《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》09.二人でクエスト
シアンの巣を造り終えた僕は今、モモ・シアンと共にクエストをするためにクエスト注場所にてクエストを選んでいるところだ。
「どれが良いかな」
「リュウさん、リュウさん、これはどうですか?」
そう言ってモモが持ってきたのは、『ドラゴンの居住地にある窟にて採取される【ドラゴニッククリスタル】を採取せよ』というクエストだった。
因みに報酬は、採ってきた【ドラゴニッククリスタル】だ。
「リュウさんなら攻撃されることなく採取出來ると思います」
「キュキュ!」
モモとシアンに出來ると言われたので「じゃあ、これにしようか」と答え、注してドラゴンの居住地に向かうことになった。
ドラゴンの居住地は、【始まりの広場】がある街から北へ數キロメートル行ったところに山があり、その頂上付近に在る。
道のりの長いのなんのって、ゲームだから疲れないけど、現実だったら數キロメートル歩いただけで疲れるのにその上山登りしなきゃいけないとか……これがゲームで良かったとしか言えないよね……。
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そんなこんなで頂上付近に辿り著いた僕達の目の前に、大きいドラゴンが立ちはだかった。
《お前達ここへ何をしに來た》
あっ、喋るんだ! と心の中で思いつつ端的に答えた。
「【ドラゴニッククリスタル】を採取したいと思ってここに來たんだけど」
僕がそう言うと、大きなドラゴンが顔を近づけてきた。
《ダメだ! ここは人間が立ちることをじている。帰れ》
まあ、そういうことなら仕方ないか。そう思い踵を返して帰ろうとした時、肩に居るシアンが止めてきた。
「キュキュ!」
「ん? 任せろって?」
「キュ!!」
「じゃあ、任せた」
シアンが、自信満々に任せろと言ってきたので任せることにした。
「キュキュ、キュ!!」
《な、何故あなた様が……龍王ドラゴンキングたるあなた様が何故こんなところに……!》
「キュ、キュキュ!」
《なっ、この者があなた様の主人ですと!? バカな、我々ドラゴンのテイムは難しいはず……にもかかわらず、その中でも一番難しい龍王ドラゴンキングでテイムをし遂げるとは……》
「キュキュ!!」
《なるほど、確かにこの者からは何か惹かれるものをじますな》
「キュ!!」
《わかりました。採取することを許しましょう》
おっ、シアンのおで採取出來るみたいだ。さすがシアン、龍王ドラゴンキングなだけあるな。今の今まで微妙に忘れてたけど……。
「キュキュ!」
「うん、ありがとな」
「ありがとう、シアン」
「キュ!」
「さて、許可も下りたことだし早速採掘に行こう……えっ!?」
奧の窟へ行こうとしたその時、窟から小さい、子どもと思われるドラゴンが數匹出てきて僕目掛けて飛んできたため、僕は驚いた。
飛んできた子どもと思われるドラゴン達が僕に突っ込んで來て、突進かまされて仰向けに倒れた。あっ、HPちょっと減っちゃった……。
「リュウさん、大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫、大丈夫。ああビックリした……」
そう言ってから僕が起き上がっても、突進してきたドラゴン達は必死にしがみついて離れようとしなかった。
「えっと、歩きにくいから離れてくれないかな」
僕がそう言ってもドラゴン達は離れようとしなかった。そこへシアンが僕の肩から一鳴きすると、ドラゴン達が離れてくれた。
「ありがとう、シアン」
「キュ!!」
シアンのおでドラゴン達が離れ、歩きやすくなった僕は、モモ・シアンと共に窟へと足を踏みれた。
◆◇◆◇◆
窟の中は意外と広く、あの大きなドラゴンでもれるくらいの広さだった。
奧へ奧へと進んでいくと、3つの分かれ道があった。マジか、これはどっちへ行ったら良いんだ?
「リュウさん、どっちへ行ったら良いんでしょうか?」
「いや、僕に聞かれても分からないよ」
「キュ! キュ!」
「えっ? 真ん中?」
「キュ!!」
「そう言えば、ドラゴンを連れていくと簡単だって、聞いたこと有ります!」
「ドラゴンには何かじ取れるってことなのかな?」
「キュ!!」
「そっか、じゃあシアン、頼むぞ?」
「キュキュ!!」
シアンを信じ、取り敢えず真ん中の道を通って奧へと進んだ。
奧へ進むとやたら広い空間に出た。そして地面には銀にる石のようなものがたくさん、地面から顔を出すように有った。
「これが【ドラゴニッククリスタル】?」
「そうです。これが【ドラゴニッククリスタル】です」
それならと、早速採掘に取り掛かろうと【ドラゴニッククリスタル】の傍に行きしゃがむと、モモがとんでもないことを言ってきた。
「あ、その【ドラゴニッククリスタル】はドラゴンの死から出來てるんですよ」
「なにそれ、採って行き辛いんだけど!?」
「でも頑丈なので剣を作れば折れることは無いらしいですから、採っておいて損は無いですよ?」
「損得の問題じゃないよね!? これ死者への冒涜とかにならない? いや、絶対なるよね?」
「でも採って帰らないとクエストクリアにならないですよ?」
「分かってるけど……。まあ、仕方ないか……」
僕は諦めて採掘に取り掛かった。道は持ってないから、道で掘らないだけマシだと思いたい。
素手で掘り、一つ長さ30センチメートル太さ10センチメートルのものを10個採ってアイテム欄にれた後、僕達は來た道を戻った。
窟の外に出ると、先程の大きなドラゴンと突進してきたドラゴン達が待っていた。
《お主、名前は?》
「リュウです」
《リュウか、覚えておこう》
よく分からないけど、名前を覚えてもらった。
それから僕達は山を下り、數キロメートル歩いて街へと戻ってクエスト注場所へ行き、【ドラゴニッククリスタル】を付で見せるとクエストクリアとなった。
「そう言えばリュウさん、HPし減ってるので回復しますね」
モモがそう言って「『回復ヒール』」と唱えると、僕のHPが満タンになった。
「モモがプリーストで良かった。回復ポーション持ってるけど、使わないに越したことは無いからね。回復してくれてありがとう」
「いえ、どういたしまして」
「そうだ、鍛治屋に行っても良いかな?」
「リュウさんが行きたい場所ならどこへでも行きます!」
「えっ、あ、ありがとう。じゃあ、行こうか」
「はい!」
「キュ!!」
ビックリした。まさかそんなこと言われるとは思わなかった。
でも、嬉しいので問題なし。
◆◇◆◇◆
鍛冶屋に行くことを決めた僕達は、以前僕がコバルトを売った鍛冶師のコラソさんの鍛冶屋に向かった。
コラソさんの鍛冶屋に著き、中にるとコラソさんは作業中のようだった。
「コラソさん!」
「ん? ああ、リュウか! ちょっと待っててくれ、すぐ終わるからよ」
「あ、はい!」
コラソさんに言われて待つこと10分、コラソさんが作業を終えてこちらに來た。
「今日はどうしたんだ? そんな可い子連れて。妹か?」
「違います、私はリュウさんの彼です!」
「ああ、悪い悪い……って彼!? リュウ、お前彼居たのか!?」
「今日できたばかりですけど……」
「そうなのか……リア充発しろ!」
「「えっ!?」」
「と、何時もの俺なら言うんだが、リュウには発してほしくないな」
「は、はぁ……」
「ま、要するに頑張れってことだ!」
「あ、はい」
「それで、今日はなんの用で來たんだ?」
「これで剣を作ってほしくて」
僕がそう言いながら【ドラゴニッククリスタル】を出して見せると、コラソさんは目を丸くして驚いた。
「おまっ、これ、【ドラゴニッククリスタル】じゃねえか!? 採ってきたのか?」
「はい、クエストで採って來ました」
「マジかよ……これ採るの難しいんだぞ? 最強種のドラゴンに阻まれる難しいクエストをクリアしたってのか?」
「したからこうしてここに有るんじゃないですか。まあ、クリア出來たのは肩のこいつのおですけど」
「キュキュ!」
「そう言やお前、ドラゴンをテイムしたんだったな。ソーキから聞いたぜ」
「ソーキさん達はテイム功したんですか?」
「ああ、リュウのおで功したと報告に來たぜ」
「じゃあこれ、ソーキさん達に渡して貰えますか?」
「ああ、巣用の木材な。分かった、來たときに渡しとく」
「お願いします」
「じゃあ今度はリュウの剣の話に移るか。どんな剣が良い?」
「う~ん、やっぱりこういう剣より刀の方がしっくりくるんですけど、出來ますか?」
「刀か……難しいが、材料がこんだけ有れば作れない事はないぜ」
「じゃあお願いします」
「おう、任せとけ。出來たときの連絡のためにフレンド登録してくれねえか?」
「あ、はい、良いですよ」
コラソさんとのフレンド登録を済ませ、刀作を依頼した僕はモモ・シアンと共に次のクエストを探すため再びクエスト注場所へ向かった。
クエスト注場所に著いた僕達は、再びクエストを探していた。
「今度はなんのクエストをしようかな?」
「リュウさん、リュウさん、これはどうですか?」
なんかデジャヴ……。そうじつつモモが持ってきたクエストを見てみると、『コバルトスパイダーを討伐せよ』というクエストだった。
あ、これ、前に見つけたけど、レベルが上がりすぎるからっていう自分勝手な理由付けてやらなかったやつだ。
まあ、モモが持ってきたやつだしやるか……。そう思った僕はモモが持ってきたクエストを付に持っていき注した。
そして僕達は、モモにとって2度目、僕にとって3度目の【英雄の臺地】に行くことになった。
【書籍化】捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜國の王太子からの溺愛が待っていました
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