《転生プログラマのゴーレム王朝建國日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~》96 驚きの吸引力
俺は新たなゴーレムを召還するため、父さんと鈴音を促し、家の外に出てきた。
「何を始めるつもりだ? またとんでもないことしようってんじゃ」
「まあ、見ててください父さん」
俺はし深呼吸をして心を落ち著ける。前回この特魔を発したときは魔力を使いすぎて危うく気絶するところだった。
今回は上手にコントロールできるといいが……まあ、心配しても仕方ないか。
「いいやつ來い! コン先生お願いします!」
《拝承。英霊の箱レプリカントボックス発》
青いが俺を中心にドーム型に広がる。その円に合わせて、地面に複雑な模様の魔方陣が描かれた。
俺は魔力を放出しながら生み出すゴーレムについて思いを巡らせる。
乙葉を捜すにも、近隣はすでに捜索済み。いるなら遠方だ。だとすると人海戦で虱潰しに探すしかない。
この能力は大量のゴーレムを作り出すことに向いていない。おそらく2か、がんばっても3が限界だ。
……あれ、この能力じゃ捜索出來なくない? いや、あきらめるな! あきらめたらそこで試合終了だ! なんとかせい英霊の箱! お前の底力を見せろ!
俺の想いに反応したのか、俺の魔力が勢いを増して吸い取られていく。
うわ、の力が抜けてく……。
「おいあるじ、ちょっとやりすぎじゃないか! 魔力が枯渇するぞ」
「そんなこと言っても、俺じゃもう止められ……ない……」
魔方陣が甲高い音をたてはじめ、さらに大量の魔力を吸っていく。膝ががくっと折れた。
や、やばい。これは赤武者と蒼武者を作ったときの比じゃない。高みしすぎたか……。
《急停止命令を実行。……命令が拒否されました。魔力枯渇まであと8%……6%……5%》
「あるじ!」
《4%……3……2……》
その時、鈴音が俺の肩を摑む。
「わしの魔力も使え。――ぐぅ。これはきつい」
「お、おい! お前まで共倒れになったら!」
「かまわん。そのときはそのときじゃ」
くそ! 間に合え俺の魔力!
《……1……マスター!》
パリンと音を立てて魔方陣が弾けた。
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