《究極の捕食者 ~チート融合スキルで世界最強~》第9話 裏切りと敗走

ようやく活躍出來る。そう思い前に出た俺に対して苦言を呈してきたのはやはりというか、姫川だった。

「あなたは……本當に何を考えているの? この絶的な狀況で、これ以上敵を強くしようというの?」

「確かに敵は今より強くなるかもしれない。けれど、今はコレしか方法はないと思う」

「一何を考えて……」

俺の予想が正しければ使えるはず。

生きている人間には使えなかった。生きている魔と死んでいる魔なら功した。ここからは完全に俺の予想だが、自我が強い奴には融合は使えないのだと思う。自我が強いというより、自分を強く意識しているっていうのだろうか。

自我の塊である人間には仕えなかったし、恐らく頭の良い魔人タイプの魔にも使えないだろう。

比べてあいつはどうだ。あんまし頭よさそうじゃないじゃないか。ならば、融合が使用できるという事だ。あのメテオドラゴンとこの下にいるブラックファングを融合させる。

「天より舞い降りし竜よ、地に眠る黒き魔獣よ、今一つとなれ――融合!!」

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目前に迫っていた隕石が輝きだし、地より舞い上がってきたと引き寄せあいながら、じり合う。そして、そのがやがて収束すると、現れたのは全からクリスタルの様な綺麗な結晶が生えた狼だった。

空中に現れたそのしい狼は飛行能力を持たないのか、こちらが報を調べるまでもなく、哀れにも堀の中に落下していく。

その様子をしばらくぽかんと眺めていた姫川であったが、好機と見て落下中の敵にレインボーオーバードライブを命中させる。メテオドラゴンとブラックファングの融合は、虹の輝きの中に姿を消した。

そして姫川は、一呼吸置いた後、詰め寄るように迫ってきた。

「ど、どういうことなの?」

「ああ、実はこっそり融合の練習してたときに気が付いたんだけど」

融合して出來上がったものは、例外なく素材となったがあったそれぞれの地點の丁度中間點に誕生するのだ。どちらかの地點に引き寄せられるということはない。また、ある程度だったら誕生地點をズラすことも出來る。だから俺は、あの融合の出現場所を掘りの上にしたのだ。

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「出た瞬間落ちる。まさしく、出オチって奴」

「あの融合にそんな使い方があったなんて」

「説明が後になってごめんよ。けど、メテオドラゴンの脅威はアイツ自の戦闘力じゃなくて、遙か上空から落下してくるあの技だろう? だから、全く別の生に変えてやれば良いと思ったのさ。落下さえ防げれば、姫川がなんとかしてくれると思ってさ」

「七瀬君……」

その時だった。

「お、おいアレ……!?」

「ちょっ、ヤバイって」

クラスメイト達にどよめきが走っている。 堀の対岸をみやると、そこには甲冑を著た長1メートルほどの小さな騎士達がいた。

その騎士達が手を地面に掲げると、堀の底から土が盛り上がってくる。盛り上がった土はいくつもの柱となり、結果、敵の足場となる。その騎士達の頭上を飛び越えて、今度は長2メートル程のラプタータイプのモンスターが現れた。騎士モンスター達が出現させた足場を用に飛び移り、こちらに向かってくる。そして、その數は尋常じゃない。

「どうやら……安全に戦える狀況は崩されたようね」

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「姫川は足場を崩しつつあの甲冑兵達を倒してくれ。ラプターはこっちが!」

前足を前に突き出しながら飛び掛ってきたラプターを盾で防ぐ。魔力を通していなかった為か、ラプターの爪が盾に食い込んだ。俺は舌打ちをしながらラプターごと盾を堀の下に放り投げる。

「言われなくても……はぁあああああ」

剣を降り、魔力の斬撃を飛ばして、空中を跳ねるラプターの三を仕留める姫川。

「みんな……一匹足りとも後ろには通さないわよ!」

「「「「おう!!」」」」

***

それからの戦いは熾烈を極めた。

崩しても崩しても復活する足場。足場を崩すことだけに魔力を使い果たす訳には行かないので、堀は諦めて直接戦うことに切り替える。

敵は甲冑やラプター、ブラックファング、そしてコウモリみたいなピクシー、ゾンビの様に這い寄る悪魔型モンスターのデスデビル、そして骨が表へむき出しになった気持ち悪いドラゴンなど、バリエーションを増やしながら増えてくる。その波狀攻撃に耐えつつも死人を出すことなく皆良く戦っていた。だが、戦いが始まってもう時間で4時間ほど。エッシャー王子のマッドネス隊からの支援や増援は一切無く、皆疲れを見せ始めていた。

「クソ……もうポーション飲んでも飯食っても魔力回復しないな……」

俺たちの敷く防衛線は、いつどこから突破されてもおかしくは無かった。

「しかし……エッシャー王子の援軍はまだ來ないのか」

遙か後ろの広場の方を見ながら、クラスの男子の中でもトップクラスの績を誇っていた本宮正がそう呟く。最早疲労を隠すこともなく、はぁはぁと荒い息を吐いている。

「里奈が伝令として行ってくれているはずなんだけど……もう二時間も戻ってこないのよ」

本宮君を回復していた館田祥子(たちたしょうこ)さんも、疲労のを表に浮かべながら、それでも休むことなく、本宮君の腕を治療している。

回復班は戦闘こそしていないが、舞い戻るけが人の治療にほぼ魔力を使い果たし、それでもポーションやらで無理やり回復し、皆を癒し続けている。

「七瀬君も……戦闘スキルも魔法もないのにお疲れ様……」

俺のことを回復していた白峰結(しらみねゆい)さんがそう言いながら俺の肩をぽんと優しく叩いた。これが回復完了の合図だろう。

「回復出來ないなら、戦闘に回ってたほうがマシだしね」

もちろん戦闘だけじゃない。甲冑兵士の裝備はまとめて融合スキルでゴミに変えてやったし、ピクシーの持っていた槍もだ。適度に敵の妨害は続けている。

「凄いね……私にはとても」

ふと、白峰さんが呟いた。だが、直ぐにハッとしたような顔をして、言葉を続けた。

「ご、ゴメンね。なんでもないの」

「もう結ったら弱気になって。大丈夫よ。私達には姫がついてるんだから」

「そうさ……彼は戦う度に強くなっている」

「そ、そうだよね!」

橫で回復作業中だった館田さんと本宮君の激勵で、しだけ笑顔を取り戻す白峰さん。俺はそれをしだけ溫かい気持ちで見守りながら、立ち上がる。その時だった。西門付近の戦闘エリアで発があった。

同時に多くの悲鳴が聞こえた。初めは敵の攻撃かと思った。だが、花火の打ち上げ音の様な音は俺達の背中側、つまり西広場から聞こえて來たのだ。

「お……おいあれって……大砲ってやつじゃないのか」

広場の方を指差しながら本宮君が言った。丁度坂にの上に位置する広場。そこには5臺の砲臺が設置されており、その銃口はこちらを向いているように思えた。

「噓……どうして……私達が戦っているのに?」

まるで太鼓のような音を鳴らしながら、大砲から発される弾。それらは戦場に降り注ぎ、煙を上げる。やがて、煙の中から肩を支えあい、傷ついた味方同士で助け合いながら、ゆっくりとクラスメイト達が引き返してきた。

何がどうなっている。まさか俺達なら死なないとでも思っているのか?

俺が再び広場の方へ振り返った時だった。真っ黒い大きな塊が、コチラに向かって飛んでくるところだった。

 「クソ……みんな伏せろぉおおお!!」

俺がぶのが先か後か、近くで凄い発が起きる。俺は目を閉じつつも全に魔力を通し、守備力を上昇させた。しかし、それでもを裂くような熱い風によって、勢を崩してしまう。

クソが……が熱い。

「大丈夫かー」

「一何が!?」

やがて強い風が吹き、辺りを覆っていた黒い煙が霧散する。

「キャアアアアアアアア」

橫から館田さんのものと思われる悲鳴が耳を通り抜けた。その聲に顔を顰めながらも、聲のした方を見る。そこには泣き崩れる館田さんと、下半が消失した白峰さんの変わり果てた姿だった。

俺は腹からこみ上げてくるものを必死で堪える。泣いている館田さんに聲を掛けることも出來ない。

訳のわからなさで吐きそうだ。

やがて、鎧獨特の歩行音を立てながら、姫川たちがやって來た。その後ろについてきた篝夜が怒りをわに俺に摑みかからんとする。

「何がどうなってんだよッ!! なんだよあの発は!?」

「俺達だって何がなんだかわかんねぇよ。ただ……」

俺は西広場の方を見上げる。

「エッシャー王子の部隊の攻撃だ……あいつら」

「話をつける必要がありそうね」

「幸い、あの攻撃で敵の攻撃は止まってるみたいだね」

「一応敵も死んでたしね。けど幸い。今のうちに西広場まで後退しようー!」

皆を元気付ける為かわらないが、明るく発言する仙崎。だがそんな仙崎に大して怒りをわにしたのは、意外にも姫川だった。

「幸い!? どこがよ……あの撃で何人かのクラスメイトが……私が、私が守るって言ったのに! そうだ、引き返さなきゃ……このままじゃみんな……」

と再び敵の方へ向かって行こうとする姫川の腕を篝夜と仙崎ががっちりロックする。

「駄目だよ……璃緒はもう戦える狀態じゃないでしょ……」

「大丈夫よ……誰か……私の腕を回復して頂戴」

見ると、姫の腕はしおかしな方向に曲がっていた。先ほどの撃で怪我を負ったのだろうか。

「ごめんなさい……回復役の私と館田はもう魔力が……殘りの白峰も」

「回復するには、西広場まで戻るしかない……」

「みんな急いげー。早く西広場の部隊と合流するぞー」

「大丈夫、ここら辺の住民の避難は終わってる。建は……壊されちゃうかもだけど」

篝夜達が聲を張り上げて皆に指示を飛ばす。怪我した者たちも庇い合いながらのろのろと進んでいく。

そんなみんなの様子を悔しそうに見守っている姫川に聲を掛けた。

「何してるんだよ姫川。お前は一番先に行ってくれよ」

「いいえ、私はもしもの時の為にしんがりをやるわ。それが、守りきれなかった私の責任」

「いいや違う。責任をじているんだったら真っ先に広場に行って真っ先に回復して、すぐにここに戻るんだ。俺達の最強戦力は姫川なんだ。お前がいつまでも負傷したままでどうする」

「そ、それはわるけど……じゃあ誰がしんがりをやるのよ?」

「俺がやる」

「え……七瀬君が?」

冗談でしょう? という顔をしている。本気で。

流石に傷つくんだけど……とは言わず、俺は答える。とにかく今は最強戦力の姫川を萬全の狀態に戻すことだ。

「足止めに徹すれば、出來ないことはないよ。ただ、長くは持たない。だから、早めに戻ってきて」

俺の意図を察してくれたのか、姫は頷く。

「ごめんなさい……本當に。駄目ね私。口ばっかりで、嫌になっちゃうわ」

「そんな事は無いさ。なくとも俺は、姫川に勇気を貰ってここに居るんだぜ? だから、さっさと回復して戻っておいでよ」

「……うん。七瀬くん、どうか死なないで」

「おーけー。任せておいて」

姫川はそう言うと、安心したような表を浮かべて、そしてがっくりとうな垂れた。當たり前だ。姫川だけは、一度もこの拠點に回復に戻らず、常に前線で戦い続けたのだから。篝夜に抱えられ、広場へと進み始める。これでいい。

大砲は止んだ。もうすぐ敵もき出すだろう。足止めとは言ったものの……どうするか。

「あ、しまった……俺的死ぬまでに言いたい臺詞ランキング一位の『別に倒してしまってもかまわんのだろう』って臺詞言い損ねた。くそぅいいチャンスだったのにな」

「何アホな事言ってるの?」

「え?」

驚いて聲のした方を振り返る。そこには、思いがけない人が立っていた。

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