《聲の神に顔はいらない。》333 頑張った私
「へえ~、貴方もその子と同じように思ってる……と言うことかしら?」
ひいいいいい!? 淺野芽依のせいで、私まで北大路さんに睨まれてるじゃん。私は波風立てないで生きて行きたいんだよ。なんて事やってくれるわけ?
「ちょっ芽依! なんで……」
「先輩、言ってたじゃないですか。全ての聲優は私よりも下だって。技では誰にも負けないって」
「「へぇーー」」
ちょっと! 登園さんまで一緒になって私を見てるよ。いや、それだけじゃない。周りの人達全員、なにか言いたそうな聲だしてたよ。
「確かにととのは聲は最高にいいわよね。でも人前が苦手じゃなかった? まあ、もう克服したのかしら?」
流石は登園さん。しの間だけでも、流があった私の事、ちゃんと覚えててくれてるんだ。それはちょっと嬉しい……けど、やっぱり登園さんの私への印象って昔のまま止まってる。それはそうだろう。一度は売れっ子まで行った人だ。その間、私は必死に業界にしがみついていただけ……最近はそれなりに話題のアニメとかにも出てたんだけどな。
「先輩は容姿は最悪ですけど、聲優としての技量だけは私が認めた唯一の聲優ですよ! って言ってあげてるんだから、先輩も言っちゃってください!」
だからどうして淺野芽依はそんな煽る様な事しか言えないの! それにそれって本心なの? 行ってあげてるだけじゃないよね? でも多分……淺野芽依はこう良いんだろう。
『ここで引くなんてしないんでしょ? なら――』
なら、二人を超えないと、私の聲優生命はおわり。本當にその通り。でも敵対ってじじゃなくても良いじゃんっては思うよ。でも北大路さんも登園さんもこの作品に描けてる思いは一緒なんだよね。なら二人が引くなんて事はない。だって私達は年齢的にも崖っぷちなんだもん。余裕があるのは淺野芽依くらいだ。まあだからこんな事を言いまくれるのかもしれない。それが若さって奴だろう。一応味方……はしてくれてるんだよね? いつ後ろから刺してくるかわからない味方だけど……けど、確かに後輩にここまで言われて引っ込んでるだけなんて、周りの印象が……ね。悪い。そんな奴にこのオーディションを任せようと思うだろうか? 私なら思わない。やっぱり自信がない奴よりも、有る奴にオーディションの枠は振るだろう。
登園さんも北大路さんもそして淺野芽依だって、バチバチしてるのはそれだけ自信があるからだ。ここで私だけが引いたらそれはもう勝負を辭退したと同義。そんなことは絶対にダメ。
「私は……昔の私とはもう違います! ちょっと前まではアニメにだって出れてたし、私は……自分の聲が通用するって確信できました! だから……だから……」
私はどんどん震えてくるを必死に抑えようと、力を込める。でもそしたら歯が上下であたってガタガタって……震えがヤバい事になってる。でも私は「言うんだ!」って気持ちを強く持つ。二人の偉大な先輩な先輩の厳しい視線。怖じ気づきそうになる。でも――
「負けるな! お前の聲は誰にも負けてなんてない!!」
――そう言ったのはマネージャーだった。予想外の言葉……でもいつもされ得てくれてるマネージャーがそんな風に言ってくれたのは、とても心に響いた。背中を支えてくれてるような覚。私は大きく息を吐いて……そして吸った。
「私の聲は、貴方たちにだって負けてない。私が、オーディションに行きます!! そして役を勝ち取ります!!」
言った後にジワッと涙が溢れてきたけど、頑張った私。
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