《異世界生活語》料理音癡は怖い

ここ數日ウェインと顔を合わせていない、今日もまだ顔を見ていないのだが、早々に例の話だけでもしておきたい、今日も參加しているはずなので概要説明だけでもしておきたい。

晝の休憩が近づくと門が賑やかになった、今回は乾燥隊として奧様方も來ているので、炊き出し形式の晝食となるからだ、包丁を振るう音にオートミールを煮るグツグツとした音、そこに何と言っても三人寄ればと言うが、20人くらいもいるのだから賑やかな晝食の準備だ。

陣は家事があるから、この晝食の準備からの參加となっていた、最初はもうし遅い時間を考えていたが、自分達のためだけに働かせる後ろめたさなのか、昨日のうちから準備を進めて、今日もいつもより全員早起きして家事をこなした様で、通常の晝の時間には食事が出來る運びになりそうだ。

その中にはウェインと同じで、嫁り目前の娘たちもちらほら混ざっていて、年配者の熱のった指導がなされていた。ちなみにその年配者とはウチの祖母だったりするのは、當然と言えば當然なのかもしれないが。もっと言えば指導は娘達だけじゃないみたいだ。

「そんなに細かく切るんじゃないよ、それはもっと火を弱めて焦げ付いちまうよ、そこやる事が無いなら鍋でも洗っておきな、カイバクはもっと水をれて炊くんだ貸してみな」

ウチの料理・・・イヤこの世界の質素な食事が、飽食の記憶があっても味しくじられるのは、ウチの祖母の細やかな気配りのおだと言う事に、他人の家を見ると気付かされる。

何となく當たり前になってきているが、明らかにウチの祖母や母のきや火の調節といった所が、その他の人に比べると繊細だった、と言っても母の場合は祖母の影響によるが大きい気がするんだけど。

前世でもちょっとの火加減や塩加減だったりで、大きく味が変わるなんて事は料理番組とかで見てた訳だし、そのあたりの繊細さはどっちの世界でも重要だったって事だな。

「將來俺や弟の嫁になる人がとんでもな料理音癡な人だったらどうしよう」

「ガキがいっちょ前に気づいてんな、そんな心配は10年早えよ」

質素でまずい料理を出す未來の嫁さんの妄想に恐れおののいた俺に、怪我をした兵士がツッコミをれてくれた。

「もしかしてオジサン、その口?」

「料理ってのは味じゃねえぇ、ってるかどうかよぉ」

いやいや語尾が下がったらダメですから、この世界の男は料理なんて全くしないから、多なら不味かろうが出されたら黙って食うが當たり前になって、イギリス人もビックリなほど食事に頓著しないんだよな、それでも語尾が下がるのは、この人の奧さんが結構な料理音癡な人だからだろう。

って言っても、他の人はいざ知らず、俺は料理の一つや二つ作れるんだから、災厄俺が作っても良いんだけどね。

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