《初心者がVRMMOをやります(仮)》繊維の勉強 その2

「次はメリノーンとウルリーノと呼ばれるです」

そう言ってイラストを見せてくる。メリノーンは手乗りサイズの羊のようで、ウルリーノはそれなりの大きい羊のようだった。

「可い」

「ミ・レディ。外見に騙されてはいけません。メリノーンはとても兇暴です。普段は草食ですが、必要とあらば噛み付いてきます。ウルリーノは臆病で、人を見るなり、凄まじい速さで逃げます。捕らえるどころか討伐すら難しいです」

「……なんですか、そのいきものは」

「メリノーンは懐かせようと思えば、懐かせられるぞ。ただし、一ヶ月以上メリノーンに噛まれるそうだ。草食のくせに牙があるからかなり痛いらしい。しかも噛まれた後に痺れという狀態異常にかかるわ、そのあと一ヶ月は毎日羊を刈り取って捨てなきゃいけない。素材として全く使いにならないんだそうだ」

ジャッジまでが嫌なことを付け足してくる。

「ウルリーノの捕獲は十回やって一回功しただけだ。半分は逃げられた。殘りは間違って殺しちまった」

「ジャッジさんでさえそうなんですか?」

「俺というか……俺は手伝い。功した理由は、偶然にも他のレイドクエストの時に出てきたから、レイドボスとかを放っておいて捕獲」

「あの時はAIも引き連れてのレイドでしたから総勢百名くらいだったでしょうか。わたくしも參加しました。三重に囲いを作って何とか二頭捕獲できました。百頭くらいいた群れだったんですけど」

そんなものどうやって捕まえればいいのか、本當に頭を悩ませてしまう。

「あとはカシミレラですね。これまた兇暴でこの角で敵をなぎ倒します」

「……捕まえられる気がしません」

「ただし、ウルリーノとカシミレラの角は上級の細工にも使えるものです。是非クエストとして注してみることをお勧めします」

「カナリア、気負うな。もっと楽に考えろ。今のところは植繊維とシルクスパイダーの初期のやつをやっていけばいい」

「ううう~~~。現実とかなり違う……」

「なんなら蠶から飼ってシルクを取るか?」

「そっちじゃなくて綿と麻です」

「あぁ。『メンモドキ』と『アサミタイ』か。あれはあれでそれなりに大変だからな。いっそのこと、お前が狀態異常防のアクセサリー作ればいいだけじゃね?」

その手があったか! そう思ったものの、どうやってそんな付加価値をつければいいのか。

「そのあたりは、織をやってる知り合いをそのうち紹介するから、聞いてみろ。土産にチョーカーでも作ってやれ。さすがにブレスレットは仕事上つけられないからな。MP回復(上)あたりなら、狙って付加価値つけれるだろ?」

「むぅ。(上)は難しいです。(中)だったら狙えるんですけど」

「そうかい。だったら、それに合わせてピアスを作ってくれ。だと相乗効果でいくんじゃないか?」

「頑張ります!」

ジャッジに紹介してもらって、職人に會えるというのがカナリアは嬉しかった。

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