《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》18.二度目の【ベア種の森】

フレンド登録をしたクロスさん含め、ビーストマンだけのグループ7人と【ベア種の森】へ向かった。

道中のクロスさんとのお喋りは、結構勉強になるものだった。

「へぇ、明日から始まるイベントのレイドボスの名前『ヤマタノオロチ』なんですか、知らなかったです。というか名前、なんの捻りもないんですね」

「まぁそこはれなくて良いかられるな。それよりもだ。『ヤマタノオロチ』は、前に一回レイドボスとして試験目的で出されたんだが、その時はマクロっつうプレイヤーとそのギルドメンバーがあっさりと倒しちまったから、今回はその時よりも強くなってるかもな」

またお前か……! どんだけこのゲームガチったんだよ……!

僕はし表を引き攣らせつつも、マクロの名前が出たことはスルーして、『ヤマタノオロチ』がしてくる攻撃が何なのか聞いてみた。

「へ、へぇ、そうなんですか。それで、『ヤマタノオロチ』って、前回はどんな攻撃をしてたんですか?」

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「頭毎ごとに違ったな。炎ブレス、毒の霧ブレス、雷ブレス、氷ブレス、棘ブレス、レーザーブレス、で、殘り二つは防と回復だな」

そうクロスさんが指折り數えながら教えてくれた。でも、一つ疑問があったので聞いてみた。

「回復は分かるんですけど、防はどうやって?」

「電気を発してこっちの矢とか魔法とか打ち消すんだよ。しかもそのせいで近接のプレイヤーは近づけないんだよな」

「それなのに、よくマクロっていうプレイヤーとギルドメンバー、『ヤマタノオロチ』を倒せましたね」

「あいつらガチ勢だからポーションを全種類持ってたらしくそれでごり押ししてたな」

なんか、凄さが一気に下がった気がする……。

僕が喋ろうとすると、クロスさんがまだ続きが有ったらしく先に喋りだした。

「まぁごり押しと言っても『ヤマタノオロチ』が防してる時だけで、攻撃してきた時はちゃんと避けてたぞ。そんで、攻撃が當たっちまって狀態異常になったらポーション使うってじだったな」

あ、なんだ、そうなのか。それならマクロ達は凄いな。

「ところで、狀態異常ってどんなじなんですか?」

「毒・火傷・麻痺・凍傷の四つだな。毒は喰らうと5秒毎ごとにHPが200ずつが二分間、火傷は5秒毎に250ずつが一分間減るのが続く。麻痺・凍傷は一分間けなくなる」

「結構キツいじですね」

「だが、『ヒーラーベア』が居ればHPの問題は、無いに等しいぞ。『ヒーラーベア』はHPの減り合、レベルに関係なく満タンに回復してくれるからな」

「だから『ヒーラーベア』の數が10匹しか居ないんですよね」

そう僕が言うと、クロスさんはその通りとばかりに頷いた。

そんなやり取りをして気づくと、【ベア種の森】に著いていた。

早速森の中へとって奧へ向かって歩いていると、見知った顔の人達が奧からトボトボと歩いてきた。噂をすればなんとやらだ。

しばらくすると、向こうが僕に気づいたようで走って向かってきた。

「リュウじゃん。なんでこんなところに居んの?」

「この人達に『ヒーラーベア』をテイムさせてあげようかと思って。マクロこそ、なんでここに居んの?」

「俺達も『ヒーラーベア』をテイムしようと思ってきてたんだけど、全く見つからないから諦めて帰るところ」

「ふーん」

「反応薄ッ!?」

「いや、だって他に言うこと無いし」

「まあ、良いけど。良いよな、お前は。に好かれる質だから『ヒーラーベア』自ら出てくるんだもんな。その質俺にくれよ」

「だから、科學的に無理だって!」

「そんなのは分かってる。でも、そう言いたくなるぐらい見つからないんだぞ? 『ヒーラーベア』」

凄く沈んだ表でマクロがそう言った。そんなこと言われても、自分から出てきてくれたんだから仕方ないでしょ。

マクロの後ろに居る3人も浮かない顔をしている。どんだけ探し回ったんだ……。

「ど、ドンマイ?」

「お前に言われたくないわ!」

「でしょうね……」

そんなやり取りをしていると、クロスさんが僕の肩を叩いた。

「どうしたんですか?」

「あそこ……!」

そうクロスさんが前方を指しながら小さい聲で言った。僕は、あそこ? と思いながらクロスさんが指した方を見てた。すると、『ヒーラーベア』が2匹、こちらの様子を木のから窺っていた。

なッ!? 可い……! ……って、見とれてる場合じゃない!

僕はブランを地面に座らせた後、2匹においでおいでをしてみた。すると、2匹とも僕目掛けて走ってきた。

や、ヤバイ……! 超可い……! 産まれてそんなに経ってないのかは分からないけど、トテトテとして蛇行しながら走ってくるところがくるしくてヤバイ。ブランとは違う可さがある。

そんな2匹の『ヒーラーベア』が僕の所まで來ると、座って一鳴きした。むむ、それは、でてくれということかな? そう思って2匹の頭をでてやると、2匹とも気持ち良さそうに目を細めた。

「なあ、リュウ? なんで都合よく2匹出てくるんだ?」

「いやそんなこと聞かれても、僕にも分かんないよ。でも、2匹出てきたんだからどちらともテイム出來るよね?」

「まあそうなんだけど……なんか、不思議だな」

「そうだね、不思議だね」

僕的には結果オーライだから、その辺は追及しないでもらいたいかな。

それから、マクロとクロスさんが代表して『ヒーラーベア』をテイムして、無事テイム出來たので街へ戻ることになったので、街への帰路についた。

帰り道、マクロとクロスさんの両方から質問された。

まず、マクロに質問された。

「なんでこんな人達と一緒に居るんだ?」

「なんかちやほやされたいのと、テイム羨ましいって言うから、じゃあ『ヒーラーベア』テイムしに行きますか? って提案したら、行くことになった」

「ふーん、そっか」

マクロの質問に答え終わると、今度はクロスさんが質問してきた。

「お前、マクロと知り合いだったのか?」

「あ、はい。マクロというか、全員、現実での知り合いです」

「そうか」

クロスさんの質問に答え終わると、マクロがお禮を言ってきた。

「なんにせよ、『ヒーラーベア』をテイム出來たのはリュウのおだ。ありがとう」

それに続いて他の3人もお禮を言ってきた。

そしてその後、クロスさん達にもお禮を言われた。

僕は何もしてない(?)から、お禮なんて要らないと言うと、僕の質のおだからだと指摘された。確かにその通りだけど、実質何もしてないに等しいからお禮を言われる筋合いはない……と思う。

そんなこんなで街に戻ってきた僕は、マクロ達・クロスさん達と別れて、散歩の続きをすることにした。

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