《初心者がVRMMOをやります(仮)》初めてのフレンド

カナリアが中の痛みに気がついておきると、ベッドの近くにジャッジが座っていた。

「よくやった。詰めは甘かったが、よく倒した」

「……怖かったです。それに、攻撃をけたあと痛くて、倒れそうになりました」

「それを忘れ……お前、倒れそうって痛覚の度合いをどれくらいにしてるんだ?」

恐怖を忘れるな、そう言いたかったジャッジが思わず訊ねた。

その言葉にカナリアはタブレットを出して、ジャッジに見せた。

「痛覚百パーセントかよ。最悪痛覚だけで本がショック死するぞ。最高でも五十パーセントにしておけ。ここは現実リアルじゃない。それくらいはしておいたほうがいい」

言われるがままにカナリアは痛覚だけを五十パーセントまで下げていく」

「それから、の吹き出し方もリアルにしてあるな。それをゲーム仕様にまで落とせ」

「え?」

「お前、手が震えてる。が出るたびに怯えていたんだろ? そんなことをしていたらゲームにならない。……だから、それだけでもゲームと思えるようにしておいたほうがいい」

「分かりました」

そちらも設定を変えていく。

「あとは変える必要はない。味覚を変えちまうと、飯の楽しみがなくなっちまうからな。LPも減っているから、食え」

「ありがとうございます」

素直に攜帯食料とジュースをけ取る。

味しい……」

カナリアのその言葉に、ジャッジが頭をでてきた。

「最後、とどめをセバスが刺しちまったから、まだウォールベアは殘り三のままだ。セバスが先にいて、お前がとどめを刺すほうがいいか?」

「いいえ。頑張ってやってみます」

「……そうか。あまり気負いすぎるな。楽しめ」

「はい」

どこまでも心配するジャッジの言葉に、カナリアは笑っていた。

「ついでにセバスの能力値を見せろ」

カナリアのタブレットを離すことなく、ジャッジが言い放った。

「セバス。これからお前に飯の用意をお願いしていいか?」

セバスチャンとリースが戻ってくるなり、ジャッジが言った。

「構いません。元々ミ・レディのために食事を用意するつもりでおりましたし、助けてくださった方々を放っておくつもりはありませんでしたので」

カナリアの代わりに先ほど倒したウォールベアをギルドに持って行き、査定してもらった些細な額で、セバスチャンは調味料をしだけ揃えてきた。

「リース。俺の財布持って行って、調理を買ってきてくれ。セバスが使いやすいやつで」

「かしこまりました。マスター。フレンド登録は済まされましたか?」

リースの言葉にジャッジが固まった。

「まだですね? していただかないと、わたくしとセバスさんが連攜を取れません」

「……悪い」

ぼりぼりと頭をかいて、ジャッジがカナリアに向き直った。

「これからも俺がサポートにっていいなら、フレンド登録をさせてくれ」

「! こちらこそよろしくお願いします!! ……で、どうやってフレンド登録をするんですか?」

ジャッジに説明をけ、カナリアはオンライン初のフレンドが出來た。

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