《只今までの行により【嗅覚強化】がレベルアップしました》

《只今までの行により【聴覚強化】がレベルアップしました》

《只今までの行により【徒手武】がレベルアップしました》

《只今までの行により【刀】を習得しました》

《只今までの行により【け】がレベルアップしました》

《只今までの行により【回避】がレベルアップしました》

《只今までの行により【見切り】がレベルアップしました》

《只今までの行により【魔力知】がレベルアップしました》

《只今までの行により【魔力作】がレベルアップしました》

《只今までの行により【心眼】がレベルアップしました》

見ての通りである。刀を使ってはいたが。當然足も出るし、手も出る。俺が日々鍛錬をしているのはそういう武である。武を持っているからと、その武に頼ることはせず、斬ると見せて毆り、蹴ると見せて斬るのである。だからこそ、このスキルのレベルアップは必然である。

「…………おぬしらやばいのう」

師匠は眉間を手で押さえながらそう言葉をらす。

「これで魔も扱えたら、どの距離にいても殺されるじゃろ」

「戦場で安全な場所ってないですよね？」

「魔導士の懐にった近接タイプが返り討ちにあうのがやばいんじゃよ」

どこがだろう？

「死角がなくて強くないですか？」

「無敵じゃん。どうやって倒すの？」

「師匠、口調が崩れてますよ」

「別に構わんじゃろ。お主らしかおらんし」

しかし、どうやって倒すねえ。なくとも、數人に囲まれた程度で殺されるようなやわな鍛え方はしていないと思う。

「三日三晩ひたすら攻勢に出続けるとかすれば、殺せるんじゃないですかね」

「え、三日間も戦い続けられるの？」

「さあ？　実際そこまで長い間戦い続けたことないんでわからないですよ。でも、一日はもってほしいと思いますけど」

これは本心である。最低でも一日中は戦場に立ち続けられるような継戦能力がほしい。

「お主それで、魔も覚えようとするのだからのう。十分前線で戦える力があるというのにのう」

「そうですかね。……あ、師匠。どうです？」

俺はその場での魔力をかす。戦いながらだとぎこちなく油の切れたロボットのようなきを見せる魔力も今の狀態でならスムーズにいてくれる。それでも、ゆっくりとしているが。

「ふむ……まだまだじゃのう。これぐらいは出來ねばな」

師匠は今、魔力をただかすということだけをしている。それ以外の容量がとられることはないのだから、その魔力がき回る速度は異常であり、師匠のを自車が走り回っているかのようである。

「……で、これじゃな」

と、師匠は両手を広げて手のひらから別々の魔を生み出す。左手には水。もう片方にはである。

魔は、対応する屬だった場合、同時に展開することもまあ出來なくはない。火と水、風と土、と闇のような分け方になる。その対応された屬であるならば、比較的楽に同時に魔を行使できる。

とはいえ、比較的楽というだけであり、実際にやろうとすると脳みそがパンクする。日のイメージを生み出しながら水のイメージを生み出すのだからな。普通に出來る気がしない。師匠いわく、いずれ出來るらしい。その時の師匠の顔は謙遜しやがってというような劣等がこもっていた。

では師匠は？　それよりさらに難易度の高い対応していない屬の同時展開である。頭おかしい。師匠は六屬の同時展開を前に見せていたが、そんなことが出來るのは魔導士でも一握りだと自慢していた。

「くそっ、勝てない」

「いやあ、すぐに勝たれたら師匠の立場がないんじゃが」

だが、張り合いたい。うーん、なんかインパクトのある魔でもやるか。一つの屬でもインパクトがあればいいと思う。子供っぽいがここは張り合いたいところ。

俺はとりあえず、真皮のあたりにとどまっている魔力に目をつける。これを魔に昇華させよう。えーと……火だな。俺、火が好きなんだと思う。功率高い魔は火だし。

で、真皮の魔力をお互いにり合わせる。で、その熱を基にして魔力を高溫狀態に持っていき、著火。俺のから火が噴き出る。

「おおっ！　なんじゃそれ！」

「スバル！　大丈夫！」

っと、かおるが心配してしまった。確かに、今の俺は全火だるまだからな。これで心配するなというほうが無理がある。

「ああ、大丈夫だ。安心しろ。これは魔だ」

「そんな魔は知らんぞ」

「ええと……を覆う魔力を使ってます」

「ええ……」

師匠は困していた。確かに、その気持ちはわかる。この魔力は、魔法による攻撃からを守るために存在するものである。だから、そんなものをわざわざ消費しようなどということを考えるわけがない。

しかし、脳から全に魔力で覆うという作業がないため非常に簡単である。

俺のから噴き出していた炎はしばらくたつと魔力の枯渇によりしゅんと消える。

「お兄さん、心配させないでください」

あら、あいかにまで心配されてしまった。これは反省すべきだな。

「ああ、すまんすまん。今度からちゃんと宣言してからするからさ」

それに、ここまでうまくいくとは思っていなかったというのがある。

「うーむ……」

師匠はまた何か悩んでいるようである。どうしたのかね？

「スバルよ」

「はい」

「その魔。登録してみる気はないかね？」

……はい？