《ランダムビジョンオンライン》ウルフのクエスト

「クロススラッシュ!」

「グガァ……」

俺はクロススラッシュでオーガを斬り倒す。

「ふぅ……これで三十目か。目的のウルフはやっぱり見つからないけど、奧にはオークとオーガが出てくるんだな。おかげでレベルも上がったし、そろそろ宿に戻るか?」

あの後森の奧へ奧へと進んでいった俺は、ウルフには出會わなかったがオークとオーガに遭遇した。

オークとオーガは必ずトリオでうろついており…今倒したオーガも、オーガ二とオーク一のトリオだった。

レベル差もあり、俺のレベルは現在15まで上がっていた。

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ランワード・フリーダム:レベル15

HP:4800/4800

MP:1290/3600

力 :585

魔力:585

力:585

神:585

運 :750

パッシブスキル

疾風迅雷(ON)

烈火怒濤(ON)

半神の目(ON)

索敵スカウトレンジャー(ON)

覚醒(ON)

アクティブスキル

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創造

ファイアボール

ウインドカッター

職業

全闘士オールラウンダー

ボーナスポイント:95

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「でもなぁ……目的のウルフがまだ見つかってないし、もうし奧に行ってみるか」

現在時刻は13時30分。

宿には19時には帰りたいから、帰りの時間を考えると後2時間もうろつけないだろう。

しかし俺は時間を考えたうえで、もうしウルフを探してみることにした。

・・・

・・

「ウルフ発見! …だが、様子がおかしいぞ? ……オークとオーガを相手に戦っている? 何でだ?」

前方にはウルフとオークとオーガが一ずついて、ウルフがオークとオーガに向かっていっている。

「とりあえず…報を見てみよう」

俺は、ウルフたちを続けてロックする。

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モンスター:ウルフ

レベル:15

一般的な狼で、素早いきが特徴。

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モンスター:オーク

レベル:18

豚のモンスター。

知能は低いが、棒などの原始的な武を扱う。

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モンスター:オーガ

レベル:20

鬼型のモンスター。

人から奪った剣などを扱う。

オークを従えていることがある。

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「見たところ、別段変ったところはないが……? まぁいいや…とりあえず、レベルの高いオークとオーガを先に倒そう!」

そうと決めると、俺はオークとオーガに向かって突っ込んでいく。

「ウガァッ!」

「ガルゥッ!」

オークとオーガがこちらに気づき、咆哮を上げる。

「行くぜ! クロススラッシュ!」

走りながら「クロススラッシュ」を発させ、すれ違いざまに近くにいるオークを攻撃する。

「ガアァ……」

オークが倒れ、になって消える。

「ガルゥッ!」

オークを倒した俺をウルフより危険だと判斷したのか、オーガが俺に向かって攻撃してくる。

「おっと…危ない」

俺はそれをバックステップで避ける。

「お返しだ! クロススラッシュ!」

オーガの攻撃後の隙をついて近づき、斬りつける。

「ガアァ……」

オーガはになって消えた。

「さて、次は殘りのウルフを……「助かったぞ、年」は……?」

ウルフを倒そうと近づいた俺に、ウルフが話しかけてくる。

「今しゃべったのって、お前……?」

「その通りだ、年。いやぁ、若いのにやるではないか」

「うっそーん……モンスターがしゃべるなんて聞いてないぞ?」

「何をきょどっているのだ年? 我がしゃべるのがそんなにおかしいか?」

「いや、だってさ……モンスターでしょ、君?」

「その通りだが?」

「だったらおかしいでしょ……モンスターと會話できるなら、戦いにくくなるじゃん……?」

「?? ……確かに我はモンスターだが、今は冒険者との契約によりわが一族は森の守護者をしているのだが?」

「まぢで? ……さっきウルフリーダーを一匹倒しちゃったんだけど、もしかしてまずかった?」

「何!? その若さでウルフリーダーを倒した…だと!?」

「うん……倒しちゃった」

「ハハハハハッ! それは素晴らしい強さだな。むしろ良く勝てたとほめてやるぞ」

「そう? ……ならよかった」

「ふむ。……年よ、その力を我らに貸してはもらえないか?」

「どういう意味?」

「とりあえずついてきてくれ。我らの主にあわせたいのでな?」

「うーん。……まぁいいや、わかった」

「ではこちらだ……」

俺はウルフについて行った。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「よく來たな、年……」

された場所にいたのは、たくさんのウルフとウルフリーダーにかこまれた、とても大きな狼だった。

「でかいな……10メートルくらいあるんじゃないか?」

俺はその大きな狼に対して、鑑定を使ってみる。

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モンスター:フェンリル

巨大な知恵をもった狼。

神獣と呼ばれる存在の一であり、ウルフ系モンスターの長。

現在は森から街にモンスターが行かないように管理している。

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「フェン……リルって確か、北歐神話の存在だよな……? このゲームでは、そういう扱いなのか……」

「いかにも……私がフェンリルだ。ここにいるウルフたちの長などをさせてもらっている」

「それで? 俺の力を貸してほしいって言われたんだが……?」

「いかにも……。私たちでは対処しきれないほどのオークとオーガがこの森へとやってきたのだ。その討伐を手伝ってほしいのだ……」

「確かに。オークとオーガのレベルは、俺をここに案してくれたウルフよりも高かったからな……。そのうえ數でも劣っているなら、対処しきれないのもうなずける」

「そのとおりなのだ、年。どうか、私たちに力を貸してはくれまいか?」

「うーん……」

「このままでは、街に被害を出してしまう恐れがあるのだ。……年よ、このとおりだ……」

そう言うと、フェンリルは俺よりも大きいのにもかかわらず、俺より下に頭を下げる。

「報酬は何をくれるんだ? まぁ…街に被害を出さないためにも、協力するのはやぶさかじゃあない。…しかし、こういうときには何かをくれるのが普通だろ?」

ずうずうしいかもしれないが、これがクエストなのだとすると…報酬があるはずなのである。

「私たちの一族から一年の眷屬にしてもかまわない。……それではダメか?」

眷屬……だと?

「それはつまり、俺がモンスターテイマーになるってことか?」

「いや、違う。あくまでも眷屬だ。モンスターテイマーのような関係ではなく、完全なる従屬だ。主と奴隷のようなものだな……」

「主と奴隷……ね。それは誰でもいいのか?」

「かまわない。私たちの中から、一番しいものを選んでくれたまえ……」

一番しいもの…か。

それだったら……

「俺は…フェンリル、あんたを指名したい」

「私……だと?」

「あぁ、そうだ。俺はあんたがしい……」

「フハハハッ! そうか! 私がしいと申すか!」

「あぁ。かまわないだろ? あんたたちの一族の中から好きなのを選べと言ったんだから…さ?」

「うむ! おもしろい……いいだろう。私たちの願いを聞き屆けた暁には、この私自を確かにけ渡そう……」

「契約立だな?」

「あぁ! よろしく頼むぞ?」

「まかせておけ……」

俺は力強くうなずく。

『ポーン! クエスト「フェンリルの願い」が諾されました』

システム音聲が鳴り響き、クエストを諾したというメッセージが頭に響く。

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クエスト:フェンリルの願い

森にいるオークとオーガ、およびオークーガを全滅させる。

討伐數

オーク:0/100

オーガ:0/100

オークーガ:0/50

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「それで? いつまでに達すればいいんだ? 俺はこの後、一度街に戻って裝備を整えたいんだが?」

「なるべく早い方がいいが……全滅させてくれるのならば、何日かかってもかまわない。だがまぁ…私を眷屬にしたいのであれば、遅くとも三日以には全滅させて見せてほしいがな……?」

「なるほど、三日以だな? わかった」

「楽しみにさせてもらうぞ?」

「あぁ、楽しみにしておけ!」

そう宣言すると、俺は街に向かって歩き出した。

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