《FANTASY WAR ONLINE》第十八話

《只今までの行により【魔力作】を習得しました》

「はは……」

習得出來てしまった。まあ、就寢前ではあるが。

今の俺はベッドの上で座禪を組んで、瞑想に近い狀態にいたわけであるが、窓の外はもう暗闇である。妖怪の時間までは來ていないが、ふつうに就寢時間である。いや、俺の基準では就寢時間である。

だが、本當にあれであっていたとは。

魔力を作するイメージはあった。それは脳から発生する電気信號が最も近かったというべきだろう。出発點が脳で、そこからを駆け巡るようにイメージをする必要があったわけである。そこに循環などはない。最終的に脳に戻ってくる必要があるわけだ。スタートとゴールが決まって、その間に魔力をどうかすのかが基本であるといえるだろう。ただ、気づけば結構簡単だな。數時間かかっているけど。修行はそういうものだ。むしろ早いのではないか?

『スバル?』

『メル?』

お、今日はメルから信してくれたか。もうし遅ければ俺がしていただろう。ただ、どっちからかけても、片方の魔力が枯渇するまでの間しか出來ないのではあるがな。

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『――でね、とってもかわいかったわ。後でスバルにも送っておくわね』

『楽しみにしているよ』

『ええ、楽しみにしていて。おやすみスバル』

『ああ、おやすみメル』

これで、日課は終わったか? では、寢るとしよう。

○ ○ ○

おはよう。晝を食べてきて、今ログインしたところである。

《メッセージが一件屆いています》

メッセージは? メルからのものである。これは予想通りだ。昨日の話に出てきた子狐とのツーショットである。

メルは昨日、家の外の花畑で子狐と遊んでいたそうだ。かわいい。

「おはようスバル」

「ああ、おはようかおる」

かおるとは晝食の時も顔を合わせているのだが、こちらでも朝の挨拶をしたくなったのだろう。今まさにベッドから起き上がるところでもあるしな。

「おはようございます師匠」

「おはようございますオロートスさん」

「うむ、おはようさん」

師匠はいつも通り椅子に座って本を読んでいる。

「【魔力作】を覚えることが出來ましたよ」

「ほう、見せてみい」

師匠は急かすように話す。俺は目を閉じて魔力を全に巡らせるようにかす。それを何順か行うと、師匠が手本として見せた魔力の巡らせ方を真似する。しかし、俺のはさらに遅い。ゆっくりとしたナメクジのようなきである。

「まだまだじゃの」

「そりゃそうでしょうよ。……そういえば、【魔力作】のスキルを習得するのは集中していてもよかったのですが、それはなぜなのでしょう?」

「ああ、そのことか……」

師匠は顎に手を置いて考えているような雰囲気を見せる。あれは焦らしている。目が楽しそうに笑っているからな。

「答えるならば……戦場で使えるかどうか、じゃの」

「戦場で……」

「使えるかどうかですか?」

かおるは俺の言葉を引き継いで質問する。

「うむ。集中狀態で魔力を知しながら魔力を作することはどの生もできん。だから、魔力作のための最低限として今のこの何でもない狀態で、魔力を常に知覚できている必要があるのじゃな。魔力は集中狀態でもることが出來るのなら問題はない。誰かに護衛についてもらえればいいからの」

師匠はここで、一拍ためる。

「しかし、お主らは前線で暴れるタイプの人種じゃな。それだと、今の狀態では魔を使いこなせることは出來んじゃろう。さらなる進がいるであろうよ」

「そうですね。それは俺もじています」

「ここから、魔の基本を教えるが、作の鍛錬は怠るでないぞ。そうでなければ、寶の持ち腐れだからのう」

「「はい」」

俺たち二人は師匠の言葉に返事をした。なんとなく、師匠は久しぶりの弟子に期待してくれているのではないかとおもう。

「さて、晝食でも食べ終えたら……スバル、お主に魔を教えぬとな」

そうか、次はその段階か。というか……その段階に來るまでにすごい時間がかかっているよな。これゲームだよね? ゲームとは思えないけどさ。そもそも、戦った相手がだけなんだよね。やばいよね。

「そういえば……私たち、まだ一回もフィールドに出たことないね」

「だよな。なんかふと思い出すんだよな、それ」

「でも、今のこの修行が一段落してからフィールドに出たいよね?」

「そうなんだよなあ」

かおるはよくわかっている。今フィールドに出ても中途半端なのだ。だから、いまだにここに居続けているのだが。

それに、俺たちはまだ初期裝備である。ゲーム時間で數日は立っているのにも関わらず、見た目が全く進んでいない。

まあ、これも全て修行が終わってからの話になるんだろうけどな。

俺はかおると共に、臺所へと朝食を食べるために足を向けた。

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