《ランダムビジョンオンライン》ひらけゴマ
「主マスター、主マスター。今日はどこに行くのですか?」
街から出たあたりで、ライトが行き先を聞いてきた。
「今日はね、上と繋がってるダンジョンに行くつもりだよ。今日は下見で、明日攻略するつもりだけどね?」
「上と繋がってるダンジョンということは……始まりの塔ですね?」
「あぁ…そんな名前なんだ。場所は知ってるけど、名前までは知らなかったよ」
「あそこにはボスがいますからね。始まりの塔と言っても…初めて挑むダンジョンとしては、不適切な気がするのですが?」
「だからこその今日の下見だよ。今の俺がどれくらい通用するのかを試したいんだ」
「なるほどなのです。……それでは、私はあまり手伝わない方がよろしいのでしょうか?」
「そうだね。今日は自分だけでやりたいかな? ……まぁ、危なくなったら助けてほしいけどね?」
「わかりましたなのです。危なくなったら・・・・・・・ですね?」
「よろしくね? ……んじゃ行こうか、初めてのダンジョンへ」
話しながら歩いた結果、見えてきた塔を指さし、笑いかける。
「はいなのですっ」
それに対し、ライトが元気よく返事をした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さて、目的地に著いたわけだけど……口はどこだ?」
塔の口らしき場所……扉のような絵が描かれた場所に著いた俺とライトだったが、開いておらず……口になりそうな場所もなかった。
「この塔ダンジョンの場制限は、たしかレベル90以上だったはずです。なにか鍵になるようなものは……見當たらないですね。どういうことでしょう?」
塔の外側を一周してみたが、これといった裝置らしきものも見つからない。
途方に暮れた俺は、最初の場所に戻ってきてみた。
「たぶんここが口だと思うんだけどなぁ……」
ここに描かれている扉の絵を見る限り、ここで何らかのアクションをすればれるようになるはずなのだが…………
「ひらけゴマッ! ……つっても、やっぱり開かないよなぁ……はぁ」
「街に戻って聞き込みしてみますか? 主マスター?」
「いや、ここは先達を頼ってみようと思う」
「先達……ですか?主マスターのお知り合いの方でしょうか?」
「俺のいとこでな、攻略最前線にいるはずのやつがいるから、そいつに聞いてみようと思う」
「攻略最前線……ですか?」
「そうそう。確か今は……何階だっけな? 忘れたけど、とにかく聞いてみるよ」
「わかりましたなのですっ」
「んじゃちょっと待っててくれよ? ……呼び出しコール桜狐さくらこ」
プルルル……プルルル……プルルル……
知り合いに直接電話をかけるように、システムを使って桜狐を呼んでみる。
プルルル……プルルル……プルルル……ガチャ
「おっ、つながったか……桜狐、聞こえる?」
『お久しぶりですね、兄様にいさま。何のご用でしょうか?』
「今始まりの塔の前にいるんだけど、口らしきものが見當たらないんだよ。どうなってるんだ?」
『始まりの塔……ということは兄様、ようやくキャラクタを決められたのですね?』
「そゆこと。まぁ、まだ始めてから數日なんだけどね」
『そうですか。どのようなキャラクタにしたのですか?』
「それは追いついてからのお楽しみってことで」
『もったいぶりますね……まぁいいです。楽しみにさせていただきますね?』
「おう。……んで、始まりの塔の開き方なんだが……」
『普通に扉の絵に手を當てて、ひらけゴマと念じるだけですよ?』
「マジで!? ってことは、俺の行は惜しいところだったのか……」
『惜しいとは? 手を當てただけとかですか?』
「いや、扉の絵の前で「ひらけゴマ」って言ってみたんだよ」
『なるほど……バカみたいですね(笑)』
「おいっ、わざわざかっこ笑いとか言う必要はねぇだろう?」
『失禮しました。それで? 用事はそれだけですか?』
「用事はな? ……まぁ、久しぶりに聲が聞きたかったってのもあるんだがな?」
『そうですか。……では兄様、また今度。早く追いついてきて下さいね?』
「わかってるよ。今何階なんだ?」
『現在は35階の助けの塔2ですよ。パーティーで挑むとボーナスがるんですよ』
「へぇ、そうなんだ。んじゃ三ヶ月以にはたどり著きたいかな?」
『三ヶ月ですか……これは大きく出ましたね。ホラ吹きにならないで下さいよ?』
「大丈夫だよ。俺は最強だからな……」
『そうですか。……それでは、こちらも忙しいのでそろそろ切りますね? それでは』
「あぁ、またな」
ガチャン
話を置いたような効果音とともに、通話が切れる。
「り方がわかったよ。早速ろうぜ?」
「はい、主マスター」
「んじゃ、扉の絵に手を當てて……「ひらけゴマ」」
ゴゴゴゴ……という音を立て、扉の絵が実際の扉となって開く。
「よし、行こう。とりあえず今日の目標は、ボス部屋までのマッピングだな」
口から中にり、システムからマッピングをひらいてみる。
すると、
「了解しました主マスター。マッピングを行いますね?」
ライトがいつの間にかマッピングツールをもっていた。
「できるのか!? ……なら、よろしく頼むぞ?」
「任せてください」
俺はライトにマッピングをまかせ、周囲の警戒に集中することにする。
「それじゃ、楽しい探検の始まりだっ!」
「レッツゴー! なのですっ」
俺とライトの始めてのダンジョン探索が幕を開けた。
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