《異世界生活語》もどれないことはやいちねんはん
どうやら、夢を見ている訳ではなかったようだ、この世界に來てから早一年半が過ぎようとしている。
子供の脳はどう言う構造なのかと思うほど、言葉も理解できる様になってきた、生前あれほど苦労した英語の授業に、この能力もって戻れないかと想うほどに。
ただ発音はまだ旨く出來ないので、パパとママはなんとかクリアしたがお姉ちゃんが「ねねちゃ」になって、祖父母は「じ~じ、ば~ば」なってしまうのはご敬と言うところだろう。
って何だか言っててかわいいな俺。
前後するが俺の家族を紹介しよう、まずは父さんグラハム18歳、普段は畑仕事をしているが領主に使える兵士でもある、日本風に言えば一領足みたいなものだ。
次に母さんシーリス17歳、主婦で家の事をやっている、お腹は膨らみかけているのでもう半年くらいで、弟か妹が出來る予定だ。
姉さんリース3歳俺をかまってくれている。
父方の両親となる祖父母クライン37歳とハンナ36歳、祖父ちゃんは父さんと代替わりする前は兵士だったらしい、今は畑仕事メインで頑張っている、祖母ちゃんはこの町一番の料理名人らしい、母が毎日特訓をけている、うちの家族はこんなじだ。
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日本だったら、なんかイロイロ問題になりそうな年齢だよな、○4才の母的なあれで。
そんで俺はと言うと、やっと外を歩けるようになったので、母や姉とお散歩が日課だ。
外に出て解った事は、ここがとんでもなく田舎だと言う事だった、まず家の數がない、日本に住んでいた時も都會人どころか、生まれも育ちも長野の山間部だったけど、ここまでのド田舎ではなかった。
家の作りも戦後のバラック住宅の方が上等に見えるレベルで、板壁には隙間が開いている家だし、窓は板を太い枝で支えるタイプ、障子もガラスも見た事が無い、その所為で冬なんかは家の中はだいぶ暗い、生まれてこの方ロウソクも見た事が無いから文明レベルも低そうだ、明かりは皿に油をれて芯に火を點ける燈明を使っている。
水は川の水で水道などというは無いし、道路は土引きでかなりデコボコしている、アスファルトが懐かしいなんて思ってないんだから。
この土舗裝は雨が降ればぬかるむし、乾季の今は風が吹けばホコリが舞い上がる、まあ周囲一面が畑だからその所為もあるんだろうが目に土ボコリがって痛い、何度涙を流した事か。
そんな道をしばらく歩くと商店の前に來た、ここは馴染みの屋さんで店主はこれで屋かよ、と言いたくなるほどの、ヒョロヒョロな男が営んでいる、屋なんだからしっかり食えよ。
「い、いらっしゃい今日は何にしましょう?」
その型でドモルなよおっちゃん、ヒョロさに余計箔が付いちまう。
「この鹿のおと1ケムと、挽き100フルちょうだい」
この鹿のは、この辺りでは一般的ならしくよく食卓に上がる、母が注文していたケムとフルは、ケムとキロがだいたい同じくらいフルは、グラムに當たる単位のようだ。
「毎度有り難うございます、鹿一ケム百フルで1200ピリンにります」
ピリンはこの國の通貨だ、千単位まではピリンで萬単位からは、また変わるらしいが二歳児が萬単位の金を見る機會など無い訳でまだ見た事は無い、千ピリン貨までしか見た事が無いのだが、この歳で金に興味を示のもどうかと思って、った事もないので材質は解らなかったけど、千ピリン貨は500円のような合いの黃みがかった金屬で出來ていて、コインと言うより甲州金のような潰れた饅頭型をしている。
百ピリン貨は、10円玉と同じ青銅製だ、この下に十ピリン貨もあるが同じ青銅製だった。
「また宜しくお願いします」
お金を払ってをけ取ると、元気の無い聲でお禮を言われた。
來た道を帰りながら、姉が俺がじたのと、同じ質問を母にした?
「ねえママ、お屋のおじさんおちゃんと食べてるのかな?、いつも元気ないけど?」
と言うと母のツボにったのか、ケラケラと笑いだし周囲の目線を集めてしまった。
「そうね、いつも元気ないわね、あなたたちはお大好きだから元気いっぱいね、いっぱい食て大きくなってね」
「うん、いっぱい食べる~」
姉が元気良く答えると、母は嬉しそうに微笑んだ、ここは俺も応じた方が良いだろう。
「ぼくもたべる~」
「エドもいっぱい食べてね」
「うん」
自分でも貓かぶり気味かと思うけど、二歳にもならない子供が俺とか使ってたらおかしいかなって事で、僕で通している、コ○ン君の気苦労が分かる気がするよ。
うちでは主食用のエンバクと副菜となる野菜は作っているので自給自足だ、は父や祖父が農閑期になれば自分で採ってくるが、農繁期の今は畑が忙しいため購している。
今買ったこのシカのだが奈良に居るような、何ともらしいかわいい鹿ちゃんなどではない、3ヶ月ほど前に祖父と父でし止めて來たのを見た日から、しばらくオネショが止まらなくなるほど恐ろしいバケモノだ、このあたりでは一般的な魔獣らしいがホーンディアーと言う、大きさだけで言えば鹿の二倍程度なのだが妖刀かと思うほどの赤黒い一本角と死んでるにもかかわらず見開いて走った目、眉間にった威嚇皺とどれを取っても、オシッコをチビル理由には事欠かないレベルだ、見たその時はバッチリ卒倒したさ。
しかしその見た目とは、正反対に味はめちゃくちゃ味い、味は牛に近いが牛のような臭みは無く油もぱさつかない程度しかないため、いくらでも食べられるなのだ。
そのほかに食卓に上るのは、口の中にエイリアンかと言うほどに牙が生えた食ウサギの魔獣ファングラビだ、あの口を見ればウサギさんなどと思う者は絶対いないわ、この世界の人間に本は可いのだと言ったところで頭がおかしいヤツ扱いをけるだろうな、カワイイのに。
ただ、こちらも見た目とは裏腹に味は大変よろしい、食獣は臭みがあると聞いた事があったが、地鶏に似た濃厚な旨みとさっぱりとした味わいで、現世に戻って料亭に持ち込みたいと思ったほと旨かった。
これ以外にも、魔獣はいるが父たちが採ってきていないので、どう言う者が居るのかは解らない、大きくなったら俺が倒す?
何て思っていたら家についてしまった、母は姉に畑にいる父から野菜を貰ってくるように、お手伝いを頼み俺を連れて家の中にった、流石にまだ二歳に達しない俺ではお手伝いは無理だ。
この世界殘念なのは、毎日の料理だが味自は味しいのだが、はっきり言ってバリエーションがない、まあ現代日本にいたらどこに行っても、料理のバリエーションにはケチを付けたくなるのも仕方の無いのかもしれないけどな、世界一味いが食べたければ銀座に行けとか言うらしいし。
まあ救いは、朝食はから揚げ弁當で、晝はコーヒーだけまともなのは夜だけと言う生活をしていたからすれば、現在の方が余程充実した食生活をしているのだから、生前何をして居たんだと自分で自分を罵りたいなどと思ってしまうのだ。
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