《転生プログラマのゴーレム王朝建國日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~》26 鈴音の言い訳

「今日も朝からが出るのう。毎日毎日よくもまあ飽きないものだ」

庭で次の作業のために待機していると、鈴音が聲をかけてきた。

今鈴音は黒貓の姿をしている。散歩をするときは貓の姿の方が良いらしい。

「飽きるとかいう問題じゃねえから。そう言うなら、お前も武製を手伝ってくれよなあ」

「阿呆。なぜワシがそんなめんどくさい事を」

鈴音はぷいっと向こうを向き、尾をゆらゆらと揺らす。

鈴音も『錬』が使えるので武が作れるのだが、めんどくさがってやろうとしない。

しくらい手伝ってくれても良いじゃないか」

「わからんかのう、これは主の修行なのじゃ。魔法は消費すればするほど、最大魔法量が上がる。だからこそワシは涙を呑み、心を鬼にして手伝わずに見守っておるのじゃ」

鈴音はううう、と前足で目を覆い隠す。……涙が出てねえぞオイ。

「もう魔法量は十分過ぎる程上がってるから。毎日どれだけ消費してると思ってんだ……」

「ほう、では既に戮に勝てると?」

「うっ……。それを言われると」

「ほれみろ。魔法量が多いに越したことは無い。とすれば、ワシが手伝う道理は無いのう?」

くそう、鈴音に言い負かされるとは無念。

「それで、今は何を待っとるんじゃ? 今日のゴーレムは創り終わったのじゃろ?」

「ああ、今日はこれから『ミニゴーレム』が補給にやってくる日だから」

「……ミニゴーレム? もしかして村中を何もせずにウロウロしとるチビっこいゴーレムの事かの?」

「何もしてないわけじゃないぞ。ミニゴーレムは重要な仕事をしてる」

「……この前ミニゴーレムが蝶々を追いかけ回しておるのを見かけたぞ。あれが主の言う重要な任務かの?」

「……そうか。うん、それについては俺も疑問に思っている。――お、來たみたいだ」

東商店を下る坂の下から、ちょこまかと小さな影が登ってくるのが見え始めた。

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