《FANTASY WAR ONLINE》第五七話
「…………」
くそっ。
俺は茫然と立ち盡くしていた。
俺は一撃で仕留めるつもりだった。むしろ、一撃で仕留めなければ失禮であるとさえ思っていた。しかし、敵は立ち上がった。俺の一撃を脳天に食らいながらそれでも、立ち上がってきたのだ。
意地だろうか。意地だろうな。一撃で無様に殺されたくはないという意地だろう。それが立ち上がらせる気力を殘したのだ。
俺の目の前にはまだウサギの亡骸を殘している。ウッドはタイミングを計っているようだが、しばらくはこのままでいさせてほしい。俺はこの姿を忘れてはならないのだ。ウサギを殺したということを記憶しているわけではない。自分の未さと敵の気迫を忘れてはいけないのだ。
「……」
かおるは無言でウサギに近づきしゃがんだ。そうして手を合わせる。俺はそれをすることはなかった。
「ウッド、終わったぞ」
「お、おう……」
ウッドはナイフを突き立てて素材に変える。俺は天を仰ぎ、じっと遠くを見つめる。
「お前って、敵を倒すごとに傷に浸るのか? 大変じゃね?」
ウッドは呆れたように俺に語り掛ける。
「いつも傷に浸ってはいないだろう? 自分のふがいなさを戒めているだけさ」
「かおるもするの?」
ライフはかおるのほうを向いた。かおるは目をつむり手を合わせていたのをやめて立ち上がり、ライフの方へと向き直る。
「私はあまりしないかな。それでも、心では毎回手を合わせているけどね」
とかおるは傷的に言う。
「そういうのってあたしたちもやったほうが良かったりするの?」
ライフは俺たちの行を見てそう思ったらしい。まあ、気持ちはわからんでもない。他の人が複數人何かをしていたら、自分もする必要があるのかと思ってしまうことはよくあるものであるからな。
「こういうのって形からるんじゃなくて、想いかららないと失禮だから、ライフたちはやらない方がいいよ」
と、かおるは二人に忠告する。
「う、うん。わかったよ」
ライフはぎこちなく頷いた。何か恐ろしいものでも見たかのようなぎこちなさがライフのからあふれている。
「でも、さっきのウサギは強かったな」
ウッドは話題を変えようとし早口にそう言った。
「ユニークモンスターなのかな?」
と、いうのはライフ。まあ、他のウサギとは違うからそう思うだろうな。
「だけど、そういうのってアナウンスが流れたりするだろ。俺には一切そういうアナウンサが流れてはなかったな」
「じゃあ、そういうアナウンスが流れないタイプとかは?」
「あー、あり得るかもなあ」
だったら、ユニークモンスターかもしれないなあ。
「ちっちっち、甘いよ三人とも」
と、指を振って待ったをかけるのはかおるであった。
「何が甘いんだ?」
「FWOはプレイヤーの行によってスキルが生えるんだよ」
「まあ、そうだな」
「だったら……モンスターも特定の行をとったらスキルが生えてくるかもしれないじゃない?」
俺たち三人はしばし沈黙してそれがあり得るかどうかを考え込む。
普通のゲームならありえない。が、このゲーム……いや、VRゲームそのものが、かなりの高能AIを搭載している。そもそも、AIと呼ぶことすら違うような気がするほどまでに的であり、象的なきを見せているのだ。それを、モンスターに搭載しないということは絶対に言いきれない。
「ということは、なにか。あのウサギは長い時間生き殘り続けた智恵の回る普通のウサギだということか」
知恵が回る時點で普通のウサギかどうかは怪しいところではある。
「私は、そう思うな。それに、そうだったら……私やスバルのしていることも無駄にならないんじゃないかなって」
「かおる……」
ああ、かおる。
「してるよ」
「んふ、私もだよ、スバル」
俺は幸せ者である。
モンスターが一定の行パターンに當てはまっている人形みたいな存在だったとしても、俺はいつも通りに戦い、祈り、していたことだろう。しかし、かおるはそれが報われるかもしれない道を示した。それだけで俺の心は洗われるようである。
「あ、もういいですかね……?」
「もうちょっと……」
「あ、はい」
俺はしばらくこのにおぼれ続けていた。
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