《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第84話 アポリアⅡ③
※無事第1部完結までPC力しました。書き溜めが80話(11/21時點)になってしまったので、投稿頻度上げます。
コツコツと足音がして、「授室」にってきたのは。
泣きはらした顔の、依だった。
「大丈夫? ひとり?」
思わず、ライドヒさんがあたりにいないかを想像する。
依は、黙ってスマホの畫面を差し出した。
「うん。紅葉ヶ丘さんが、艦警備システムと連してライドヒさんの居場所を知らせてくれるアプリ秒で作ったから。もう実裝したから」
相変わらずすごい。‥‥‥‥そしてライドヒさんは、もはや犯罪者扱いだ。
依が、消燈した『授室』へ半をれる。
「‥‥‥‥依、それ?」
「うん。メール見たよ。暖斗くん。‥‥‥‥なんでだろ? メール見た後、これが目にったら、涙がぽろぽろ出てきて。‥‥止まらなくなっちゃった」
依は、頭にかぶっていた「これ」を、両手での前に。
それは、まほろ市で僕が彼に買った、あのうす茶の帽子だった。
Advertisement
「みんなでアプリで急會議したの。急子會(議)」
そうか。そりゃやるだろうな。浜さんと桃山さんのケアもあるし。
「‥‥‥‥そしたらね。麻妃ちゃんが」
麻妃? そういえば今回、この騒ぎにはモブ化してたなアイツ。
「言ってたよ? 『ありがと』って」
え? お禮? どゆこと?
「『これがふれあい験乗艦初日に起こってたら、きっと誰も、何とも思わなかったじゃん?』って」
「‥‥‥‥何言ってんだ? 麻妃?」
「こういう事よ。『みんな、暖斗くんを好きになってくれて、ありがと』って、麻妃ちゃん言ってた。しみじみね。麻妃ちゃんらしいね」
そうか。僕と、あの子達15人の1ヶ月。んな事があった。
「『失ったら悲しい、そういうかけがえのないができたからこそ、「それ」が揺らいだ時に、ウチらは戸う』。――そう言って、遠い目をしてたよ? でもそれで、みんなに伝わった。‥‥‥‥ああ、そういう事なんだって」
麻妃の言いたかった事はこうだ。
僕は、みんなとのつながりが切れてしまった気がしたけれど、そもそもそれは最初は無かっただったんだ、と。
でも、一緒に暮らして、一緒に戦って。
怒って、泣いて、笑って。
そんな毎日が積み重なって、僕らは、見えない何かでつながっていた。
簡単に切れるだろうか? 僕らの「それ」を。
僕は、もっと怒って、もっと誇ってもいいのかもしれない。
「依、ゴメン。俺がどうかしてた。明日、ライドヒさんにはっきり言うよ。『この艦の、俺の仲間に、手を出すな』って」
両手で帽子を持ったまま、依は心から微笑んだ。
「ふふふ。一人稱が『俺』になってるよ? 暖斗くん」
*****
ピコン!
依のスマホが鳴った。
「いけない? こんな近くに?」
シューン。
同時に、醫務室のドアが開く音。
「電気點いてんな? お~い」
男の聲。
「依ちゃ~ん。いる~~? 腹痛いんだけど」
ライドヒさんだ。
依が、『授室』にを隠して、半開きだったドアを閉める。
「お~い。今音したぞ? 誰かいる? 依ちゃ~ん」
ライドヒさんの依の呼び方。もうそんなに親しいのか?
(‥‥もう、みんな下の名前でちゃん付けよ? 浜さん以外)
依は、僕の耳にを近づけて、小聲でささやく。
暗かったこの部屋で、依の服裝がやっとわかる。
(あ! そのワンピース?)
(サマードレスよ? 帽子と合わせたのを、暖斗くんに見せてないから)
「電気點いてるから‥‥‥‥トイレかな? 戻ってくんだろ?」
ライドヒさんは、去る気配は無い。
「あの子がダントツ可いよな。醫だし。醫プレイもいいな。ひ。ひ。ひ」
依が聲なき悲鳴を上げて、僕にを寄せる。
「隠れて待つか?」
ガチャガチャ!!
「「わっ!」」
「授室」のドアノブが回されて、僕らふたりはんでしまった。
「ここ隠れるのにちょうどいいのにな。しかし‥‥‥‥なんっか人の気配はすんだよな? 戦艦? オバケ?」
依は、僕に抱きついていた。々怖いんだろう。朝顔の蔓のように、足の先まで巻きついている。
(ワンピースがシワになるよ?)
(いいの。‥‥もうヤダ。‥‥あとサマードレスだってば)
本當に、この醫務室で待ち伏せるのか? なかなか帰らない。
まあ、ちょいちょい僕らが気配を出してしまってるから、ライドヒさんの方が正解なんだけど。
「気配が依ちゃんだったら、マジで隠れてるか、見えないトコで寢ってるか?」
ああ、こりゃ依が見つかるまで帰らないな。気配を消せなかった僕らも良くないや。
この「授室」の壁は薄い。そりゃ元「授室」。防音までする必要皆無だし。
依とコーラが外で話してた時、聲も気配も僕には伝わってた。
――――と、いう事は、中の僕らの聲も気配もれ出てしまうって事だ。
依が、もぞもぞといた。サマードレスのれの音がしてしまう。
(わたし、怖い夢を思い出しちゃった)
(だめだよ? 見つかるよ)
(聞いて。暖斗くんがMKでけなくなって、ここに怖い兵隊さんが來るの)
(ヤバイね)
(で、今みたいに探しに來て。わたしは暖斗くんを守るために「授室」をひとり出て)
(面目ない)
(ううんいいよ。わたしの判斷。‥‥だけど、外で怖い兵隊さんたちに尋問されるの。「あの部屋にパイロットがいるんだろう? 部屋を開けるキーベクトルを教えろ!」
(え? この部屋そんなセキュリティ? ただのカギじゃあ?)
(暖斗くんそこは夢だから。で、外で兵隊さんに痛いことされて、泣きそうになるんだけど、泣いたら暖斗くんに、わたしが尋問されてるのが伝わっちゃう! って必死に聲をがまんして)
(う‥‥‥‥! リアルな夢だね? それで?)
(おわり)
(え?)
(おわりよ。‥‥なんだかゼノス君にハシリュー村でいじめられたのと重なるし。‥‥怖いから目が覚めちゃったの。そこで)
ハシリュー、ゼノス‥‥‥‥。克服したとはいえ、僕もがチクリとする。
でも怖い夢だ。僕だったら、敵兵はもっと依にひどい事をするのを想像してしまう。依の夢は途中で終わってよかったよ。
MKでけないまま依の泣き聲だけ聞くとか、地獄だ。ぞっとする。
絶対に実現したらダメな夢だ。
と、ここで依が、この話を広げてきた。
おもいっっっぅっきり!! ぶっっっ飛んだ方向で!!
なんて言ったと思う? この子は!?
(ね? 夢とおんなじに、今からわたしだけ「授室」を出たら、ライドヒさんはわたしをどうするかな? 「醫プレイ」をするのかな? ね、暖斗くん)
※「來たよ。依さんはたまに暴走するんよ」と思った そこのアナタ!! そうです!!!
ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!
あなたのブックマーク登録、高評価が、私の創作の唯一のモチベです。
お願い致します!!
評価 ☆☆☆☆☆ を ★★★★★ に!!
↓ ↓ このCMの下です ↓↓
Twitterやってます。いぬうと @babyassault
【書籍化決定】美少女にTS転生したから大女優を目指す!
『HJ小説大賞2021前期』入賞作。 舊題:39歳のおっさんがTS逆行して人生をやり直す話 病に倒れて既に5年以上寢たきりで過ごしている松田圭史、彼は病床でこれまでの人生を後悔と共に振り返っていた。 自分がこうなったのは家族のせいだ、そして女性に生まれていたらもっと楽しい人生が待っていたはずなのに。 そう考えた瞬間、どこからともなく聲が聞こえて松田の意識は闇に飲まれる。 次に目が覚めた瞬間、彼は昔住んでいた懐かしいアパートの一室にいた。その姿を女児の赤ん坊に変えて。 タイトルの先頭に☆が付いている回には、読者の方から頂いた挿絵が掲載されています。不要な方は設定から表示しない様にしてください。 ※殘酷な描寫ありとR15は保険です。 ※月に1回程度の更新を目指します。 ※カクヨムでも連載しています。
8 93オバケYouTuber
會社をクビになった晴太郎が、生活の為に家賃の安い物件を探していると、1年間タダ!それ以降は2萬と言う、格安賃貸物件をネットで見つける。その物件には告知事項があり、若い女性が変死した訳あり物件だった。幽霊を信じていないし、怖いと思わない晴太郎は、訳あり物件に引っ越しするのだか、信じられない様な心霊現象が次々と起きて、、、
8 96地獄流し 〜連鎖の始まり編〜
“復讐”と言う名の”地獄流し”をしていると言われる不思議な少女”復魔 彩” 復讐に必要な道具…それは”憎しみ”と”怨み”と”地獄流し”…彼女に必要なのはこの3點セットのみ。 さあ、次は誰がターゲットかな?
8 189ゆびきたす
『私達は何処に心を置き去りにしていくのだろう』 高校生活二年目の夏休みの手前、私は先輩に誘われてレズビアン相手の援助交際サイトに書き込んだ。そこで初めて出會った相手は、私と同じ學校の女生徒だった。心の居場所を知らない私達の不器用な戀の話。
8 125明日流星群が見れるそうです。
綺麗な星の夜、どこかで謎の墜落事故があった。奇跡的に生き殘った彼女は、人間と言うにはあまりにも優しく、殘酷な生き物だった。 子供時代、心にとても深い傷を負った長崎安曇(ながさき あずみ)は彼女と出會って少しづつ前に進んでいく。
8 160コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!
ある日から不登校になってしまって家でゲームばかりしていた少女にゲームの運営からあるプレゼントが屆く。 「プレイ時間が一定數以上のプレイヤーの中で抽選してあなたが當選しました」 中には可愛いスキンとかわいい裝備しかも能力はどれも飛び抜けていた。 ついでに頼まれた変な質問が多いアンケートに答えていざログイン! ゲームのバグかそれとも………ってやっぱり私転生しちゃったの!? 私、何年も人と會話すらしてない、というかそもそもコミュ障だから人に話しかけられないんだけど!! 神様からもらったかわいい見た目と飛び抜けた能力の裝備があるから平気?ほんと? 確かに、せっかくつまらない現実じゃなくなったんだし!今までいなかった友達も欲しい!勇気、出してみようかな。そう思うとなんだかいけそうな気がしてきた!! 時には癒し?時にはピンチ!?いきなり異世界にとばされた少女がコミュ障ながらも色んな出會いをして沢山の人と仲良くなっていくお話です。 小説家になろうでも書いてます。
8 81