《聲の神に顔はいらない。》346 ファンから選ばれなくてもいい
「いや、別に馬鹿にしたわけじゃない。それに君を在籍させて後悔したことは一度もないよ」
「でも……私……全然売れてないです……よ?」
私だって登園さんから一年遅れではいって來たわけで、それなりの年數を既に聲優として活してる。その間に、登園さんは売れっ子になり、そして下火になるまで経ってるのだ。登園さんとかなら、間違いなく會社に貢獻してるから、社長がそういうのもわかる。でも私は會社に貢獻なんてしてないと思う。むしろお荷だ。新人からはいつまでこの先輩いるの? とか思われててもおかしくない。
しがみついてだっさーとかね。絶対に思われてる。そんな私だよ? 流石に今の社長の言葉お世辭というか社辭令でしょ。
「君が初めて來たときの事は今でも覚えてる。なにせ強烈だったからね」
「えっと……その筋は……ご迷を……」
恥ずかしい歴史を思い出した。私は養所から聲優事務所へと移った訳だけど、そこにはドラフトみたいな事務所から指名がはいったりする子がいる。まあ世間的に、それは本人にしか教えなかったりするみたいだけどね。一応オーディションとかをけたって裁にしてるけど、実は既にその事務所に行くことが決まってる……みたいな。まあ私がそんな枠にれるわけは當然ない。なにせ既にその時は、アイドル聲優とジャンルが盛り上がってたからだ。
いろんな事務所で言われた。
「聲はいいんだけどね〰でも……ねー」
って。その間に何が込められてのか、わからないわけがない。私だって人間だよ。普通に察することくらい出來る。自分から履歴書を出して、何回も何回もいろいろな事務所をけた。世間には私が思ったよりも聲優事務所というのはあった。養所の先生とかは落ち盡くすなんて事は早々ないっていってた。なにせ聲優も誰が當たるかなんてわからないからだ。ちょっとでも見込みがあれば、とりあえず確保しておくってのはよくあるってね。
でも私は落ちまくってた。そんな中、私を拾ってくれたのがここだった。まあでもオーディションは実は落ちてた。その後に今のマネージャーが連絡してきて、なんか事務所に連れて行かれて、直談判してた。そしてそこまで言うのならって事で、この人の前で私は……まあ散々だっけどね。なにせマイクなかったし。私はマイクでスイッチいれてるところがあった。今はマイクがなくてもある程度はスイッチいれれるけど……その當時は私はまだ子供だったのだ。
でもなぜか社長は取ってくれた。ぞれから期待に答えたかと言われればそんなことはないだろう。
「これでも聲優事務所の社長だ。あの時君は言ったじゃないか。小さな聲で『顔でなんて選ばないでください』ってそれが響いたんだよ」
「し、失禮……しました」
はずかい。若いときの私、社長に向かってなんてこと。いや、私も藁にもすがる思いだったんだ。だってもう本當にあとがなかった。
「君は……これからだよ。ここ數年でしてる。聲も更に幅が広がったし、演技も磨きがかかってる。自信だってついてるはずだ。君なら、絶対にオーディションを通る。君は誰よりも求められる聲優になれる。それはファンからではないかもしれないがね」
「それで……いいです。ありがとうございます」
私はファンなんてつかなくてもいい。メインじゃなくてもいい。ただ、すっとこの業界から求められる場所にいたい。誰からも、どんな作品からも求められたい。だって聲に垣なんてない。そしてそれが本の聲優だからだ。
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