《最強家族のまったりライフ》27話 魔法の訓練④
はぁー味しかった。この家の料理はほんとに飽きない味しさだな~。
中でもやっぱり前世が日本人だからか、米は別格だった。あの噛むと口の中に凝された米の甘味や旨味が広がる覚がやみつきになる。味しすぎておかずなしで米だけ完食したくらいだ。
デザートはとりどりのフルーツの盛り合わせだった。は全く違うが、パイナップルやイチゴっぽいものがあった。
デザートか~。ラノベとかではよく異世界で料理革命とか起こしているけど、俺はあんまり料理は作らなかったしお菓子作りなんて門外漢だったからね~。そういうのは他の転生者に任せるよ。
『マスター。私にはそういった前世の料理の知識があるのでおみなら料理革命も起こせますが?』
噓!?ティオさん萬能過ぎんかね。
いや、でも俺は料理革命して目立ちたいとか思ってないからいいよ。
『そうですか…………』
こころなしかティオの聲が殘念そうに聞こえた。
《ねえティオ。ご主人様がやらないなら、ボクがやってもいいかな~?》
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え!!ノイントが?
《はい!なんか料理って面白そうなのでやってみたいのです~》
でも霊………あ、実化ができるのか。
いいんじゃない?やりたいことができるのは。
『そうですね。私もこの知識を活用しないのは勿ないと思っていましたので』
《ありがとうございます!》
「ふぅーお腹いっぱい!」
「ん、食べた………」 
俺達の話が終わったのと同時に姉さん達も食べ終わったようだ。
俺達は先に晝ごはんを食べ終えていて、ノイントは既に実化を解いている。
これは俺がノイントとカリスと分けて食べたから先に食べ終わることができたのではなく、姉さん達が更に最初と同じ量の料理をおかわりしたからだ。
なくても姉さん達の胃の大きさ以上の量は食べてるはずなのだが……………あれかな?異世界人はみんな胃にアイテムボックスでも裝備してるのかな?
まあ、それはさておきこれで魔法の練習を再開できるな。
「ギムル!みんな食べ終わったから早く魔法の練習に行こう!」
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「畏まりました。では━━━」
バンッッッ!!!
ギムルと話していると突如食堂の扉が勢いよく開かれた。
「わっ!なっなに!?」
いきなりのことで俺は思わず聲を上げてしまった。
「ちょっと誰よ!私のクルスがびっくりしちゃったじゃない!」
「私ですよ~。職務怠慢常習犯のお~く~さ~ま~が~た~っ!!」
「「ひいっ!」」
扉の方を見るとそこには全から目に見える程のドス黒いオーラをに纏って、母さん達を殺さんばかりに睨み付けている一人のメイドの姿があった。
それを見た瞬間、勢いよく扉を開いたことを怒ろうとした母さんもレスティアお母さんも顔を真っ青にして、口から小さな悲鳴をらした。
そりゃあいくら化けな母さん達でも、あんな見るだけで理的に殺せそうな視線放ってるメイドが睨み付けてきてるんだから恐怖もじるよね………。
それにしても何であのメイドは母さん達を睨んでるんだろう。
「職務の途中にお二方ともお手洗いに行く仰おっしゃられてから、暫く待っても戻って來ないので何事かと思えば、坊っちゃまの魔法の練習を見學しに行ったとかいうではないですか!昨日私言いましたよね!次職務怠慢を引き起こしたらセーラ様は酒蔵を、レスティア様は魔の剝製コレクションを灰に還すと!」
二人ともそんな事言って抜け出してきたのか…………。そしてやっぱり二人は常習犯だったんだ。
「あああ!忘れてたわ!」
「ねえ待って!話せば分かるわ!」
「いいえ待ちません!何度も約束を破って仕事をサボる悪い奧様方には々痛い目を見てもらった方がいいのです!」
そう言うとそのメイドは踵を返し、スタスタと食堂から出ていってしまった。と思ったら戻ってきて俺に頭を下げてきた。
「坊っちゃま、先ほどは大きな音を出してしまい申し訳ありませんでした」
この人禮儀正しいなぁ。わざわざそれだけを言いに來るなんて。
「大丈夫だよ。気にしないで」
「ありがとうございます」
俺がそう言うと先ほどの剣幕からは想像もつかないような和な笑みを浮かべ、もう一度頭を下げて今度こそ食堂から歩き去っていった。
「……………はっ!ちょっと待って~!」
「ごめんなさ~~い!次からはちゃんとやるから~!!」
一連のやり取りを呆然とした様子で眺めていた母さん達は、メイドが歩き去って漸く再起したようで、慌てた様子でそのメイドを追い掛けていってしまった。
…………それとレスティアお母さん、それ絶対次やらないやつだから。
「…………では食事も済みましたので魔法の練習の続きを致しましょうか」
「う、うん」
ギムルはスルーのようだ。
姉さん達といえばまだ満腹の余韻に浸っているようだ。
「姉さん達も行く?」
「もちろん!」
「あのを飲むまで帰れない…………」
ありがとうございました。あ、そういうこと。
「次は火魔法でしたね」
俺達はまたギムルの魔法で先ほどの場所に戻ってきた。今回はシェーラとケリルと母さん達が來ていない。
シェーラの場合は俺達がギムルの魔法で転送される直前に、俺達が手を繋いでいるところに勢いよく飛び込んできたのだが、その前にギムルの鉄拳が振り下ろされ地面に叩きつけられてけなくされていたので、來なかったというよりは來れなかったというのが正確だろう。
何がシェーラをそこまでさせるのか謎が盡きないがとりあえず愁傷様だ。
姉さん達はここに來てすぐに森の中へっていったのでここにはギムルと俺とカリスとノイントしかいない。
「では火球ファイアーボールをやってみましょうか。火魔法のイメージとしては魔力の形を不定形なまま撃ち出すのです。最初はただの魔力放出ですが適正があれば何度かやっていると火魔法を撃ち出す明確な方法が見えてくるはずです。これは人により千差萬別なので私からはなにも申せません。まずは私が手本をお見せしましょう」
そう言ってギムルが前方に手を翳すと、ギムルの掌にバレーボールサイズのゆらゆら揺らめく赤に輝く火球が撃ち出された。火球は自転車くらいの目で追い掛けることができる程の速さで進んでいき、地面に著弾するとボンッと小発を引き起こして消えていった。
「これがこの世界の平均的な火球の強さになります」
「ありがとう」
お手本を見せてくれたギムルにお禮を言って早速始める。
ええと不定形なまま撃ち出すんだよね?形を決めずにってこと?うーんわかりにくいな。學校の理科で習ったアメーバでも思い浮かべればいいのかな?
まあいいや。は試しだ。
頭の中でぐにゃぐにゃと形を変えるアメーバを魔力で形にして撃ち出してみる。
特に変化なし。その後も20回程試してみるが何も変化は現れなかった。
俺、火魔法苦手なのかな?
『マスターはハイエルフなので種族の特上仕方ないと思いますが、出來ないことはないはずです』
そうなの?んーでもなぁ。
《でしたらイメージをそのあめーば?から変えてみてはどうですか~?》
 イメージを…………例えば?
『そうだな、とかどうだ?不定形だろう?』
なるほど、確かに。ありがとう皆、試してみるよ。
イメージするのは太の。太自は丸いがは違う。あの目も開けてられないような強烈な。形は考えなくていい。なんせ不定形なんだから。太のをイメージしたまま魔力を放つ。
十回程繰り返したがやはり変化は起きず、これもダメかなと思いながらもう一度やってみる………………おっ、頭の中に詠唱が。すかさずその詠唱を口にしてもう一度魔力を放つ。
「敵を燃やせ"火球ファイアーボール"」
すると俺の掌に白く染まったスーパーボールサイズの小さな火球が現れ前方に向かって放たれた。火球は目で追えないくらいの速度で勢いよく飛び出していったが徐々に小さくなっていき、100メートルほど進んだところでゆっくりと掻き消えていった。
※ピローン  火魔法Lv .1 を取得しました。
あんなに小さかったし、やっぱり火魔法は苦手なんだね。そう思ってギムルを見ると何やら考え込んでいて、しばらくしてから口を開いた。
「坊っちゃまのファイアーボールは大きさこそ平均よりもかなり小さいですがあのスピードと程には目を見張るものがあります。そして何より、あんなのファイアーボールは見たことがありません」
ああ、確かに俺の撃ったファイアーボールは白だったなあ。でもそれになんの違いが?
《ご主人様の撃ったファイアーボールはギムルさんが撃ったのよりも熱かったですよ~》
熱かった?白のファイアーボールだと溫度が高くなるのかな?というかノイント、そんなことわかるんだね。
《霊ですから~》
霊すごいな。まあ溫度が高いなら薪に火を著けるときとかに役立ちそうかな?他にも水もすぐ沸かせるようになるね。
『なんでそんなに家庭的なんですか…………』
『戦闘に使わんのか』
だってあんなに小さいんだもん。相手が丸腰だったらいざ知らず、鎧なんか著てたら簡単に弾かれちゃうでしょ。
『そんなことない気がするがな…………』
さて、火魔法は苦手だってことはわかったし次いこう。
「そうなんだ。よく分からないや。それでギムル、次の魔法は?」
「あれについては後々調べることにしましょう………………次の魔法は時空魔法です。この魔法はかなり難しいので一朝一夕で習得するのは難しいと思いますが、焦らずじっくりやっていきましょう」
「うん!」
「時空魔法を習得するためには、まず基盤となる空間のコアを召喚する必要があります」
「空間のコア?」
「空間のコアというのは時空魔法を使うための、発させるための道と言えば良いのでしょうか」
なるほど、時空魔法は空間のコアがないとり立たないと。
「しかしその空間のコアを召喚することが難しいのです。私も最初は空間のコアを召喚するのに半年以上掛かりましたからね」
化けシェーラを鉄拳で沈められるギムルでさえ半年もかかったのか………。まあ時間はあるしゆっくりやってこう。
「空間のコアを召喚するためには魔力で周囲の空間を把握してコアを見つけ出さなければなりません。そこさえ出來てしまえばあとは然程難しくはありませんので頑張りましょう」
「うん!」
「やり方としては、まずは魔力を周囲に放して自分の魔力を空間として認識するのです。そうするとだんだんコアの位置がはっきりじられるようになってくるので、その覚を覚えてください」
魔力を放して空間を認識……………ダメだ!わかんない!
『マスター、順を追って説明するので一緒にやっていきましょう』
お願いしますティオさん………………それにしても時空魔法だけやけに難易度が高くないか?
『時空魔法は火や水のように自然にある屬ではないので、まず"時空"という概念を形にする必要があるのです』
ええと、時空は目に見えるものではないから、自分達にわかるようにしなければならないってこと?
『だいたいそんなじです。空間のコアを召喚するのはそのためでもありますから』
その過程が難しくしてるってこと?
『そういうことになります。ですので、時空魔法の使い手はとてもないのです。使えてもせいぜい上級までがいいところでしょうね』
そんな難しい魔法が俺にできるかな?
『ご安心下さい。私こと"神の導き手ガイドマスター"がしっかりとマスターに時空魔法を使えるようにしますから。たとえできなくてもできるようにしますから』
お、お手らかに…………。
『ではまず、ギムルが言ったように魔力を360度全方位に放ってみてください』
俺は全から魔力を放つイメージで魔力を放った。
こう?
『はい。次に、魔力探知を使って今放った魔力を探知してください』
辺りにある俺の魔力を魔力探知で調べる。だいたい俺から5メートルほど離れたところまで広がっているようだ。
『そうしたら魔力作で周囲のマスターの魔力が霧散しないように作して、それを10分ほど維持してください』
魔力作で周囲の俺の魔力をドーム狀にして霧散しにくいようにする。
これ、結構きついぞ。これで10分って………。
『そんなことでへこたれてどうする。もっと気合いをれろクルス』
《ご主人様、ファイトですよー!》
ありがとうカリス、ノイント。でもちょっと今は話しかけないでくれるかな。集中が切れ━━━あっ。
カリスとノイントの方に意識がいった瞬間、魔力作がれドームの形を維持できなくなった魔力は形を崩して霧散していってしまった。
これ、かなり難しいぞ。しの気の緩みも許されないじだ。
『マスター、もう一度です』
はい…………。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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