（ゴーレムが裝備出來る武に遠距離攻撃はあるか？例えば弓とか。あとは鉄砲が作れるかどうかも知っておきたい）

≪解。鉄砲はスキルが不足しているため作不可能。弓は作可能です≫

鉄砲はスキル不足か。火薬の発を火の魔法で応用するとしたら、火の魔法習得が必要なのかもしれないな。ただ、作れたとしてもこの世界に鉄砲が無ければ目立ってしまう。それだけは避けなければ俺のメガスローライフの夢が破れる。今後作れるようになったとしても、自分の護用として一丁だけ作っておくことにしよう。

（よし、では人形ひとがたのゴーレムに弓を裝備。）

≪形狀：通常型、裝備へ弓を追加。命令をけ付けました。≫

敵が近づいてきたらそのまま接近戦もやってもらうか。ってことはサムライゴーレムかな。

（前回グレータウルフを倒した時の鎧と刀を裝備に追加）

≪命令をけ付けました。また、提案です。次に示す容をサムライゴーレムとしてクラスの継承を実施致しますか？≫

【クラス名】

サムライゴーレム

【親クラス】

クリエイト・ゴーレム

【形狀】

人形ひとがた

【裝備品】

・全鎧當世足とうせいぐそく

・刀

【ベース能力】

・能力強化１（能力２倍）

・武強化１（鋼）

【オプション能力】

弓

提案？　と不思議に思っていると、目の前に白い文字がパッと浮かんだ。

（すげえ、拡張現実ウィンドウかよ。魔道コンパイラ先生有能すぎる。これからはコン先生と呼ぶことにしよう）

≪魔道コンパイラへの命名：コン。け付けました。≫

おお、そんなつもりじゃなかったけど。まあ、呼びやすくなっていいだろう。

ちなみに継承というのは、機能の拡張のようなものだ。クリエイト・ゴーレムの基本機能を継承しつつ、サムライゴーレムクラスへ拡張する。

つまり、これからはサムライゴーレムと伝えれば、『ほら、あの大きな狼を倒した時のやつだよ。狼の名前？　なんて言うんだったかな……グレータおおかみ？　なんか違うな……。　とにかくあれを倒したやつだってば！』などというめんどうな指示をしなくともよくなるのだ。

（ありがとうコン先生！　それで、クラスの呼び出しかたは？）

≪解。クリエイト・ゴーレムの代わりにクリエイト・サムライゴーレムと唱える、若しくは念じることで発します≫

あー、いつも最後にクリエイト・ゴーレムと念じていた所でクリエイト・サムライゴーレムと念じればいいわけだ。

（ついでに狼ゴーレムと燈臺ゴーレムもクラス継承しといてくれ）

≪命令領。サムライゴーレム、狼ゴーレム、燈臺ゴーレムをクリエイト・ゴーレムからクラス継承致しました≫

（うむ。これは便利だ。特に戦闘中等でタイムリーな対応を求められるときは重寶するだろう。

さて、ゴーレムの最大作數は確か３だったよな。前回はサムライゴーレムを生命力を使って作したからどのくらい作れるか分からない。もしかしたら１も作れないなんてオチは無いよな。んーありえる。３作したのは狼ゴーレムだ。サムライゴーレムとは消費量が違うかもしれない。……とりあえず最大數で作してみよう）

（コンさん、サムライゴーレムの作數は最大數で。作條件は柵の側からゴブリンを迎撃、３メートル以に敵が近づいてきたら刀で攻撃。柵が破られた箇所があれば優先だ）

≪作數最大、柵の側からから弓で迎撃、３メートル以で刀へ武切り替え、柵破壊箇所守護優先、命令をけ付けました≫

（よし、ではーークリエイト・サムライゴーレム）

≪compileコンパイル.　クリエイト・サムライゴーレム、実行≫

ドン！　ゴゴゴゴ……

「うわ！　地震か？！」「危ないぞ！　全員伏せろ！」

凄まじい振が周囲を揺るがし、村民達がざわめく。

（……あれ？おかしいな。なんかもっと控えめに『ズズズ……』ってじだったと思ったんだけど。なんだかすごーく嫌な予がする……）

「おお、しもた。いい忘れておった」

（……何でしょうか鈴音さん）

「主の魔法量はこの半年間で発的にあがっとる。造りすぎに気をつけたほうが良いぞ。あまり造りすぎて目立ってしまうと、主の目指しているめがすろーらいふとやらに影響するだろうからのう」

鈴音がにっこりとほほ笑む。いや、にやりと。

（コ、コン先生！　サムライゴーレムの作數はおいくつでしょうか？！）

≪解。84です≫

つくりすぎだ！！！！！

土のなかから青白い瞳をらせて次々と生まれるサムライゴーレム達。

俺は村民さん達が腰を抜かして立てなくなっている姿を眺めながら、速くもメガスローライフの夢ががらがらと音を立てて崩れていくのをじていた。