《究極の捕食者 ~チート融合スキルで世界最強~》第2話 魔力とスキル

俺達の居た地球とは異なる異世界セブンスフィル。この異世界に存在するというリアンデシア王國。中世ヨーロッパのような、剣と魔法のファンタジーな世界ぽい。どうやら俺とクラスメイト、そして先生を含む31人は異世界召喚された。

薄暗い部屋は足元にある魔法陣からびる芒によって弱く照らされている。幾人もの白い鎧にを包んだ騎士たちに取り囲まれている。TVのドッキリでは、なさそうだ。

「驚いているところ申し訳ないが、私から説明させてもらおう」

すると、鎧ではない一目見て豪華だと解る裝にを包んだ男が一歩前にでる。王様だろうか?長金髪隻眼の、海外のモデルのようなイケメンだった。仕草の一つ一つに何か気品のようなじられて、まるで格の違いを見せ付けられているかのようだった。

第一王子(王子王たちの一番お兄さんで、28歳らしい)と名乗ったガルム王子は、ことのり行きを説明してくれた。

要約する。

・數年前に隣の魔族領を支配していた魔王が謎の失蹤。殘された強力な魔族達が分裂し、日々爭いが起きているという事。

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・リアンデシアの次の王座を狙って、第三王子ガイウスと第二王ミスラがそれぞれ暗躍しているということ。

・事の事態を深刻に見たガルム王子によって、勇者召喚の儀が行われたということ。

リアンデシア王國は、長い歴史の中で何度も滅亡の危機に見舞われてきた。だが、その度に《勇者召喚の儀》を行い、異世界の勇者の力を借り、脅威を退けてきた。そして勇者達のを王家が取り込み、強くなってきたという。今回の異世界召喚は、そんな言い伝えに倣って行われたらしい。

「そして、最後に。非常に殘念で、君達にとっては殘酷な事を言わなくてはならない」

ガルム王子は憂いを帯びた顔でそう前置きをした。今まで文句無く黙っていた皆も息を呑む。

「君達はもう元の世界に帰ることは出來ない」

そう言われた時だった。クラスの何人かが立ち上がる。そして、怒鳴るように抗議を始めた。

「ふざけるなー!」

「冗談じゃないわ!」

「今年は験なの!」

「ママー!」

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「お家に帰してよぉお!」

言いたいことはわかる。多ワクワクしつつも、俺だって不安は一杯だ。語で何度も見て憧れた狀況。だが、実際遭遇してみれば、不安と怖さ以外に何も無い。ただただ、訳がわからないというのが本音だ。

「君達には勇者軍団として、國とその民を守る為に戦ってしい。當面の目標は足並みをし好き勝手に暴れる魔達の殲滅となるだろう。多くの國民の命が脅かされている狀態でね。もちろん、協力してくてくれれば、その為の支援は惜しまない。そして無事この國を救ってくれたのなら……この國での最上の生活を保障しよう」

この國での最上の生活と地位か。どうやら勇者とはこの國では王族に並ぶ名譽ある地位らしい。というか、強いヤツなら王様とかとも結婚できるって事だよな。

「そうだな……全てが終わったら、君達全員に領地や屋敷を與えよう。もちろん、一流の使用人や料理人もつける。全てが終わったら……だがね」

うぅむ、全員に屋敷や領地か。魔達を殲滅すれば、その分土地は手にるのだろうが、それでも30人分か。ちょっと現実的ではない気がする。さてはあの王子、全員が生き殘れるとは思ってないな?

となると、考えてしまう。果たしてこの話に乗るのかどうか。全く知らない異世界とはいえ、ここに住んでいる人たちが困っているというのなら、助けたい。力になりたいというのは本音だ。間違いなく。

けど、どうにも怪しいとじるのは事実だ。俺がイケメン嫌いというのを差し引いても、目の前にいるガルム王子が信用できるのかどうか。まだその判斷が出來ていない。

「やりましょうみんな」

そんな時、今まで目を伏せながら黙って話を聞いていた姫川が皆の方を向いて立ち上がる。そして、右手で拳を固めると、力強くに持ってくる。ワクワクがにじみ出ているかのような輝く瞳が眩しい。彼は振り返り、ガルム王子と向き合った。腕を組んだその姿は、まるでお姫様だ。

「やってあげましょう! 別に領地がしい訳ではありませんが……困っている人がいるというのなら、それを見過ごすことは出來ません。それに、わざわざ私達の様な戦いとは無縁の學生を呼んだんです。何か理由があるのでしょう?」

即決かよ。って、コイツ何を勝手に……!?

「流石勇者候補だ。察しが良い」

姫の強気な発言が期待通りだったのか、嬉しそうに答えるガルム王子。

「君の予測通り、異世界から來た者達は強大な魔力を持っている。そしてそれは、君達が持つ特殊なデヴァイスによって確認できるはずだ」

「特殊なデヴァイス?」

「それってさぁ、コレのことじゃねーか?」

姫といつもつるんでいる陸上系子の篝夜蛍(かがりやほたる)が言った。『走れメロス』と書かれた変なカバーをつけたスマートフォンを取り出した。その畫面を見ると、怪しげな紋章と、その真ん中に數値が書いてあった。普通に數字じゃん……と呆れながら見てみると『900』と表示されている。

「その通り。そして素晴らしい。君の魔力900はもある。この世界の一般人で50~100程度、名のある魔師ですら500だというのに!」

本當に嬉しそうに喜びのを表すガルム王子。そして、魔力というものについて語り始める。

「魔力とはすなわち戦う為の力。魔力を流すだけで能力の強化、武の強化、そして魔法の威力も魔力を込めるだけ上昇する。単純に魔力が高いだけ強いと考えてくれていい」

なるほど、MPと言うよりは戦闘力と考えた方がいいらしい。ようするにドラ○ンボールの気みたいなもんなんだな。

「あれ……俺550だ」

「私は700だね」

「僕は480……子以下だと……!?」

皆自分のスマホ、及びケータイを確認し、一喜一憂している。異世界にまで來たと言うのに、ノリがさっきまでの學級會のままなのに呆れる。というかガラケー派はいないのだろうか。そんなことを考えつつ、ポケットから自分自のスマホを取り出した。

「俺は……なっ」

楽しそうだったので俺も自分のスマホを見てみる。だがそこには無慈悲にも『100』というなんとも微妙な數値が書かれていた。いや、もしかしたら魔力たったの5かゴミめ……的な展開もあるかと思っていたから安心したのだが、それでもショボい。ネタにしにくい、笑えないショボさだった。

「くはっ! うひゃひゃひゃ! 七瀬は100か。ゴミは所詮ゴミだなぁ! お前このクラスで最弱だぞ」

「う、うるさいな」

覗いてきた久住をやり過ごしながらも、未だショックから抜け出せない。気のコントロールが上手い系のキャラを目指さないといけないわけか。俺はアニメとかでも最強系のキャラが好きなんだが……。

「これは……そんな……こんなことが!?」

そんな時、ガルム王子の驚愕の聲が上がる。その前には華麗なドヤ顔をかます姫がいた。どうやら王子は、姫のスマホを確認していたらしい。飾り気の無いシンプルなカバーに包まれた畫面に表示されていたのは。

「魔力數値2500……何の補正も訓練もなしで1000を超えるものがいるなんて……」

2500……俺の25倍じゃねぇか……。いや、姫なら驚かないけど。しかしまぁ世の中は不公平だな。前々から世界は人に優しく出來ていると思っていたが、ここまでとは。

まさか、この魔力というヤツは顔の良さに比例して……いや、その説は非常に悲しい結果しかもたらさないから、止めておこう。

「フフ……どうやら私は凄い力を持っているようですね」

輝く金髪をファサァァとかき上げ、ドヤる姫。まるで黃金の川の様に流れる髪がしい。

「ああ……魔力數値もさることながら、スキルも素晴らしいものを持っているよ」

「スキル……?」

「ああそうだ。ここを見てくれ」

使い慣れた様子で姫のスマホを王子がタップすると、なにやら文字が書かれた畫面に切り替わる。

「強力なスキルがいくつもあるが……これだ。これこそ我々が求めていたスキル《勇者の魂ブレイブハート》だ」

「へぇ、どんな効果があるんですか?」

「おおよそ勇者と呼ばれるに相応しい力が全てこのスキル一つでに付く。複合スキルなんだ。7種類の屬魔法を全てることが出來る。必ず敵より強くなる。戦闘展開に神レベルの補正が掛かる。神が創った裝備を使用出來る。これだけでは無いが……とにかくこのスキルを再び目にする日が來るとは。どうやら、本當の本當に勇者召喚の儀は功だったようだ。間違いない。君こそが勇者だ!」

それを聞いて、姫はにんまりと笑っていた。彼が居れば、俺達は大丈夫だろうな。聞く限り、かなりのチートスキルだし。しかし必ず敵より強くなるって……主人公かい?

そして、周りを見ると、皆何個からスキルを持っていたようだった。スマホの表示は見る者の読める文章で見えるらしく、ガルム王子にはこの世界の文字で、俺達には日本語で表示されるのだとか。

俺もワクワクしながらスマホのページをめくる。畫面が切り替わり、スキルが表示される。そこには一言、こう書かれていた。

『融合』

「融合……?」

融合じゃねぇ、ユーゴだ! 的な? とにかく、なんだか使えない匂いがぷんぷんする。そして、魔力數値、スキル共に殘念だった俺を差し置いて、クラスメイト達は騒ぎまくっている。

「俺は《風魔法》と《氷魔法》が使えるみたいだな」

「私は《回復魔法》か……これなら戦わなくても良いのかな」

「俺は《解除》か! ん? なんのスキルなんだこれ」

「うわーお前より魔力低いのかーないわー」

こんなとこに來てまで疎外。皆が皆、不安を忘れて騒ぎまくっているようだった。不安の解消の原因は……姫なんだろうなぁ。なんだか、あの子に任せておけば安心みたいな空気になったし。そこは、流石だなと思った。

チート姫のいる安心もあり、皆はそれぞれ自分が主人公になったかのような気持ちで、それぞれのグループ同士で話している。クソ……楽しそうだなんて思わんぞ。死んでもな!

「皆、早く自分の力を試したくてしょうがないらしいね。よし、では早速訓練場に行こうか。この世界での戦い方を、戦闘のプロから學んでもらおう」

ってアレ……何か忘れているような。なんだっただろうか。まぁ、いいか。

戦闘だ戦闘! 戦闘で挽回してやるぜ。

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