り得ませんよ!あとなんですか深淵魔法と神聖魔法って!?それ失われし古代魔法ロストマジックですよ!」
「そ、そんなに?」
「クルス坊っちゃまは常識を知らなすぎですよ!」
「ええ………。」
しょうがないじゃん。だって俺の周りが非常識(な強さ)なんだもん。常識なんてお空の彼方だよ。
「…………っとすみません。取りしてしまいました。」
「大丈夫だよ。」
そんなことを考えてる間にケリルが正気に戻ったらしく自分の言を省みて申し訳なさそうに俺に頭を下げてきたので特に気にしてないことを伝えた。
「ありがとうございます。それでクルス坊っちゃま。話しは変わりますが先ほどの土魔法にはなんという魔法名をつけますか?」
そうだった。土魔法はイメージによって人それぞれだから既存のもの以外は名前をつけなくちゃいけないんだった。
俺は何かアイデアが浮かばないかと今も俺の周りをクルクルと回っている黒い球に目を向けた。
うーん、どうしよう………………うん。わかりやすいのがいいよね。
「"黒盾球"かな?」
「かっこいい名前ですね!ぴったりです。
あ、捕捉ですが土魔法の場合は質上、威力も効果も千差萬別なので魔法自に序列はないということを覚えておいてくださいね。」
「うん!ありがとうケリル!」
ケリルとそんな會話をしていると俺達の近くに輝く魔法陣が現れた。そしてそこに現れたのは當然転移魔法を使った本人のギムル。だがそこにはギムル以外にもう一人姿があった。そこにいたのは……………
『ひどいではないかクルスっ!』
「あっ!忘れてた!」
すっかり忘れてたカリスだった。
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