《FANTASY WAR ONLINE》第三一話
「で、登録も終わったことじゃし、お主らはどうするのかの?」
と、ギルドから出て一言。師匠が言う。
「かおると、町を散歩でもしようかと思いますよ」
かおるは俺の腕に抱きついていて、俺に重をし預けているようでもある。
「師匠は?」
「どうしようかの……」
「だったら私たちと一緒に散歩しましょうよ」
と言うのはかおる。あれ、いいのか?
「いいのかの?」
「別に、かまわないよ。それに、町に詳しい人にいいお店とかを案してもらったほうが楽しめそうでしょ?」
なるほど、こっちにもメリットがあるのか。
「ほう、ならわしが道案でもするかの」
師匠も上機嫌である。
「あ、でも……お主たちはし離れてくれんかの。わしが一緒にいると悲しくなってしまうからの」
「奧さんを呼べばいいのでは?」
「お前は馬鹿か?」
あ、ふつうに怒られた。し悲しい。俺はあえてしょんぼりした顔を見せる。師匠は俺にしの罪悪を見せるどころか、にやりと口元をゆがませる。ああ、この人もダメみたいだ。
「ほら、遊んでないでさっさと行くよ」
かおるは俺から離れる。師匠のことを考えてあげるなんてなんと優しいのだろう。まあ、別に見せびらかしたいわけでもないので、俺もそうするとは思うがな。
そうして、師匠を前にして俺たちは再び神殿前の広場へと到著した。
「ああ、師匠。祈りを捧げていいですか?」
「スバルよ。お主は旅人であろう。なぜじゃ?」
「創造神様に謝したらデメリットがあるわけではありませんから」
それに、メルと出會えたのも創造神様がこの世界を生み出したからであると考えれば、謝しか出てこない。だったら、それを祈りとして表に出すのは當たり前のことなのである。
「……面白いのう」
「師匠は信徒ではないので?」
「信徒に決まっておろう。ただ、お主も熱心なのじゃなと思ってな」
「じゃあ、私も祈ろうかな」
というわけで三人で神殿の中へとることになった。
今來てみてわかったが、神殿の中は何というか、浄化された清らかな魔力が漂っている。不純がないというのが最も正しいかもしれない。
「うわあ、改めて中にると……すごいところだね」
かおるもじ取ったらしく素直に心している。
「あ、あなたは!」
と、背後から大聲が聞こえる。振り返ると、一人のシスターがこちらを見ているのがわかる。何かに驚いているようである。
「……。ああ、あの時にいたシスターの一人ですか」
「は、はい! そうです!」
シスターは張しているかのようにぎこちない。
「また來ますって言ってたのに、全然來ないんですもん! 私たち全員待っていたんですよ!」
「はは、さすがに毎日足しげく通ったりはしないさ」
「ほんと?」
かおるの目つきはし恐ろしかった。俺を信用しろ。出會ったを軒並み口説いているわけじゃないんだからさ。
「あの……この人は? ずいぶんと親しそうですけど」
シスターさんはかおるのことを不審そうに見つめている。
「ああ、彼は俺の――」
「――妻です」
何言ってんの? まだだよ?
「……え?」
シスターさんはとても力のこもってないか弱い聲でかすかにらした。まるで、ショックをけているかのようである。
「この人が、あなたの……奧さん……?」
「予定な。予定」
「でも、決定事項だからね。將來確実に私とスバルの幸せハネムーンが約束されているからね」
まあ、それは約束するだろ。
「そう……ですか。お幸せに……」
シスターはふらふらとした足取りで俺たちから離れていった。その時にシスターの目に涙が溜まっていたのは見間違いではないだろう。
「お主、目についたは誰にでも手を出すのかの?」
「師匠、冤罪です」
俺は無実だ。無実だよね? ……うん。俺がシスターたちとした會話で惚れられる要素はなかったはずだ。もしかしたら、気にはなっていたかもしれないが、そこはそれ。完全に落ちていないとカウントしないから。
たぶんからかっているんだろう。
「さあ、お祈りしましょう! ね、師匠!」
「あ、逃げた」
師匠は無視だ。俺はすぐさま創造神様の像の前に近寄り、祈り始める。まあ、前回と同じくメルとかおるとし合えていることに謝を捧げよう。
ありがとうございます創造神様。
さて、どれほど祈っていただろうか。祈りをしていると時間を忘れてしまうから困ってしまうな。
「さて、他の場所でも行くとするかの?」
「ええ、それがいいでしょう」
「そうしようか」
意見は満場一致。俺たちは神殿を後にする。
では、どこに行こうかね?
「……見られておるの」
「……くそが」
と、また視線か。俺たちの不快指數が高まっていく。かおるは口が汚くなっているが無視してあげるのが優しさである。
で、俺たち二人は腰にさしてある木刀に手がびている。何かが起きればいつでも抜く準備は出來ている。
「ねえねえ、そんな奴らといないで俺たちと一緒に遊ばない?」
と、俺たちに聲をかけてくる奴らがいた。そいつらは、ちゃらちゃらした見た目の三人組であった。
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