作った鍋は２０を越えた、底の尖った寸のようなものから、まさに縄文土といった逆円錐型のものまでさまざまで、金屬供出しなくともしさがまかなえると信じての力作だったのだろう・・・

焼き上がりの灰の中から崩れ落ちたその殘骸を見るまでは、俺の作ったを含めて全滅、モノの見事に一つ殘らず砕け散っていた。

俺の作ったは間違いなく乾燥をさせてい無かったための、水蒸気発だろう綺麗さっぱり置いた場所には破片すらなかった、他の者達が作ったは材料と言うか材質に問題があったのだろう、殘骸として灰の中から出てきた。

火が落ち著くまで見せていた皆の笑顔を見ているため、その落膽振りの大きさがどの程度だったかがよく分かる。

「は～、割れちゃったわ」

「それも、みんなよ」

「やっぱり土では、駄目なのかしら」

水蒸気発なんて知らないだろうし、俺の知識じゃ噛み砕いた説明する事も出來ない、とりあえず皆ゴメンとしか言えない訳だ、ここは素樸な疑問系で気付いてもらうとしよう。

「ねえ、乾いて無い薪は燃やさないのに、乾いて無い鍋は火にれちゃって良いの？」

「そう言われたら、そうね」

「一度乾かしてから、焼いてみようかしら」

がやがやがや、陣の熱の火は消えていないようで、再度鍋作りへと火が燃えていった。

熱の火が燃えるのは良い事だが、今回だけでも相當な薪が消費されただろうに、こりゃ數日がかりの一大伐採が起こっても不思議じゃないな、今回消費された薪は前回の伐採とそん無い量、もうしテコれして早めに完させなければ。

流石に本日もう一回と無茶な事は出來ないので、明日改めてとなった、いくら陣の強権と言えども、家の事をないがしろにするのは、長年の習慣が許さないようだ。

旦那達に薪を取りに行かせる事は、長年の習慣のウチにっちゃうんだね。

俺は余っていた粘土を持ち帰り、し研究してみる事にした、たぶん俺の粘土でもいけるとは思うのだが、混ぜたでも面白いと思ったからだ、しかし混ぜる量に関しては前世の知識チートを持ってしても、歯が立たないのでしまとまりを重點に置いて、最終的には信楽焼きに近い風合いのでも作れたら面白いかななどと思っている、バレたら怒られそうだが・・・。

金鍋にできなかったのだ、そのくらいのお遊びは良いじゃないかって事で。