《聲の神に顔はいらない。》51 それはただまれたから
「う、うーん」
自分はをばして、固まったをほぐす。今自分は日本から遠く離れた地にいる。そこはHollywood、エンターテイメントの聖地と言って過言じゃない場所だ。日本からだいたい十時間くらい飛行機に揺られてたどり著いた。
こんな長く飛行機に乗ったのなんて初めてだ。そもそもパスポートも持ってなかったから、わざわざとった。英語をどうしようかとか不安もありまくりだったから、ちょっとは勉強しようとも思ったが、付け焼き刃なんて意味なんてないと悟って、翻訳機を買った。なにせ金はある。
てか通訳者を雇ってもよかった。そのくらいの余裕はあるし……だが初対面の人と初めての海外でずっといるってのもな……って思ってやめた。自分はそんな社的な人間じゃないんだ。それに今の翻訳の機械は優秀だ。
勝手に聞き取ってリアルタイムで翻訳してくれる。こっちの言いたいことも、機械に話して聞かせれば、発音だってばっちりだ。さすが、高かっただけある。
この機械で稅関をなんとかやり過ごして、ようやくアメリカの地を踏んだ。そして辺りを見回す。
「確か、此花さんが……」
自分はあたりを見回してその姿を探す。けどここには多種多様な人達が行き來してる空港だ。そんな簡単な事じゃない。
「取り合えず電話すれば……」
「hey」
んん? なんか言われた? いや、アメリカに知り合いなんていない。気のせいだろう。てか空港だからどこでも「へいへい」言ってるしな。そう思ってたけど、なんか肩を叩かれた。橫を向くと、筋マッチョな黒人と、サングラス掛けてガムをペチャクチャと食ってる細マッチョな白人がなんかいた。
(あっ、これヤバイ奴だ)
本能的にそう思っても仕方ないだろう。だって見ず知らずの國で知り合いなんていない筈なのに、いきなり見ず知らずの奴らに聲を掛けられたんだ。これがフォーマルスーツにを包んだ禮儀正しそうな紳士、淑ならそんな事は思わない。
けどこいつらはそうじゃないだろう。絶対になんかやんちゃしてそう……というかなんかカモでも探してそうな奴らじゃん。なんの鴨かは知らないが、きっとこの後有り金全部よこせとか言われるんだ。まさか空港でこんな事が起きるとは……アメリカはなんて怖い所なんだ。
日本の安全さを噛み締めたい。昨今は日本もなんやかんやで危ないとか言われてるが、誰もが銃持ってる國よりも危ない訳ない。そんなの稚園児だってわかる簡単な事だ。
なんかいきなり荷を持とうとしてくる二人。おいおい、いくらんなんでも大膽過ぎだろ。どうやらこの二人は観客を狙った竊盜犯のようだ。今なら周りに人もいっぱいだ。ちょっとべは警備の人だって駆けつけてくるだろう……けど――
(なんてべはいいんだ?)
――言葉の壁が自分の思考を停止させる。翻訳機もガヤガヤとしてる空港では最大音量にしたところでたかが知れてるだろう。だから必然的に二人に対してこっちは何が何でも荷から手を離さないって事で抵抗するしかできない。
何やら言ってるが、自分は英語には対応してない。翻訳機も両手が塞がってたら使えない。積みである。誰かが助けてくれる事を期待するしかない。そんな自分は絶対に日本からでない事を心に刻む。
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