《聲の神に顔はいらない。》396 運命の日 31

「ふう……」

私はセリフを読み終わって一息をついた。そして先生たちに見えないように拳をグッと握る。今日は調子いい。最近仕事のやりすぎで、ちょっと疲れてたんだけどね……

(あのおばさんはわかってないよ)

私は心のなかでそう愚癡る。だって私がいままで頑張って來れたのは先生がいたからだ。仕事終わりに先生の家に行って、ラブラブするのは私の気力と力を回復させる大切な儀式見たいなものだった。

それを取り上げられたら、流石に毎日のハードワークにどんどん心ももすり減るしかない。私にとっては先生との次時間はエナジードリンクなんかよりも効くドーピング……は なんかにわるそうだね。先生が私にとってに悪いことなんかないからそうだな……お薬……は更になんかイメージ的に悪いというか……ご飯みたい? つまり先生は私にとっての第三の栄養だったのだ。

だからそれをなくした私のは辛かった。あんまり見せないようにしてたけど、時々現場では「疲れてる?」とか聞かれる事は増えていたと思う。もちろんそういう時は「そんな事ないですよ」と笑顔で返してたけど……四六時中皆が期待する『靜川秋華』でいるのは大変なのだ。

このオーデションはあのおばさんを脅迫して來ただけあって、その価値はあった。本當ならクアンテッドからは、別の子を寄越す予定だった。そういう報を仕れたんだよね。なにせ私は先生のオーデションと相が悪い。これまで先生の作品に出たことあるのは最初の先生のアニメデビュー作だけだ。その時に、私たちは運命を知った訳だけど……それからは神様のイタズラかなにかで、私は盡く先生の作品では役をもらえてなかった。

だからあのおばさんは私じゃなく、別の子をオーデションに向かわせる気だったんだろう。わざわざ報規制して、私に絶対にこのオーデションの事がって來ないようにしてた。でも甘い。確かに私は興味ないことはとことんスルーするタイプだが、先生の事にはいつだって気を張ってる。先生のSNSは全部フォローしてるし、先生の作品を出してる出版社自きだって見てるくらいだ。

なにせ先生は大ヒットを連発するヒットメーカー。そのきはどうしたってんな所に波及する。この作品はまだアニメ化も発表されてはない。でも々な報を見てると、なにかがき出してる……位はわかる。

そしてやけに最近私に先生への連絡を絶ってたしね。連絡取れないように、に仕事れちゃってさ……だからおばさんの所に突撃して脅したのが良かった。晴れて私はこうやってオーデションにこれて、數ヶ月ぶりにこんな近くで先生の――

(はあはあ……先生吐いた息、今私吸ってるよ)

「あの靜川秋華さん、聞いてます? ありがとうございます。もうよろしいですよ」

「あっ、はい。ありがとう座いました!」

名殘惜しい。私は一秒でも長く先生と同じ空間に居たいのに……でもきっと大丈夫。私は絶対にこの役を勝ち取るもん。その自信を表して堂々と部屋を後にした。

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