東商店が立ち上がったきっかけは、エマニエルさんだ。

４年前のゴブリン襲來時、侍ゴーレムの裝備品ゴミが大量に発生した。

どうしたものかと考えているとエマニエルさんが「あたいに預けてくれませんか？」と提案をしてきた。

エマニエルさんは森谷村から馬車で3日ほど離れた場所にある『龍都』で東の筆頭魔道師という職業についている。

筆頭魔道士とは、ここ東あずまの國におけるトップクラスの魔道士がつく職業だ。　エマニエルさんは元々は燕えんの國出らしいが、々と諸事あって、ここ東の國へ移住してきたそうだ。

エマニエルさんはつてを使って龍都に住む貴族へ渉をしたところ、その貴族は大いに興し、當世足他ワンセットの裝備品一式を、金貨30枚で買い取っていった。

金貨の価値は、元の世界の価値に照らし合わせると、ざっと１枚當たり10萬円は下らない。つまり300萬円相當の価値で売れたということだ。

その貴族は珍しい調度品を集めては人に自慢するのが趣味だったらしく、自宅の客間に裝備品一式を飾りつけ、客を呼んではしきりに自慢をしたらしい。

すると、珍しい裝備品の噂は瞬く間に龍都全に広がり、一大ムーブメントを巻き起こした。いや、それはこの國だけに留まらず、遠く燕の國に迄及んでいるらしい。

金額設定をワンセット當たり金貨10枚としころ、84対あった裝備品１式は瞬く間に売れ、半年で完売。

稼いだ金貨はすべてエマニエルさんへ譲ろうとしたが、頑としてけ取ってくれなかったため800枚以上の金貨がすべて俺の手元にってきてしまった。

それからというもの、この村には裝備品ゴミを求めて行商人が度々訪れるようになり、２階建ての自宅では手狹になったため、金貨500枚を使って３階建てに改築。１階を客間とし、生活スペースは２階、３階が寢室となった。

初めは調度品としての要で裝備品一式を売っていたが、実際に裝備出來る裝備品や、農などは作れないのか、等々、數々の要に応えている、裝備品全般、農全般も造るようになっていった。

森谷村全で年間に稼ぐのが金貨700枚を超えるぐらいであったが、次第に東商店の月単位の売り上げだけでそれを上回るようになっていった。

しかもすべてクリエイト・ゴーレムのゴミを利用している為、売り上げのほとんどが利益という、とんでもない図式がり立っている。

その頃には毎日のように行商人が家に訪れるようになった為、１階の客間をそのまま利用し、東商店として門を構えることになった。

商店の主人はもちろん父さんであるため、自然と長男の俺が若ダンナとなったというわけだ。

さて、今日もノルマを達するために裝備品を作らねばならない。

この作業の果てにはメガスローライフが待っているのだ。

……そう信じたいったら信じたい。