《究極の捕食者 ~チート融合スキルで世界最強~》第25話 融合VS変

黒いタイツを著た、細の男の様に見える。例えるなら、名探偵コナンの犯人だろう。全が黒い。そして、真っ白い仮面をつけている。その飾り気の無さが、この空間において、とんでも無いほどに存在を放っている。俺と同じ姿をした大場がミュートランスと呼んだ魔は、一端周囲に溶けるように黒い霧の様になったかと思うと、それが再び実を持ち出して、現在の黒子の様な姿となった。

「ギギギチィ……ギィ」

どこからともなく不気味な音を鳴らしながら、再び霧の様に周囲に溶け出し、新たな姿へと変形する。真っ白いゴリラに。勝気な表をした王に。そして、最後にスカルドラゴン……つまりは俺と同じ姿に変した。

「スキルを擬人化するという研究を行っていた時期があってね。稀にあるのよ。何らかのきっかけでスキルだけが本から分離し、や意思を持つ事が。この子は《変》というスキルから生み出した魔なのよ。魔力數値はたったの200。けれど、変することで、相手の魔力數値に自分の200を加えた魔力數値まで跳ね上げることが出來るわ」

ということは。

「最強ってことかよ……」

「そんなデタラメな能力が!?」

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「いえいえ、そんな簡単じゃないのよ。魔力數値が1でも上回れば勝てる、この世界の戦いは、そんなカードゲームの攻撃力の様なことでは決まらないのは、貴方達だって知っているでしょう?」

確かにそうだ。カードゲームだったりしたら確かに最強の能力だが、この世界では魔力數値は目安であって、強さの絶対條件ではない。無論、高いほど有利に戦えるので、総合的に見て強いということには違いないが。けれども、俺の様な素人からしたら、魔力數値を上回れているというのはあまり良い気はしない。

「そもそも、っていうのは、戦闘を行うものにとって、最早武の一つなのよ。最も扱いに慣れた武、それが己のってことね。確かにこの子は魔力數値も、のスペックもコピーできる。一見最強の能力だわ。けれど、殘念ながらそのを扱う『技量』についてはコピー出來なかった。格ゲーで強い人と同じ持ちキャラを使う。カードゲームで大會優勝者のデッキと同じデッキを作る。そんな能力なのよ、この子の能力は。だからこの子は失敗作だった」

故郷が同じ為か、非常にわかりやすい解説をしてくれる大葉。だが、そのおで、大場の言わんとしていることが、なんとなく読めてくる。

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「けれど、貴方はどうかしら? 最強クラスのスペックを持ちながら、そのになってまだ數時間も経ってない。一応戦闘訓練を積んでいるミュートランスと、どっちが強いかしら?」

そして、大場は指パッチン。それと同時に、今まで大人しくしていたミュートランスが巨大な咆哮と共に、上の口、ドラゴンヘッドから闇の魔法弾を発する。すかさず俺も応戦、同じようにドラゴンヘッドから《暗黒核》にて生した闇の魔力を発。お互いが繰り出した魔弾は丁度両者の中央で衝突し、激しい余波を周囲にもたらす。

この一連の流れだけで、このミュートランスに勝つのが難しいと言うことを悟ってしまった。そう、俺のスキルさえもコピーできるのだ。つまり《融合》も。この屋敷に保管されているという強力な魔達と融合されては厄介だ。そして、後ろから苦しむコンボイの聲が耳にって來る。ここで戦うのはまずい。流れ弾でも貰ったら、コンボイは……。

俺はミュートランスから注意を逸らさないようにしながら、コンボイと周囲に転がっていた兵士の足を融合させようと試みる。だが、融合は発しなかった。

「うぅ……ワシの孫が……」

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駄目だ。あの窟での時のように落ち著いた狀況でないからなのか、コンボイが融合を良しとしない。知ある魔を融合させるには、ある種のれ許可のようなものが必要だ。この前はそれが上手くいったのだが、今回、神的に混しているコンボイでは無理なようだった。融合さえ功すれば、回復にも繋がったのだが。

「イデア……俺はあのミュートランスってやつをここから引き離す。あの大場って奴と2人きりになるけれど」

「フッ、大丈夫だすぞら。私は強い。あんなおば……おお……おおばになんて絶対に負けない!」

やっぱ『おばさん』って言っちゃいそうになるよね……だから俺も頑なに『大場さん』て呼ばなかったんだけど……。

「けど、約束してくれ、もし危なくなったら、コンボイを置いて逃げろ。コンボイも、君が死ぬことは良しとはしないだろう」

「見くびるなよすぞら。私はお前も爺さんも見捨てては行かん。困ったら私がなんとかしてやる! 私達3人と、コイツの孫、4人で帰るのだ」

そのどこから來るのかわからない自信で満ちた表を見て、心が落ち著く。ここ最近は、このイデアのポジティブな表に隨分と助けられていた。なんだか俺の様な奴でも、やれば出來るような気にさせてくれる、そんなドヤ顔だった。

「わかった、今までだって助けて貰ったもんな。信じている」

俺は突撃してくる俺と同じ姿をした敵を尾で捉え、引き摺りながら壁に叩き付ける。そして、その拘束を緩めぬまま、ドラゴンヘッドに魔力を集中させ、度を強化。

そのまま床に叩きつけ、首の付けを軸に回転させ、を掘る。掘削機械のような激しい音が鳴り響く中「負けるなよ」と、イデアの聲が聞こえた気がした。

***

そこまで掘り進める必要もなく、床の下の巨大な空間に辿り著いた。予想通り、レアモンスターを捕獲している場所は地下だったのだ。この屋敷にった時から、足元に強力な魔力をじていた。おぞましいと言ってもよいかもしれない。

俺は拘束していた同じ姿の魔を遠くに放り投げる。得に抵抗することもなく、されるがままに敵は飛んで行った。だが、大したダメージにはなっていないだろう。

俺は周囲を見回す。照明は無く薄暗いが、ここには大小様々な円形の水槽が設置されており、中には水がっていて、薄黃緑に発している。幻想的な、しかしSFチックなその景は、まるでまたどこか別の異世界にでも紛れ込んでしまったかのような錯覚を覚えさせる。

水槽は空のものもあれば、中に魔っているものもある。さながらSFのモンスター製造カプセルか、メディカルマシーンのようである。檻の様なところに閉じ込めているのだと想像していたのだが、まるで違ったようだ。

「時の水。この家に代々伝わる伝の水っす。この水に全を浸されると、時の流れから隔絶され、もう二度とこの世界の時間の流れには乗れなくなるっす。つまり、モンスターの姿をそのままに、永久に保存できるってことっす」

いきなり誰? と思ったが、向こう側からやってきたのはミュートランスだった。君喋れるのね。

ってか、隨分軽いじの喋り方するのね。まるで後輩みたい。まぁ、仲の良い後輩なんて、居なかったけれど。

「大場さんは理解を超える大、人の手に負えないと判斷した魔は容赦なくこの時の水に放り込むっす」

なんというか、聞く限りだと恐ろしい水だ。この世界の時間に戻って來られないとは、どういうことなのだろうか。的にはわからない。だが、只一つ言えることは、時の水でこの世界の時から隔離されていようと、融合の対象には出來るっていうことだ。

融合が出來る出來ないの判斷は、俺の直による。融合できるは例え生きだろうと、だろうと、わかる。理解出來るのだ。同時に、出來ないものもわかるのだ。今までも知のある魔達は殺さない限り、または切り取ったの一部しか融合できなかったが、時の水に沈められているこのモンスター達は、融合することが出來るようだ。だが、だからといって油斷は出來ない。奴が俺をコピーしている以上、奴だってここのモンスターと融合できるということなのだ。

「あんましごちゃごちゃ喋ってないで、さっさと始めようぜ? 俺がお前をここに連れてきたのは、そんな説明を聞くためじゃないんだ。お互い、融合を使えば簡単に自分を強化できる。なら、強い魔早いもの勝ちの融合合戦と行こうじゃないか!」

そう、それこそが俺の目的。俺が危懼したのは、ミュートランスだけが融合を出來る環境だ。大場とセットでいたら、どんどん融合用の魔獣を連れてこられて、奴がどんどん強くなってしまい、敗北していただろう。

ならば、いっそ敵に融合されるリスクはあるものの、自分も融合するチャンスのある場所に移しよう、それが狙いだった。その狙いはどうやら上手く行きそうだった。ざっと見回しただけでも、結構な數の魔獣がこのフロアには保管されている。

「いや、遠慮するっす。自分の専門はあくまでコピーっす」

そうかよ。

「じゃあ、まずはお前からだ!!」

丁度隣に置かれた水槽にった、巨大なカブトムシの様なモンスターに《捕食融合》を発する。カブトムシ。甲蟲王者、子供の夢、最強の代名詞。良いスキルを頼むぜ。

・《スタッグビートル》を融合 スキル《甲殻裝甲》を手しました。

……魔力を甲殻化させ纏う事が出來る。

の粒子となったスタッグビートルを吸収。骨竜の頭部から長い角が生え、わき腹の辺りから新しい腕が生えてくる。これで腕が四本になった訳だ。だが、生憎スキルは防系のスキルか。

「どんなに進化しても無駄っすよ。そちらが強くなるってことは、自分はもっと強くなるってことっすから」

すると、何の前れもなく、目の前のミュートランスは今の俺と同じ姿に変化した。発が早い。四本の腕を開きながら突進してくる。この巨では逃げることは出來ないので、け止める。お互いの力はほぼ互角。そのため、スピードのついた敵の攻撃の方が破壊力が大きい。

「ぐっ……あ」

俺が新しいを把握するよりも早く。俺と全く同じ姿に変し、そのの構造を理解している? まるで手札固定のじゃんけんじゃないか。こちらはパーしか出せないのに、向こうはチョキを出し続ける事が出來る。灑落にならんよ。

「ホラ、早く次の融合をするっすよ」

「言われなくても……オラっ」

俺は骨のを分解し、敵の背後で再び組上げる。そして、丁度周囲に配置されていた4つの水槽にれられたモンスターに対し、同時に《捕食融合》を発する。

・《デビルトルーパー》を融合 スキル《闇魔法》を手しました。

……闇の魔法を使う事が出來る。

・《ホーリーエンジェル》を融合 スキル《魔法》を手しました。

……の魔法を使う事が出來る。

・《カースドレックス》を融合 スキル《竜》を手しました。

……噴出したによって傷を癒す。

・《ミスリルウルフ》を融合 スキル《雷耐》を手しました。

……雷攻撃に対して、ダメージを軽減する。

「食らえ、と闇の魔法連打!!」

新しく得た魔法の力を発し、両屬の魔法弾をグミ打ちする。四つの腕でを覆い、ガードするミュートランス。俺は構わず撃ち続けた。いくらかの攻撃は敵のに弾かれ、周りにぶつかって部屋の中を破壊する。

コレによりいくつかの水槽は壊れてしまったが、構わない。別に中が出てきたところで、何も出來ないのだから。

「はぁはぁ……やったか」

結構な數の魔法弾を打ち切った。これなら、流石のヤツも死んだのでは?

だが。

「それ、フラグっすよ」

ヤツは生きていた。舞い上がった煙の中から姿を現したのは、アンデッド。頭部は龍、は人、そして下半は8つの足のある多腳。骨の翼は6枚に増え、無駄にハッタリが効いている、形容しがたい化けだ。

いや、奴は進化したのではない。ただ、目の前の敵をコピーしただけなのだ。ようするに、アレが今の俺の姿って事だ。

「なかなか面白い進化っす。さ、次はどうするっす?」

「はっ、ほざけよ」

心舌打ちをしたい気分だった。コイツを倒すには今まで以上に《融合》の度を高めるしかないというわけだ。敵が俺をコピーする前に殺す。又はコピーされた後でも問題無いくらいの必殺のスキルを得る。

「やればいいんだろ……やってやるさ」

俺は周囲の水槽を確認する。今の戦いで、その大部分は破損し、融合に使える狀態ではなくなった。だったら。

「はああああああああああああああああ」

俺は《甲殻裝甲》によって手に魔力で出來た甲殻を纏わせ、地面を打ち破る。すぐにが開き、そのから、下の階の様子が伺えた。この階よりも大きな水槽が、いくつも置かれているではないか。

「第二ラウンドだ。ついてこい」

俺は早口でそう言うと、迷う事無く下の階層へとダイブした。

名:七瀬素空 魔力數値:41000

種族名:合魔獣

所持EXスキル

《捕食融合》

所持魔法

《闇魔法》《魔法》

所持スキル

《融合》《真紅眼》《暗黒核》《冷卻保存》《空中浮遊》《死施錠(デッドロック)》《人形作

《甲殻裝甲》《竜

《雷耐

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