《転生プログラマのゴーレム王朝建國日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~》45 祝、開通

俺は急いで鏡の前に立つと、だしなみをチェックした。

今年で俺も5歳になった。ぷっくりとしている頬が心なしかシャープになり、目鼻立ちも去年よりしっかりしている気がする。

「あるじー、置いてくぞー」

「今行くー」

鈴音に急かされて東商店を出ると、冷たい風が通り過ぎ、俺は震いをした。

豚助が春先にこの森谷村に訪れてから早はや8ヵ月。最近はめっきり寒くなり、先週から降り始めた雪が村を白く染め上げていた。

朝早くに龍一郎じいさんと小夏が訪れ、今日にもトンネルが開通しそうだ告げた。

理由はよく分からないが、小夏は豚助が仕事をしている日中は隆一郎と一緒にいることが多い。以前小夏に聞いたところ「龍一郎はなんだか懐かしい匂いがする!」だそうだ。

相変わらず良くわからん奴である。まあ、龍一郎じいさんも子供好きな為か、特に迷そうにしてはいないようだし、問題は無さそうだ。

村の東の東にあるトンネル工事現場に辿り著くと、俺に気が付いた男が走ってやって來た。

「巧魔! 待ってたぞ! もうあと一撃でトンネルは開通だ。最後の一撃巧魔にと思ってな!」「待ってたぞ大オヤビン!」

「えっと、何度も確認してるけど……豚助だよね?」

「ん? そりゃそうだろ」

その男は長180cmを程の長を筋骨隆々ので武裝、顔は爽やかなイケメンで、短髪の黒い髪は爽やかな汗で濡れていた。小夏はその大きな軀に隠れて姿が見えず、聲だけの存在となっている。

「いや、変わりすぎだろ」

「? 良くわからんが、取りあえず中に來てくれ」

豚助は俺の突っ込みを意に介さず、トンネルの中へと案した。

「おお、なかなか大きなトンネルじゃのう」

「俺様の苦労の結晶よ! と、言いたい所だが掘ったのは大概巧魔のゴーレム達だ」

「いやいや、豚助さんも掘った土を運び出したり、崩落で埋まったゴーレムを助け出したり、大変だったって聞いてるよ」

「巧魔にそう言ってもらえるだけで、頑張った甲斐があったってもんだぜ」

豚助の白い健康的な歯がキラリとった。もう誰なんだよお前……。

トンネルは幅が広く、床以外は金屬の枠で囲まれている。

「壁が一面銀で眩しいのう。おお、ワシの顔が天井に寫っとるぞ!」

「錆びないようにちょっと特殊な金屬でコーティングしてるからね」

トンネルは金屬の丸い枠で囲まれている。鋼鉄を軸に、錆びないようプラチナで加工してある。直徑6メートルにもなる巨大な枠で、東商店で々し、ゴーレムに運んでもらっただ。

金銀、プラチナ等、元の世界では高価すぎて到底扱えない希金屬も、この世界では比較的ない魔力で々出來る金屬である。

……ただし、これを金儲けの手段にしてしまうとこの世界の経済に大きな影響を與えてしまう可能が高いので、今のところ俺とコン先生だけの極事項として、作にだけ使うことにしている。

「著いたぞ巧魔! ここが開通地點だ!」「ちてんだぞ!」

俺が開通地點に辿り著くと、そこは微かにの香りが漂っていた。

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