《FANTASY WAR ONLINE》第五話

神殿から、出てしばらくはそこらをふらふら。街中は異國緒をじさせる。人々はゆったりと時間の流れを楽しんでいるかのように過ごしている。流れにを任せて停滯しているようなそんな雰囲気。現代とは違うゆとりがあると思う。これがほんとのゆとり社會というやつだな。俺はそんなことを思いながら、店を冷かしながら住宅街の方へと向かう。

なぜ住宅街かって? この世界の住人は先ほどのシスターの反応なんかを見るに生きているようなのは言うまでもない。人工知能積んでるでしょあれ。そもそも、この世界の住人と言っていいのかはわからないが、メルと話していてもそういう違和というものをじなかったからな。だから、住宅街に今いる住人に世間話をしに行くのである。

まあ、俺がこの世界の人たちと話をしたいというのがあるけど。

で、今住宅街の公園に來ているわけだが、ベンチで本を読んでいるがいる。頭の頂點から角が生えているので蟲人だと思う。人に蟲の要素がくっついているだけのようだ。俺は彼に話しかけようと思う。これで、どんな反応をするのか気になるし、背景の一部として扱われているのかも気になる。いや、キャラクター作のフィールドをあそこまで作り込むこの運営なら、あのも俺が話しかけたら反応してくれる、はず。

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「何の本を読んでいるんですか?」

警戒心を持たれても別に構わないのだが、眉間にしわが寄った人と話して気持ちがいいかと言われるとそんなことはないので、俺は笑顔で話しかける。なくとも、笑顔で話しかけて嫌悪を示されたことはない。お父さんお母さんありがとう。

「あなたは?」

「スバルと言います。君は?」

「ナターシアよ。スバルさん」

「スバルでいいよ」

「じゃあ、私もナターシアでいいわ」

「隣に座っても? 見下ろしているのはあまり好きじゃないんだ」

「ええ、いいわよ」

俺はナターシアの隣に座らせてもらう。ナターシアの角がピコピコといていてかわいらしい。

「で、何の本を読んでいるか、だったかしらね?」

「そう、何の本を読んでいるんだい?」

「見てみる?」

ナターシアは俺に本の表紙を見せるが、何て書いてあるのか全くわからない。この世界の文字で書かれているのだから當たり前である。

「殘念だけど、読めない。俺は異界の旅人だからさ」

「ええ、知ってるわ。だから見せたのよ」

ナターシアは意地悪そうな顔で笑う。

「これは何語なんだい?」

「魔族語よ。魔族の公用語。簡単だし、すぐに覚えられるわ」

「俺たちの言葉と同じなのか?」

日本語の五十音を別の記號に當てはめた可能を考慮している。そしたら覚えるのは簡単だろう。たぶん。

「ちょっと違うわね。私たちは魔族語と神代語の二語を話せるわ。神代語があなたたちの言語ね。魔族語は神代語の音聲が変わっていって生まれたものだと言われているの」

なるほど。別に気にしていなかったが、この世界の住人は俺たちの言語も話せるということなのか。同じ言語なのだと思っていた。

「だったら、教えてくれるかい?」

「いいわよ」

○ ○ ○

魔族語は基本的に日本語なのは変わらないようだ。神代語の変化形だからな。ただ、現在の日本語には存在しない発音や、変わっている発音などもあった。

まず、ワ行にWA・WI・WU・WE・WOの五音があり、ヤ行もYA・YI・YU・YE・YOの五音がある。

タ行もたちつてとではなくたてぃてゅてとである。サ行はしゃししゅしぇしょに代わっているし、一番笑ったのがハ行。なんとぱぴぷぺぽであった。半濁音はこの瞬間消滅した。バに対応しているのがパだからって、こっちの世界で殘っているのはさすがに笑うしかない。魔族語を作ったやつは文系だな。

で、文字は五十音対応表に合わせて並べて書いていき、それを覚えればいい。魔族語には漢字なんて言う表意文字が存在しない。表音文字のみであるため超簡単である。しかも、日本語の意味と大同じという超親切設計。これで遊ぶの意味が管弦を弾くだったら、泣いていたところである。ただ、んの文字がNがベースになるものとMがベースになるものの二種類あるのはちょっと混したが。こっちでは、使い分けるのかと思ったものである。

そういうわけで、何とか魔族語の文字と日本語の文字の対応表と、魔族語の発音をすべて教えてもらったわけだ。本は対応表を見れば一応読める。で、それによると、ナターシアの読んでいる本は、大昔のおとぎ話であるということがわかった。學者の間ではいまだにフィクションかノンフィクションかで論爭が起きている作品だそうだ。ナターシアは司書だそうで、そういう話には敏らしい。

「ついたわよ。ここがわたしの働いている図書館」

俺は一通り言葉を教えてもらい、ある程度なら読めるようになった後、ナターシアに図書館までの道を案してもらっていた。

図書館の外裝はレンガ造りの下級貴族のような中途半端な豪華な建である。途中で、寄贈図書に金をかけたほうがいいと思ったのだろうか? また、増築が行われているのかレンガの年代も壁ごとに違う。歪である。立て直したほうが綺麗だとは思うが、それだと金がかかるからな。獨特な建として後世にも殘り続けるのだろう。

「面白い建だ」

「じゃあ、るわよ」

ナターシアの後に続いて俺も図書館の中へる。

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