《S級冒険者パーティから追放された幸運な僕、神と出會い最強になる 〜勇者である妹より先に魔王討伐を目指す〜》番外 『白い未來をんだ』
これは、魔王がこの世界に産まれ落ちる遙か數百年前の語。
魔法を駆使しながらも技を持たない魔族と技を駆使しながらも魔力を持たない人族との、関係がまだ分斷された紛爭時代。
そんな世界には、長い耳を持った明るい魔族のを引いたが生きていた。
彼は平和をなによりみ、一族を心からし、さらに人族をもし尊敬する優しき心を持っていた。
魔族同士のじわらない種族文化によって引き起こされる爭い、派閥によって戦爭を発させる人族。
絶的な運命を辿っていく未來を約束されたこの世界に、それでもなおは絶をけれたりはしなかった。
殺伐とした世の中を目にしても、必ず救いの手がべられるのを信じては白い未來を祈ってみせた。
それが人にも満たない、彼の最初の思想だった。
そして若き頃、ある日は神と名乗ると出會う。
神は誰もが見惚れるほど、とてもしい容姿をしただった。
それなのに服裝は貧相でみすぼらしく、の想像していた高貴な神の姿とは程遠いものだった。
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それでも純粋なは、神と名乗るの言葉を信じ、ある種をけ取る。
の手に握らされたその種は、とても小さくを被った米のような形をしていた。
神はそれを《霊種》と呼んだ。
強くて気高い者にしか育てられない、未來を紡ぐ栄の種。
命を宿し、命を作り、命を想像する樹が育つと神はに言ったが、それは本當の未來を願う者にしかできないと助言した。
この樹が育ったところで、未來がどのように左右するのかも所有していた神にも予測できない。
定められた運命を歪ませる、兵にもなる。
どのような結果に至ったとしてもけれる覚悟があるのか?  と神はの手に置かれた種と、白い瞳を持つを互に見ながら聞いてみせた。
それでもは悩む素振りをみせず、まっすぐな眼差しで神をみつめながら答えた。
ーーーー可能があるのなら、私は限られたこの世界を変えてみせたい。
それが、彼の答えだった。
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混沌の渦に飲み込まれてしまっても、世界がの育て上げられた樹によって滅んでしまったとしても、白くて平和な未來へと歩められる可能が存在するのならば、それが全てどうでもよかった。
それを聞いた神は耳を疑いながらも、小さく笑った。
ーーーそうか、それならばお主にこの世界を任せよう。いつかまた、この世界に妾のような來訪者が來るだろう。その時は、どうかよろしくと伝えておいてくれ。
最後に神はそう言い殘し、未來の種を握りしめるの目の前からその姿を消したのだった。
その時、は決意した。
次の日に、この種を埋めようと。
※※※※※※
 
魔族のを引いた亜人族だけが統治する、大國のはずれにある村には、誰よりも元気で活発に笑顔を振るまうらしいがいた。
『ミア・ブランシュ・アヴニール』
彼は人族と魔族との間に産まれた、いわゆるハーフである。
魔族と違って魔力に適正を持たない、人族のような姿を持たない。
どっちの種族とも認識されないミアをけれてくれたのは、彼を産んだ母の故郷である村、そこに住まう魔族達だけだった。
ミアは産まれた時から人族によって両親を殺されている。
殘ったミアの寄りは母の祖父母に當たる人だけだった。
祖父母はミアをただの孫ではなく、我が子當然のようにを注ぎながら育ていった。
村の住人も全員、最初は人族のを引いたミアに恐れて極力関わらないためにも距離を取っていた。
だけどミアとの流を深めていくうちに、村の住人の大半は次第に彼との距離を近づけていった。
 彼が一人のとして認識されるまでそう時間は掛からなかった。
どうやらミアには人を惹きつけるような、不思議な質があった。
困っている人を見かければ何も言わずに手を貸してやったり。
森に傷ついたがいれば村まで連れて帰って治療してやったり。
とにかくお節介焼きな格で、おまけに周囲を笑顔にさせるお調子者だった。
人懐っこさも人一倍である。
たまに村に訪れてくる旅人にくっ付いたりして、村の外についてのことを々と聞いたりするのがミアだった。
旅人の大半はミアの事を知ってもなお遠ざかったりはしなかった。
彼が懐いたりする一つの理由がそれかもしれない。
旅人の中にはミアの可さに惹かて旅の同行を頼んだりする連中もいた。
だけどミアは片っ端から斷っていった。
ミアには、この村に殘らなければいけない理由があるのだ。
それがいつか達するまで、ミアは村に出ることを考えたりはしなかった。
たとえ數年、數十年経過しようとミアは村から決して出ることなく殘る気でいた。
※※※※※※
明るいミアには仲の良い男友達がいた。
名前は『シオン・マグレディン』。
気が弱くて真面目な年である。
ミアより歳は下だが、大差はそこまでなかった。
ミアのいる村から遠く離れた集落にシオンは住んでいた。
すぐそばには栄えた街があるためか、行きう人々が沢山いる場所だ。
シオンはその集落の族長の子息であり、次代の族長を約束された分の高い年である。
護衛とともにミアの住まう村にシオンは時々訪れてきたりした。
最初の出會いは、丘で一人シオンが暇を持て余していた時だった。
背後から忍び寄ってくる気配をじとれずに突然、シオンは背中を押され、丘の下り道に転がり落ちてしまった。
急だったので理解が追いつかず、シオンは地面に這い蹲りながら涙目になる。
見上げるとそこには、自より大きな三人組の悪ガキ面をした年が、自分を見下ろして面白がっていた。
シオンは訳も分からずに逃げようとしたが、すぐに追いつかれてしまい袋叩きにされる。
なのにシオンはその時、毆られても助けを求めることはしなかった。
元々、彼は人見知りな格でべるような年ではない。
それを悟った悪ガキ達は、都合の良いようにシオンを扱った。
その剎那である。
悪ガキの一人が派手に吹っ飛ばされて、その次に腰巾著の二人が何らかの強い衝撃をけてひっくり返った。
悪ガキ達が自分たちの行いを後悔しながら、その狀況を悟る。
だけど、すでに手遅れだった。
無闇な暴力をこの村で最も拒絶する、優しき心をもったミアが鬼の形相で悪ガキ達を睨みつけていたのだ。
それから悪ガキ達は必死に許しを請うも、ミアの正義の鉄槌によって悪ガキ達は呆気なく打ちのめされてしまう。
シオンはその景を眺めなが、訳が分からなくなる。
瞬間、ミアに顔面を毆られ、 気を失ってしまった。
後から聞いた話。
どうやらミアはシオンがめをけている一部始終を遠くで見つめていたらしい。
シオンが助けを求めるまで彼は手を出さないようにしていたが、中々助けを求めないシオンの間抜けさにイラつきが増幅して発。
怒りをシオンもろともぶつけてしまったらしい。
だけどシオンはそれがキッカケで、自分を助けてくれたミアを友人として認識した。
たまに護衛を一人引き連れては、ミアと遊ぶためにシオンは集落から村まで足を何度も運んできた。
それを何度も続けたある日、村に訪れたシオンはミアの姿がないことに気がついた。
村の住人にミアの事について聞いてみたが、どうやら森へと一人潛っていってしまったらしい。
「いつものことだ」「笑顔で帰ってくる」と、住人らはさほど心配した様子をみせずに軽口で言った。
だけど初めてそのことを知ったシオンは待機してくれている護衛に緒でミアの潛っていった森へと足を踏みれてしまう。
初めて自分だけで行したシオンは、周りの全てのモノが異形に見えて仕方がなかった。
一旦引き返そうか?  と弱気になってしまったが、それよりもミアを心配する心が彼の足をつきかす。
森を進んでいくと、彼はある広場に辿りつく。
そこには、見慣れた小さな背中を向けたが座り込んでいた。
そへがミアだとすぐに気がつき、安堵したシオンは聲を掛けようとしたが、ミアは何かをブツブツと一人で呟いていた。
「?」
気になったシオンは気づかれないよう、ミアの様子を伺った。
耳を傾けると、ミアの呟いている言葉がシオンの耳にも屆いた。
「白…………みら…………このせか…………」
數時間もミアはかずに、手を合わせながら何かを祈り続けていた。
それを邪魔してはいけない。
シオンはそう思いながら気づかれないよう、この場から立ち去ろうとした。
途端、迂闊にも木の枝を踏んでしまった。
バキッと音が広場まで響いてしまい、シオンはしまった!  と姿勢を低くさせて草に隠れようとしたが、広場にいたミアと目が合ってしまう。
「シオン……なの?   そんな所で変なポーズを取ってどうかしたの?  まるでトレントみたいだよ」
「あ、あ、誤解しないでくれ!  僕はなにもずっとここで君の様子を見ていたわけではないし、そういう意味でミアを思ったことはないから!」
シオンは慌てながら自分を見つけてしまったミアに様々な言い訳を繰りだした。
それでもミアは不思議がることなく、素っ気ない聲で「あっそ」と笑いながら返事する。
シオンは気になっていた、ミアがここで何をしていたのかを。
ウジウジしながら彼に聞いてみせた。
「ミアはここで、ずっと一何をしていたの?  あ、えっと、別にずっと見ていたわけじゃないから!  うん!」
「ああ、村の大人達には緒だったけど、別にシオンにバレた所で心配することは何一つないかな。どうせ、シオンは誰にも言ったりはしないから特別に教えてあげるね」
そう言いながらミアは、先ほどまで膝をついて何かを一人で呟いていた場所へと指を差した。
そこには、土の中から出たばかりの草木の芽が芽吹いていた。
シオンはそれを目にして驚く。
見たことのないの芽である。
「コレは私が植えたの」
「ミアが?  珍しいをしていているようだけど、どこで見つけたのさ?」
「それは緒だよ。一応、コウノトリが運んできたと考えてね」
「それって……子供の生まれ方なんでしょ?」
他ない會話に二人は笑ってしまう。
するとミアはシオンの手を引っぱり、一緒に芽の前に膝を付けた。
「これは、未來を紡ぐ栄の種でねーーーーー」
ここから『ミア・ブランシュ・アヴニール』と呼ばれた、賢者の語が始まった。
霊樹の創造主として魔族を束ね、世界を覆し、大切友人と対峙する運命。
そんな有様の未來をその目で見屆けるまでの、
白い世界をんだの語である。
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193【書籍版発売中!】ヒャッハーな幼馴染達と始めるVRMMO
【書籍化いたしました!】 TOブックス様より 1、2巻が発売中! 3巻が2022年6月10日に発売いたします 予約は2022年3月25日より開始しております 【あらすじ】 鷹嶺 護は幼馴染達に誕生日プレゼントとして、《Endless Battle Online》通稱《EBO》と呼ばれる最近話題のVRMMOを貰い、一緒にやろうと誘われる 幼馴染達に押し切られ、本能で生きるヒャッハーな幼馴染達のブレーキ役として、護/トーカの《EBO》をライフが今幕を開ける! ……のだが、彼の手に入れる稱號は《外道》や《撲殺神官》などのぶっ飛んだものばかり 周りは口を揃えて言うだろう「アイツの方がヤバイ」と これは、本能で生きるヒャッハーな幼馴染達のおもり役という名のヒャッハーがMMORPGを始める物語 作者にすら縛られないヒャッハー達の明日はどっちだ!? ※當作品のヒャッハーは自由人だとかその場のノリで生きているという意味です。 決して世紀末のヒャッハー共の事では無いのでご注意ください ※當作品では読者様からいただいたアイディアを使用する場合があります
8 72骸骨魔術師のプレイ日記
全感覚沒入型VRデバイスが一般的に普及した未來。このデバイスはあらゆる分野で利用されており、それはゲーム業界でも同じである。人々はまるで異世界に迷いこんだか、あるいは近未來にタイムトラベルしたかのような経験が可能ということもあって、全世界であらゆるジャンルのVRゲームが飛ぶように売れていた。 そんな好調なVRゲーム市場に、一本の新作タイトルが舞い降りる。その名は『Free Species World』。煽り文句は『あらゆる種族に成れるファンタジー』であった。人間にも、獣にも、はたまた魔物にも成れるのだという。人型以外の姿を取ることが可能なVRゲームは世界初であったので、βテストの抽選は數千倍、製品版の予約は開始一秒で売り切れ狀態となっていた。 これは後に社會現象を起こす程に大人気となったVRゲームで悪役ロールプレイに撤し、一つの大陸を支配して名を轟かせたとある社會人のプレイ日記である。 ◆◇◆◇◆◇ GCノベルス様から書籍化致しました。書籍版のタイトルは『悪役希望の骸骨魔術師』です!
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8 162余命宣告された俺は、召喚された異世界で美少女達と共に世界を救います
電車にひかれそうになっていた女性を助けた高校二年生、寺尾翔太。 しかし、女性を助けたは良いものの、自分は電車にひかれてしまう……。 かと思いきや? 突如異世界に召喚され、余命宣告された翔太。殘された命で、美少女達と共に世界を救えるのか……!? アホな仲間たちに振り回されながらも、今日も翔太は世界を救う!
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