《転生プログラマのゴーレム王朝建國日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~》12 ゴブリン襲來

「これは失禮しました」

っ子は菫に頭を下げた。

「ですが、巧魔氏が天才だ、というだけでは説明がつきません。生まれて直ぐの赤ちゃんが、クリエイト・ゴーレムを……しかもこのような見たこともない形狀の鎧や武を裝備している形で、です。一巧魔氏はどこでその知識を得たのでしょうか?」

(むう、魔っ子め。なかなか鋭いではないか。しかし、このままでは魔扱いで討伐されかねないぞ)

「やれ、仕方ないのう」

俺以外の全員がぎょっとして聲のした方を振り返る。しかし、そこには黒貓が一匹いるだけ。

「今、こっちからこえがした気がしたですが……」

「……気のせいじゃ無いかしら。黒ちゃんが話せるわけ無いしね」

鈴音のを蒼白いが包み込む。貓であったがみるみると大きくなり、おかっぱ頭のの姿となった。

「く、黒ちゃんがの子に」

「はは、俺はもう巧魔の周りで何が起きても驚かねえぞ」

「さて、主がまだ上手く話せないのでワシが代わりに説明しよう。主は魔ではなく転生者だ。グレータウルフを倒したのも主に違いない。ゴブリンは主が責任をもって蹴散らそう」

「おーうー! あーっとーうーだ! (おいいぃぃ! 勝手に何を言ってるんだ!)」

ダメだ! 口が上手く回らん!

 「ほれ、この通り主もやる気満々じゃ」

「あーえあ!!(何でだ!)」

「あのう、話が端的過ぎてまだよく分かってないですが、とりあえずあなたは何者です?」

「うむ。自己紹介がまだだったな。ワシは鈴音。北の森に古くから住む鬼じゃ。『東の隠し干支』と言えば分かるかのう」

「アズマノカクシエト? すみません、その呼び名は存じませんが、師匠よりあの森には古くから鬼と呼ばれる存在が住んでいるとのお話は聞いていたです。まさかお會い出來る時が來るとは。あたしは天千春。宜しくです」

(おいおい、有名人じゃ無かったんかこの貓娘)

「うん? 『東の隠し干支』を知らんのか? 200年前に人間からそう呼ばれておったんだが……。まあ良い。その、ゴブリンが襲ってくるのは何時なんどきじゃ?」

「既にゴブリン達が石槍等の裝備を整えているのが、あたしの水晶で確認出來てますです。早ければ明日にでも襲ってくるです」

水晶というのがどんな仕組みか気になるところだが、遠隔で映像を信出來る裝置の事だろう。

「ふむ。では準備を整えるとしよう。私と主あるじの二人でな」

鈴音がニヤリとこちらをみる。俺は思い出していた。こいつの願いが俺の退屈しない人生だってことを。

こうして、俺のゴブリン討伐が確定したのであった。

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