《S級冒険者パーティから追放された幸運な僕、神と出會い最強になる 〜勇者である妹より先に魔王討伐を目指す〜》第33話 『謎のに包まれて』
「ということで今晩だけグレンダさんを泊めることにしたんだ」
現在、拠點としている屋敷『グリモワール邸』の食堂にて、先ほど偶然にも助けたグレンダという可いらしい容姿をした魔道士をリンカ達に紹介していところだった。
當然、よい反応よりも先にリンカ達は不審そうな視線をネロに當てていた。
そして呆れたように、陣は揃って溜息をこぼす。
「……またね」
「またですねぇ」
「まただにゃ」
「またって?  ネロくんってしょっちゅうそうなの?」
同調するリンカとフィオラとミミと打って変わって、ジュリエットはし揺しながらリンカ達に聞いた。
「見ての通りよ、周りをご覧なさい」
リンカが周囲の陣に指を差しながら呆れるように言った。
どうしてこんなにもだけがこの場にいるのか、それをジュリエットはようやく気づく。
何を思ったのかジュリエットはネロの隣に座るグレンダの方を向き、咳払いしてから質問する。
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「どうも、私はジュリエットと申します。グレンダさん、ですよね?  貴方もしかしてだけど、ネロくんに不思議なを抱いたりはしなかった?」
ギクッ!  とあからさまな反応をみせるグレンダ。
その質問に陣達はピクリと眉をひそめる。
ミミだけは平常心だった。
ネロには一応懐いているようだけど、案外そういうは全くないらしい。
だけど油斷は、あとは時間の問題だ。
「………………別に特に、あ、あ、あ、ありませんよ!」
挙不審に目を泳がせながら答えるグレンダ。
隠しきれてない、まったく隠しきれてないから。
それを聞いて不審そうな表を一瞬みせたジュリエットだったが、ニコリと笑ってから手を差し出した。
「そう、別に確認したかった訳じゃなくてね?  あまり気にしないでくださいねグレンダさん。もちろん歓迎するわ」
「……は、ハイこちらこそ不束者ですかお手らかによろしくお願いします!」
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グレンダは頭を下げながらジュリエットに差し出された手を摑もうとばす。
だけどテーブルの長さからして彼との距離では屆かない。
とうてい握手は無理そうなので二人は苦笑いしながら気まずそうにばしていた手を下ろす。
なんだか、暗い空気が続いている気がしたネロは手をパン!  と叩いて皆の注目を集める。
「えっと、お腹も空いてきて料理も準備されたことだし、とりあえずは食事にしよう。グレンダさんも遠慮なく食べていってね」
「う、うん。ありがとね……なんか、々と」
さっきまでの活発そうな威勢がまるでない返事が返ってきた。
迷宮でみせていたあのグレンダのキャピッ!  ポーズを全然してこないじゃないか。
この屋敷に訪れてからなのか、それとも刻まれていた紋章を目にしてからか、彼から落ち著きがまるでない様子である。
それがあまりにも面白かったのでリンカ達の前でもやってしかったと、々殘念がるネロだった。
「……ん……これ、おいしいっ!」
スープを口にしたグレンダから稱讃の言葉が溢れる。
味すぎたのか、スープンを落としながら勢いよく立ち上がり両手を重ねていた。
そして、彼は周囲を見回す。
「急にどうかしたの、グレンダさん?」
「おいしいのは確かニャのだけど、そこまでのリアクションするほどかニャ?」
相変わらず呑気に料理を頬張るミミ。
やはりばかりを摂取している。
たまにジュリエットが野菜も食しなさいと注意をするけど、ミミはそれを聞かずにを食べながら逃げてしまうらしい。
だけど最終的に拘束されてガミガミとジュリエットお母さんに叱られる。
そのままピーマン地獄の刑を判決されてしまう、それなのにミミは懲りずになぜかを食べ続けているのだ。
「いや、あの、この料理って誰が作ったのか……気になったの」
「この料理?  ウチにはコックを雇うぐらいの金はないよ。だけど、ジュリエットちゃんがほぼ擔當してくれているんだよね」
ジュリエットへとグレンダの視線が向けられた。
輝く尊敬の眼差しだ。
だけど今回、この料理を作ったのはジュリエットではない。
「まさか、ジュリエットさんがこの……料理を!」
「いや、私じゃなくて……」
苦笑いしながらジュリエットは答える。
代わりにネロが説明しようとしたその剎那、グレンダの背後から異様な気配がした。
瞬時に振り返るとそこには、
「料理をなさったのは私であります、お嬢様」
メイド服を著た清潔そうなが、ティーセットを乗せたトレイを手にグレンダの背後に立っていた、それもいつの間にかだ。
満を遙かに凌駕したというの象徴、のダークブラウンな瞳、目元に付いているセクシーな鳴き袋が彼の気をさらに引き立てていた。
そんな彼の無心な表が向けられる先には、ネロが映っていた。
「ご主人様、ただいまお茶がりました。まだ高熱ですので食後にお召し上がりください。丁度良い溫度合に調整しておきましたので、その間に冷えることはありません」
「毎度ありがとうございますねアネットさん。是非いただきます」
「…………」
そう言いながらアネットと呼ばれるははテーブルにティーカップを並べた。
そのままネロに一禮して、食堂の廚房の奧へと消えていってしまう。
絵に描いたようなメイドの姿だ。
「……彼は、この館の使用人なの?」
立ち盡くしながら、グレンダは驚いた様子でネロに聞いた。
突然、音もなく背後から現れた得の知れないだったので無理もないだろう。
「……うん、彼は元々この屋敷の前當主に仕えていた使用人の『侍長』だったんだ。さっきも言ったと思うんだけど、この屋敷に元々住んでいた上流階級の大貴族が沒落してから逃亡を図ったんだ。おかけでこの屋敷を手放さなきゃいけなくなった。
かつてそこで仕えていた彼『リネット・バレンタイン』さんは前當主に猛烈なまでの忠誠心を持ったんだ。館に対しての未練を斷ち切れずに、この屋敷に殘ったらしい。『私が仕える真の主人がどうか安心して帰還なさってくれるよう、私はここでお待ちしております』と、この屋敷に最初訪れた時に悲しそうにアネットさんは言っていたよ」
若い頃、村にいた住んでいたネロは一度だけアネットとは會っていた。
前當主の娘であるレインを心配して、遙々王都から村まで足を運んできたのが理由だった。
「けど、いざ彼と対話してみれば優しい方だって分かったよ。ちょっと鬱陶しいぐらいの世話好きだけど……ね」
そんなネロがアネットに抱いた第一印象が『怖いお姉さん』というものだった。
まだ二十代で若い頃のレインとあまり年齢差がない彼だったが、まるで大人のようにお節介焼きだった。
幾帳面で清潔、律儀な。
だけどつまみ食いしてしまうような、ギャップがアネットにはあった。
アネットとネロは數年も會っていないが、まさかこのような形で彼と再會が出來るだなんて、ネロ自は思いもしなかっただろう。
「そういえば、この料理はアネットさんが作ったんだよ」
「ああ、あの人言ってたね、とても味だったよ。後で………お禮なんか言ってもいいのかな?」
それを聞いた途端にネロ達は顔を青ざめてしまう。
「それはやめておいた方がいいと思うよ?  そのせいで、ちょっと々と問題が起きちゃったし、その想いだけは心の中にしまっておいて」
「え?  どういう……」
再び聞いてみようとしたグレンダだったが、恐ろしそうな表を浮かべるネロ達を眺めてそれ以上聞くことを斷念した。
(……まあいいわ。けど、なんなのかしらこの男?  屋敷を持っているわ、グリモワール家の知り合いがいるわ、の子に囲まれているわで幸運値MAXですか?  まぁ、そんな訳ないわよね……そんなの聞いたことないし。居たら躊躇わずに結婚しちゃうわ私)
「あら、どうかしたのかしらグレンダさん?  顔、ゲスいわよ?」
うっかり自分の世界にり込んでしまったことにグレンダは気つき、すぐさま我に帰る。
顔を上げると、そこにはニヤケた顔のリンカが腕を組んでお茶をすすっていた。
の勘でリンカはグレンダの面をほぼ察している狀態だ。
自分もアネットと同じ表を作ってきた時期が何度かある。
不思議にリンカはそんなグレンダに対して、悪い親近を抱いてた。
「はっ!  もう、何を言うんですかの子に対して〜、ゲスくなんかないですよぉ?」
「ふーん、そう?  ま、とにかくあまり詮索はしないでおくわね。ああ、ちなみに私はリンカって言うの。忠告だけど、私のこともあまり詮索しない方が……いいわよ?」
恐ろしいオーラをグレンダに放ちながらリンカはニコリと微笑んだ。
(なんなのこの?  し可いからって私を威嚇してきて?  ははーん、もしかして私と同類なのかしら?)
「ごちそうさま」
食べ終えたジュリエットが手を合わせ言う。
途端二人は睨み合いを止めた。
(チッ)
(チッ)
せっかくアネットが作ったものだ、二人も黙々と食べながら食事を終えたのだった。
※※※※※※
この屋敷には巨大なお風呂をも完備している。
おかげさまで毎日、溫泉に行かずとも浴できて陣は非常に嬉しそうだった。
だけどその中、貓屬のミミだけは嫌がってしまっていた。
を水で濡らしてしまうのが凄く嫌らしい。
貓らしいと言えば貓らしい。
無理強いする気はない、彼がそう言うのならば強引にらせる訳にもいかない。
だけどそれを許さないのがウチのメイドのアネットである。
彼にとって不潔は大敵。
常に屋敷に住まう住人も清潔ではなくてはというルールがアネットにはあって、逃げうミミをも瞬殺。
気絶したまま浴させられ、の隅々までアネットは汚れを落としてしまう。
どうやら汚れを全て落とさなければ気がすまない質らしい。
その次の日には、ツヤツヤ狀態のミミが屋敷の中を徘徊しているのだ。
今日の浴は優先、ボクは部屋で大人しく順番を待つことにした。
「……手紙でも書こうかな?」
エリーシャに送る手紙を書こう、容はすでに決まっている。
そう思いながら機に向かおうとしたが、何かをじたとりボクは足を止めた。
「……異変?」
屋敷から気配が一瞬にして消滅したのだ。
アネットを含めて數人も、リンカ達の気配が途絶えてしまっている。
それが何かしらの予兆なのか、嫌な予が頭の中をよぎる。
不審に思いながら部屋の扉の方へと近づき、手をかけようとした、だけど遅かった。
突然、部屋をが充満してしまい、とっさに反応できずにが直してしまう。
抵抗も出來ない、何が起きたんだ?と。
そう認識する前に、全てが神々しく眩しいによって包み込まれてしまう。
「ああ…………あ…………っ」
それでも尚、ボクは手をばし続けた。
自分でも分からない、だけど誰かがきっとこの手を摑んでくれるはずだ。
そう願うしか、ボクにはできることはなかった。
「………!」
意識が途切れるその瞬間。
この世界からボクという一つの存在が、音もなく消滅してしまった。
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