《転生プログラマのゴーレム王朝建國日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~》59 暴走

「乙葉も行くんだよ!」

開いた扉から現れたのは乙葉だ。聞いていたのか。

「乙葉、大人の話をするからおうちに帰ってなさいって言っただろ」

「巧魔くんだって子供なんだよ! 巧魔くんがいくなら乙葉も! 乙葉も!」

そういって、乙葉はぽろぽろと泣き始めた。

「おいおい、こんなところで泣くなよ乙葉……」

≪マスター、離れて≫

は? またコン先生は変な事を言って……

ぞく、と悪寒が背中を駆ける。なんだ? と思っていると、乙葉に異変が現れた。

「乙葉……大丈夫か?」

先ほどまで明だった涙は、真っ青なに変わり、頬に二筋の青い線を引いている。

蒼い髪は浮かび上がり、全が薄っすらと青いに囲まれている。

「巧魔くんはまた私を置いていくんだ……」

乙葉を中心に風が吹き始める。息がしづらい。これは、魔力か? 空気にとても濃い魔力をじる。

「主、なんだか分らんが離れた方が……」

≪マスター! 來ます!≫

「巧魔くんが居なくなるなんて――先輩がまた居なくなるなんて! いやあああああ!」

大きな破壊音と共に、東商店が揺れた。

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