マリオネルさんが相を変えて報告にあった土製の底抜け樽を確認しに走っていった、あの隊長をあそこまで揺させられる、土の樽はそれなり以上に危険ななのかもしれない。

確認作業はそれだけの騒にもかかわらず早々に片がついたようだった、先ほどとは打って変わったかのような、マリオネルさんの軽い笑みがそれを語っていた。

「マリオネルさん、何かあったんですか？」

「さっきものすごい顔で走って行かれたので、皆心配して居ったのですが」

近くの伐採組みがその景を見ていたため、隊長を走らせるほど危機が起こったのではと、皆が一様に心配していたのだ。

「いや心配をかけてすまない、まだ新しいスケールボアの抜け殻が見つかったと言うのでので慌てたが、先日討ち果たしたものがいだもののようだ、念のために周囲の哨戒に出しているが、數から言って間違いは無いだろうから危険は無いと思って作業に戻ってもらいたい」

ああ、俺が始めて治療薬の試験をした日のやつか、それより抜け殻って、ボアって言うくらいだからイノシシだよね、イノシシって皮するの？哺類は皮するの？なくとも俺の知ってるイノシシは皮などしない。

それともヌタの上位互換ってやつで、を土で完全に包んで寄生蟲や何かをぎ捨てているのだろうか？指すがわ異世界なだけはある。

これが２０００～３０００年後なら、テレビとかの野生特集ドキュメンタリーで、皮の瞬間とか見られたんだろうな、安全なテレビの前でお茶でも飲みながら、未來の人類よ、ご先祖様はそんなのと戦いながら生きてたんだよ～なんちって。

取り合えずの危機は去った、打ち洩らしが居たところで哨戒チームの夕飯にしかならないだろう、救護班なんて暇が一番、たぶん。

哨戒班が戻ってきたのはそれからまもなくだった。

「隊長～問題ないですね、打ち洩らしが殘っていそうなじはありませんでした、蟻もいないところからまず問題ないかと思われます」

「ご苦労、通常警戒に戻るように皆に伝えてくれ、皆さんにもお騒がせして申し訳ない」

？蟻？何か関係あるのか？蟻とイノシシが仲良しって事か？ゲームなら異種族モンスターが一緒にエンカウントするのは、それほど珍しい事でもないが、あのデカイ蟻と仲良くできる生がいるとは思えないのだが、聞いてみるか。

「隊長さん、蟻って何ですか？」

「エド君か、先ほど話していた土の殻は、スケールボアがぎ捨てたなんだが、新しいほど危険があるんだ、スケールボアは何度も外皮をぎ捨てるのだけど、殻にっている時は當然く事ができない、蟻はその隙に殻にを開けて中にいるボアに卵を産み付けるんだ、そしてまた次の時に外皮ごと別の場所でぎ捨てられる、その頃には蟻も卵から出て來れるくらいになっているからそこで増える、土の殻が見つかるとボアより蟻の方が恐ろしいのだよ」

これは寄生ってヤツだな、ボアが気の毒になってきた。