《Creation World Online》92話
バンッと扉を蹴り開ける。
中には倒れてうめき聲を上げているプレイヤーと、それを必死に回復しているプレイヤーがいた。
「な、何者_ぐあっ!」
回復をしているプレイヤーの1人がこちらに気がつくと、そうぶが俺達の奇襲によってすぐに無力化され、エンリベルの影に仕舞われる。
部屋のプレイヤー全てを制圧した俺達は、次の獲を探すべく部屋を出る。
瞬間、俺の危険察知に猛スピードでこちらに突っ込んでくる何かの反応を捉える。
それが到達する直前、グイッと後ろに思い切り引っ張られて俺は部屋の中に戻される。
俺とれ替わるようにエンリベルが部屋の外に出ると、途轍もない勢いで吹き飛んで、轟音を立てる。
その衝撃で、部屋の壁が吹き飛び廊下が丸見えになった。
「ふむ…。外したかや」
エンリベルがぶつかった位置、つまり部屋の外で筋骨隆々の男_威刃羅が首をポキポキと鳴らしながら、楽しそうにそう言っていた。
「さあ【鬼畜】よ。我と死合しあおうぞ」
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その時、崩れた瓦礫から闇の炎が威刃羅目掛けて放たれる。
威刃羅はそれを腕を橫に薙いだ衝撃で掻き消すと、炎が飛んで來た瓦礫の方角を睨む。
「脇役はとっとと退場せぬか!」
『ふん、その脇役すら倒せん雑魚がよく吠える…』
「よく言ってくれるではないか!ならば我の戯れに付き合ってもらうぞや!」
『格の違いを教えてやろう!』
威刃羅が好戦的に笑うと、一瞬でエンリベルとの距離を詰め、毆りかかる。
丸太のような剛腕の一撃をエンリベルは黒の盾を生み出して防ぐ。
盾と拳がぶつかり合うその衝撃で城の部は、廃墟と言っても過言ではないほどに崩壊していた。
「グファファ!楽しい、楽しいぞ!魔導士ィ!」
『我は全く楽しくないがな。拳士よ』
好戦的に笑う威刃羅とは対照的に、エンリベルは呆れたような聲を出す。
迫り來る拳をエンリベルは、いくつもの魔法を発して相殺していく。
「よーし!私も_にょあっ!」
魔法を放とうと構えたアンリの足元に、威刃羅が弾いた黒い雷が突き刺さる。
チッ、明らかに不利だな。向こうは気遣うものがなくて、こちらにはある。これは最早、厄介どころか弱點だろ。
現にエンリベルも戦いに集中できないでいるようで、こちらをチラチラと見ていた。
ここは一旦引くことにしよう。
「アンリ!一旦引く、ぞ?」
後ろを振り向いた俺の目の前にあったものは、ただの部屋だった。
いや、元々ただの部屋だったのだ。衝撃でボロボロになってはいるものの、全く裝は変わっていない。
しかし、そこにいるはずべき人の姿がどこにも見當たらないのだ。
「どこに行ったんだ…?」
なんの痕跡も殘さず、アンリが居なくなっていた。
フレンドコールもチャットも全くもって反応がない。
『主様!ここは我に任せてくれませんか!』
「…ッ!ああ!頼んだぞ!」
エンリベルの言葉に甘えて、俺はアンリを探すべく部屋を出て行ったのであった。
☆
「ほう?良いのか?」
『何がだ?ああ、心配するな貴様の相手は我1人で十分だと判斷したのだ』
「グファファ、その余裕、どこまで続くかな!?」
『何を勘違いしておるのか知らんが、貴様の力など我の足元にも及ばんぞ』
エンリベルのその言葉に、流石の威刃羅も頭にきたのか、その表を真面目なものへと変える。
「ふん!我を侮ればどうなるか教えてくれようぞ!そして【鬼畜】の前でその話をしてやろうぞ」
『そうか、是非とも頑張ってくれ。まあ、我の真の姿を見て正気を保っていられるといいな?』
「真の姿?」
威刃羅が言い終わるよりも早く、エンリベルは自のを貫き『魔核』を取り出すと、それを_握りつぶした。
溢れ出る膨大な魔力と、鳴り響くアラート音。
[個名:エンリベルの魔核再構…功。続いて、生に移ります]
そんなアナウンスが流れると、エンリベルの姿を黒い靄が覆い隠す。
しかし、それらの現象も一瞬で収まる。
黒い霧が晴れたそこには、3m程まで巨大化した姿、黒いザラザラした何かが侵食するようにそのを覆っていた。
エンリベルはその眼窩に燈した青紫の炎を自の手に向けると、掌を開いたり閉じたりして作確認をする。
『ふむ。悪くない』
「ふん、図はデカくなったみたいだが…実力はどうかや!」
威刃羅がそう言って、エンリベルに毆りかかる。
エンリベルは迫り來る拳に溜息混じりに軽くれ、け流すようにらせると、威刃羅のがエンリベルの後方に移する。
そして、威刃羅が片膝を地面に付く。その口と腹部からはが溢れていた。
「ふっ…やりおるな…!だが─っ!?」
『煩わしいぞ、小蝿が』
いつの間にか自の目の前で、その刃のように鋭い黒腕を振り下ろそうとしていたエンリベルから距離を取る。
振り下ろされた腕は、先程まで威刃羅が立っていた位置を見事に切り裂くとそこから亀裂が走る。
亀裂から黒い靄がゆらゆらと立ち上る。
「ふははは!中々やりおる!さあ、続けようぞ!」
『いや、これから先は我の仕事ではない』
エンリベルがそう言うと、亀裂から黒い骨の腕がずるりと出てくると、そこから黒い人骨型のモブ_ダークナイト・スケルトンが現れた。
しかも、1ではなく亀裂からどんどんと溢れ出てくる。
エンリベルはマントをバサリとはためかせると、こうぶ。
『さあ、我が従僕供!我が敵を喰らえ、そして貴様等の渇きを、飢えを潤すが良い!』
靜かに、しかし熱烈に、骨の従僕達は進む。
エンリベルはその様子を見て、眼窩の炎を僅かに揺らすのであった。
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