《異世界生活語》そう言えば知らなかった

「ただし逃げようとした時には、私のような子供には抑える事が出來ないので、後お願いしますと言うかも知れませんけど」

「その辺りは西門の警備がなんとでもしてくれるだろう、まさかバカでも自分から魔のエサになりに行く様な事はしないだろ」

「東とかであれば、逃げられるのではないですか?」

俺の質問は、このお姉さんにとって???と大量の?マークを浮かべる、奇天烈なものだった様だ。

「いや・・・」などと呟きながら、再度首を捻ってしまうあたり、そんなにおかしな事を言ったのだろうか?

「僕、何かおかしな事言いましたか?」

「君はこの辺りの事は、どの程度知っているのかな?」

「そうですね、町全部を森に囲まれている事、真ん中に偉い人が住んでいる大きな家がある事、そこが川に挾まれている事、北の森が魔が強くて南は弱い事、東の草原には小さい魔しか出ない事・・・とかですかね?」

あからさまにガックリと首を折ってしまうファリアさんの姿は、そこまで期待に応えられなかった事かと言いたい、子供でそこまで知っていれば上出來では無いのか?ウェインくらいの歳なら分からないが、俺くらいの歳では、森は危ないところとか、その程度の知識しかないと思うぞ。

「君と話していると子供と思えなくなっていたが、・・・この街はクラリオンと言うのは分かるな?」

「それもさっき聞きました」

「そうか、エルバス王國の東の果ての街だと言うのはどうだ?」

「知りません」

「この街の東は草原を抜けた後は、ボーン山まで延々と森が続くのだが人里は無い。南は1日程度は問題ないが、それより深くなれば北と変わらないほど魔が強くなる。北は言う必要が無いな、西にしか行く事は出來ない訳だ。その道にも魔は出るのだから、安全とは言えないな」

「前に叔母が戦士団に守られて、隣街に行っていると聞きました」

「護衛もクラリオン戦士団の仕事だ。10席までの席者がいくつかの戦士団を従えてあたる事になっている。もちろん數人で隣街まで行く事も出來なくは無いが、自分の命と引き換える覚悟はいるだろうな」

「それが逃げられない理由なんですね」

「今回は逃げた者に追っ手も懸けるのだから、魔と席者のいる戦士団の両方を相手にする訳だ。それで逃げ切れるのなら、そもそもこんな事になる訳は無いな」

「ですよね~」

今回の一件は功績を焦っての事なのだから、そこまで出來る人達がちっぽけな功績に飛びついてつかまる事は無いのだ。捕まっているのは、逃げる事も出來ないマジモンの三下クンと言う事になる。

「それでは、君にあのバカに會って貰おう。君がどうしようもないと思えば、それ以上かかわる必要は無い、後の事はこちらで方つけるからな」

そう言うとサッと席を立って外に向かう。この人も結構せっかちな人なのかな?

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