《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》19.初めてのゲーム商店街と思いきや

散歩を再開した僕は、この街に商店街が有るのを思い出したので、行ってみることにした。

商店街がある方へ歩いていくと、現実と同じようなり口が有り、商店街の名前が書かれた看板が飾ってあった。

看板には、『TPO商店街』と書いてあった。まあ、このゲームの名前と一緒にするのがベターだから、有りだと思う。

『TPO商店街』には、ポーション屋・防屋・武屋・餌屋等が軒を連ねている。

餌屋が有ったことに一番驚いた。だって、シアンとブランにまだ何も食べあげてなかったんだもの……。本當、シアンとブランには申し訳ない……。

テイム後のモンスターは、一定時間毎に餌を與えないと機嫌を損ねてクエスト等で戦ってくれなくなる。というのを、超今更ながら思い出した。

「ごめん、シアン、ブラン。今まで餌食べさせてあげなくて……」

「キュ?」

「クゥ?」

僕が謝ると、シアンとブランは首を傾げながら「なんの事?」と言いたげな鳴き聲を出した。

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あれ? 2匹ともなんの事か分かってないご様子なんですけど、どういう事? まさか、餌が要らないとかそんなことは無いよね?

それはさすがに無いよね? だって、そこまでいったらもうチートと言うよりバグだよ。バグモンスターだよ。

一応聞いてみるか……。

「もしかして、お腹空かなかったりする?」

「キュ!」

「クゥ!」

あちゃあ、マジか……。通りで今までご飯くれって催促されなかった訳だ。これは、チートモンスターと言わざるを得ないね。いや、バグモンスターだね。

あれか、2匹とも王だからか。エネルギー源がなんなのか分からないけど、そういうことなのかも。いやまあ、これは推測だから、僕の知識では、今はそれしか思い浮かばない。今度、ハヤトにでも聞いてみよう。

そんな2匹をテイムしてしまった僕は、やっぱりチーターと呼ばれるのかな? あだ名は、最近全然呼ばれてないけど、牛若丸で充分なんだけどなぁ……。

そんなことを思いつつ商店街を歩いていると、またマクロ達に會った。

「あれ? マクロじゃん。また會ったね」

「お、そうだな。ところでリュウは、ここに何しに來たんだ?」

「何も? ただの散歩だよ」

「ふーん」

「そっちは明日から始まるイベントに向けての準備?」

「よく分かったな。その通りだ」

「そう言えばクロスさんから聞いたんだけど、今回のレイドボスの『ヤマタノオロチ』って、前に一回出てきたんだよね?」

「そうだけど?」

「それで、その『ヤマタノオロチ』をマクロ達があっさり倒したってのも聞いたんだけど」

「そ、その通りだけど、それがどうかしたか?」

「いや別に? 聞いてみただけ。えっ、もしかして、何かやましい事でも有るの?」

「ね、無ぇよ!?」

明らかに揺してますがな。有るって言ってるようなものだよ? まあ、詮索はしないでおくけど。

「ふーん、なら良いけど。それより、何を買いに來てたの? やっぱりポーション?」

「ギクッ!?」

「えっ? 何?」

ギクッって言葉で発する人、初めて見た。それよりも、ポーションに何か有るんだろうか?

マクロの後ろに居る3人も、どこか焦った表をしている。

「い、いや? 別に? なんでも無ぇよ?」

「そうそう、なんも無いって! なぁ?」

「當たり前だろ!」

「うんうん、何も無いよ? そう、何も……。それに、買いに來たのはポーションじゃなくて、『ヒーラーベア』用の餌だから……」

將人の目が超泳いでて、凄く怪しいんだけど……。そこまで怪しいと、詮索したくなる。

「ふーん、そっか。ポーションでごり押しして『ヤマタノオロチ』を倒したって聞いたから、てっきりポーションを買いに來たのかと……」

「「「「ギクッ!?」」」」

僕の言葉に今度は全員が一斉にギクッという言葉を発した。まさか全員が「ギクッ!?」と言葉で発するとは思わなかった。

もしかして、ポーションでのごり押しは何らかの目的が有ったのかな? そう思った僕は、単刀直に聞いてみた。

「もしかして、ごり押ししたのは何か目的が有ったの?」

「そ、それは、その、だな……。あの時、一番早く倒したギルドには運営から公式プレイヤーの稱號が贈られたんだ」

「それでポーション使ってごり押ししたんだ」

「他の幾つかのギルドもやってたけど、俺達は當時もレベルが高かった事もあって一番早く倒せたんだよな」

「當時のレベルってどのくらいだった?」

「えーっと、確か、70は超えてたはず……」

だから、どんだけこのゲームガチったんだよ……!

「じゃあ、今のレベルは?」

「俺は92だな」

「俺は89」

「俺は90」

「僕も90」

僕が聞くと、マクロ→奏樹→→將人の順で答えた。お巡りさんこっちです! 本のガチ勢です! ここに本のガチ勢が居ます!

というか、今さらだけど、マクロ以外の3人のプレイヤー名聞いてないな……。ちょうど良いから聞いておこう。

「へ、へぇ、そうなんだ、全員レベル高いんだね……。ところで、今さらなんだけど、マクロ以外のプレイヤー名って、何?」

「そう言えば、言ってなかったな。俺はカナデ」

「俺はクリア」

「僕はなんの捻りもない、カタカナのマサト」

「カナデとマサトは分かるけど、クリアってどういうこと?」

「俺の名前だろ?」

「うん」

にはき通るって意味もあるだろ?」

「あるね」

き通るって英語で?」

「クリスタルクリアだったかな……あっ、なるほど……」

「つまりそういうことだ」

なんだ、そういうことね。納得。プレイヤー名を聞いたところで、話を『ヤマタノオロチ』の件についての話に戻して。

「ところでさ、なんで公式プレイヤーの稱號がしかったの? 別に普通にプレイしてれば良いじゃん」

「その稱號があると、まだ追加されてない新要素のテストプレイが出來んだよ」

「あっそう」

「なんでそんな反応!? 誰よりも早く新要素がプレイ出來るんだぞ? しかも、意見言ったら反映されるんだぞ?」

「だって、こっちにはその運営のトップの曹司が居るから何か有ったら報告してくれるだろうし。それに、テストプレイ出來なくても、僕的には追加されてからプレイすれば良いからテストプレイは出來なくても良いかな」

「そう言えばそうだったな。でもこれは、俺等にとっては三度の飯より大切な事なんだ」

そうマクロが偉そうに言ったのがしムカついたので、僕はマクロにこう言った。

「何言ってんの? マクロの三度の飯より大切なものは、もちろん勉強でしょ?」

「グハッ!?」

僕の言葉にマクロは、を押さえながら地面に崩れ落ちた。そんなマクロに、他の3人が追い討ちを掛けた。

「まあ確かに、マクロは勉強頑張った方が良いかもな」

「何時も績最下位だもんな」

「僕達は平均取れてるからまだ大丈夫だけど、マクロ君は赤點ギリギリだもんね」

「お前らまで!?」

さらに神的ダメージを負ったマクロの目には、し涙が出てきていた。そんな狀態にもかかわらず、僕は思った事を口にした。

ただ、あまり大聲で言うのもアレなので、呟く程度の大きさで言った。

「ゲームでは一番でも、績が最下位じゃトッププレイヤーもクソも無いよね」

結構ちっさめに言ったつもりだったのに、マクロにはバッチリ聞こえていたようで、怒られた。

「リュウ、てめェ……! それは嫌味か!? 何時も學年トップの績が取れるのを自慢してんのか!?」

マクロがそんなことを結構な大聲で言うのものだから、周りの人達が「なんだなんだ、どうした!?」とばかりにこちらを見てきた。

しかも、歩いていた人達まで立ち止まって訝しげにこちらを見てきてしまったので、慌てて僕が「すみません、なんでも無いです!」と言うと、立ち止まっていた人達が去っていき、視線も無くなった。

「あんま大きい聲出さないでよ、周りの人の迷だよ?」

「どの口が言うんだ、どの口が! お前があんなこと言うからだろ!?」

「そんなに気にしてるなら勉強して上位にれば良い話でしょ? 頑張れ!」

「それが出來たら苦労しねえよ……」

「何言ってんの? 僕だって、最初からトップだった訳じゃないよ? 毎日コツコツ勉強した結果、學年トップにまで登り詰めたってだけで。マクロだって、このゲームで最初からトッププレイヤーだった訳じゃないでしょ? 努力した結果トッププレイヤーになったんだから、それを勉強でするだけだよ」

「おぉ……! なんか、それ聞いたらなんかやる気出てきた! リュウ、明日から毎日學校で勉強教えてくれよ!」

「良いけど、三日坊主はやめてよ? せめて今年一年、卒業するまで続けてね」

「おう、わかってる!」

本當に分かってるんだろうか……。マクロの格的に、三日坊主とまではいかなくても最初の一週間だけ本気でやって、なんかやった気になってやる気無くしそうなんだけど……。

まあ、その時は何か罰を與えて強制的に勉強だけに意識が向くようにすれば良いか。

今思ったけど、商店街でなんの話をしてんだろう、僕達……。話を変えないと。

「話は変わるっていうか戻るけど、今回のイベントでは、一番早く倒したギルドに贈られるものって有るの?」

「確か、【オリハルコン】の防一式だったかな?」

「それで合ってる」

「【ドラニッククリスタル】よりくて丈夫なんだぜ?」

「へぇ……じゃあ、今回もごり押しするの? 『ヒーラーベア』を使って」

「ま、まあ、そうなるかもな……」

「ふーん、頑張ってね」

「何も言わないのか?」

「プレイスタイルは人それぞれだから、文句は言わないよ。それがルールの範囲なら」

「そ、そうか。じ、じゃあ、俺ら他にも買わないといけないが有るから」

「そっか、それじゃ、また明日學校で」

そんなやり取りをして、マクロ達と別れた。

マクロ達と別れた後、時間を見ると夕飯の時間に近づいていた。殘念、マクロ達と喋っていたら商店街を見る時間が無くなってしまった。

仕方がないので、一旦ギルドホームに戻ることにした僕は、ギルドホームに戻るとシアンとブランを巣にれて、ログアウトした。

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