《異世界生活語》木の型、使い勝手の確認
強制的とはいえ乾燥が終わった、三人で枯葉を毟り細かな枝を落としていく、後は穂先の型だが俺の力では乾燥した木を割るのも一苦労なので、父達にやってもらおう。
「枝の無いほう半分はいらないから割って、殘りの端の部分も落として」
カマドから拝借してきた燃えカスの炭で、大割の指示を書き込んでいく、伐採にも使った斧を振り下ろす父の正確な斧捌きには驚嘆だったが、しっかりと墨打ちしたところに振り下ろすなど、鍛え上げられた父の腕力があっての蕓當だと思う。
「印書いたところにバチッと、斧が下ろせるなんてパパ凄いね」
「エドも大きくなったら出來るようになるぞ、パパだって最初は出來なかったんだ」
やはり日ごろの訓練の賜と言う事なのだろう、しかしあれは出來るようになるとは思えない正確さだ、ノコギリじゃないんだぞ斧でそれができるかと言われたらノーだろ。
次はじいちゃんに、枝のから中心を取って薄型の三角形に削ってもらう、この世界にノミなどというものは無い、使われるのはやはり斧だ、それを短く持つと鉈の要領でコツコツと削っていく、全く用さには頭が下がる思いだ、三つとも割り終えた父は西洋鉈であるマチェットのように、片手にショートソードを持つとそれで削っていた。
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さて大枠は完だ、本來ならもっと薄く全を刃のように作るのだが、木に金屬のような強度は無いので刃先だけを付けた、厚さだけなら木刀をイメージできる厚さなのは、ひとえに蟻のせいにしておこう。
このままではささくれに土が噛んで、使い心地にかなりのマイナス補正がかかってしまうので、最後の仕上げを行わなければならない、カンナを使って行えればツルンとした仕上がりになるのだが、當然カンナも存在しない、大きめの平らな石にひたすらこすり付けての作業になる、砂巖のようない目の石と粘板巖のような細かな目の石この二つを使っての研磨作業はし時間が掛かった、しかしこの作業思いのほか綺麗な仕上がりとなった、普段父たちが斧や鋤を研ぐのに使っている石なので、砥石としての効果はそれなりにあるだろうと思ってはいたが予想以上だった。
「多分これで良いと思う」
ザラザラとしたがツルッとした、これなら土離れも良く作業もしやすくなっただろう。
「後は丁度良い長さで切って完だよ、し長めの方がおすすめかな」
「それなら、このくらいかの?」
祖父の指定は自分の肩くらいの所だ、父はしだけ長くアゴに當たるくらいにした。
まあ長いくらいなら調整していらない部分は、切ればいいんだから短いよりは良いでしょって事で、いよいよ実地試験と行きますか。
製作自はすんなり済み取り敢えずは作業終了で、畑に行くのは明日に持ち越しと言う事になった、丁度小さな草が生えてきている畑で三角ホーの使い勝手を見てもらうとしよう。
「いまさらだが、あの三角の部分には金を使うつもりだったんだろ、木だけで大丈夫なのか?」
確かに不安は殘る、と言うか大有りな訳だけど刃にあたる部分は尖らせてあるから、そこまでの心配は要らないと思う、あくまで今回のは試作品でゆくゆくは金屬刃のにする予定なのだから。
資源的には一年待たなきゃ実行できない大問題があるけど今は良いよね忘れよう。
「そっちの方がかなり良いになる予定だったけど多分大丈夫だと思うよ、壊れないように元は削らなかったから、どうしてもっこは切るんじゃなくて抜くってじになるから、削った後僕が草を拾って歩くよ」
そうか、と若干不安そうな聲で言われたが使えないは仕方が無いのだ。
午前中に全工程が終わってしまったのは誤算だった、父たちの力量を過小評価していたゴメンよ父ちゃん、午後は道の手れをする父の手伝いを買って出ることにした、と言っても刃の付いたを研ぐ訳にはいかないので、作業小屋をお掃除しただけなのだが、明日はちゃんと晴れてくれるといいな。
夜は早く眠りに付いた、翌朝を楽しみにして。
翌朝は見渡す限りの快晴、文字通り雲ひとつ無い空には、太が燦燦と降り注いでいた昨日の雨もシトシトと降っていた為、畑もぬかるみも無く絶好の畑日和だ。
父が擔いだ見慣れない道を見て興味が湧いたのか、近所數件がウチの畑に見學に來ていた、俺の発明品と言う事で近所の人への説明は俺がやる事に、失敗したら大恥じゃないかトホホ。
「えー、この道は三角ホーと言います、雑草を引き抜いたりし耕す時などに使ええるかなと、思って作りました、材料が無かったので全部木で作りましたが、刃は金で作る予定でした、この刃の部分では土を雑草ごと削り、先のとがった所で土を起こす事ができるようになっています」
ざっくり過ぎるかもしれないが、まあこの程度しか説明が出來無いのも4歳だからで許してもらうとしよう、父に大の使い方は説明してあるので、ここからは父に任せる。
ザリザリ、小気味良い音を立てながら土と一緒に草が取り除かれていく、し大きくなってしまった草は、先端で掘り上げているのでほぼ功と言ってよい出來だ。
「刃の部分にぁ蟻の角削って使ったら良いんだないか?」
見ていた一人が思いがけない追加発明をした、そんな事出來るの?
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