《ランダムビジョンオンライン》主従ではなく家族として
「おっそいなぁ……」
あれから10分ほど待ってみたのだが、ライトが現れる様子がない。
通信もかかってこないし、どうしたのだろうか?
「しゃーない、こっちからかけてみるか……」
プルルルル、プルルルル、プルルルル……ガチャ
『このエリアは通信不可エリアとなっております。通信をするためには、扉を開いて外に出る必要がございます。お手數ですが、一度外に出るようお願い申し上げます……』
しばらく待つと、そのようなシステムメッセージが流れてきた。
「まじか、なら一度戻ってみるか……? ってかよく考えたら、さっきも戦わないで一度エレベーターを調べてみればよかったんじゃ……?」
今さら気づく、衝撃の事実である。
「ってことで、エレベーターはっと……」
エレベーターの前に來ると、エレベーターのし右に下行きのボタンが表示されており、押してくださいとというメッセージが表示されていた。
おそらくはこれを押せば下行きのエレベーターがやってくるのだろう。
「ってことで、さっそくぽちっとな」
俺はエレベーターのボタンを押す。
ブーンブーンブーン、ピンポーン
來た時よりも短い時間でエレベーターが到著する。
中に何もっていないからだろうか?
「とりあえず中にろう……うわっと」
俺が中にると、いきなりエレベータがき出した。
「來た時と同じかよっ! びっくりするだろうが!!」
このエレベーターがき出す理屈がわからないため、いきなりき出すのは心臓に悪い。
ブーンブーンブーンブーンブーン、チーン
來た時と同じくらいの速度で下まで到著する。
「主マスター!!!」
扉が開いた瞬間、こちらに気が付いたライトが飛び込んでくる。
「ど、どうしたんだよライト? そんなに泣きじゃくって……」
俺に抱きついてきたライトの顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
「ま、ますたぁ……うぅ」
いままでずっと泣いていたのか、その聲はしかれている。
「主マスターがエレベーターにとり込まれたと思ったら、呼び出しコールも通じなくなって……あちらの表示でいちばん上で止まったとわかったので、もしボスと戦っていたとしたら……今の主マスターでは準備不足が過ぎます。もし負けてしまって死んでしまったらと考えたら……とても不安になったんです」
「あぁー、なるほど。確かに準備不足だったよ? でも……こうして生きてるんだから、大丈夫だよ。俺は死なないって!」
「主マスター……」
「君が信じた俺は……君が信じてくれている限り俺は、絶対に死なないよ!!」
「はいっ、はいっ!!主マスター!!」
「よしっ、それじゃあ涙を拭いて? 上に行こう……っとその前に、試したいことがあるんだ」
「試したいこと……ですか?」
「うん。ライトと俺で、パーティーを組めないかと思ってね?」
「よろしいのですか? レベル差の関係で、経験値が全然らないようになってしまうではないのですか?」
「確かにそうなんだけど……パーティーを組んでいたら、パーティーの専用通話ができるだろ? それに、このエレベーターはパーティー用なんじゃないかと思ってね……」
「……なるほど、確かにその可能はありますね。では早速、申請していただけますか?」
「あぁ」
俺はシステムから、パーティーの申請をライトに送る。
「諾しました。改めまして、よろしくお願いしますね? 主マスター」
「そこなんだがな……俺は考えていたんだよずっと、お前の名前をさ? それで……今朝思いついたから、今日の夜にでも宿屋でやろうと思ってたんだが……ちょうどいい、今ここでやりたいと思う」
「何をですか……?」
「お前の名付けと、これからの在り方についてだよ」
「??」
「まずは名前からだ。俺がお前に名付ける名前……それは「ヒカリ・フリーダム」だ!!」
「ヒカリ……フリーダム? マ、主マスター……それは、主マスターのファミリーネームでは?」
「そうだよ? これから俺とお前は家族になるんだ!!」
「家族……ですか?」
「そうだ、家族だ。俺は半神に転生したし、この世界では家族と呼べるものはいない。だから、俺についていきたいと言ってくれたお前に……俺のことを慕ってくれて、しく思えるお前に、家族になってほしいんだ……」
「主マスター……」
「そういう意味を込めて、お前に俺のファミリーネームを與える。これからは主従じゃなく、家族として共に生きてくれ!!」
「……わ、わかりました。謹んで拝命いたします、我が主マイマスター……」
「その呼び方も変えてもらう。俺の名前はランワードだ。だからこれからは、家族として……「ラン」って呼んでくれないか?」
「「ラン」……ですか? 主マスター?」
「そうだ。マスターじゃなくて、ただの「ラン」だ」
「わ、わかりました。ます……ラン様」
「様もいらないぞ?」
「いいえ、家族としてくれた事はとてもうれしいです。……ですが、私が主マスターを思う気持ちに変わりはありません。……なので、呼び捨てはできません。ラン様と呼ばせてください。お願いします……」
「しゃーないか……わかった。それでいいよ。これからもよろしくな? ヒカリ?」
「はい、ラン様。末長く、よろしくお願いいたします……」
「んじゃ行くか?」
「はいっ!ラン様!!」
パーティーを組み、名付けを行い、家族として絆を深めた俺たちは、エレベーターへと乗り込んだ。
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