《終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜》酒井 東夜の章:8

ドアのガラスが割れたコンビニエンスストアにり、ぬるくなったコーヒーを取って飲む。

レジには誰もいない。電気も止まってしまったのか、店の蛍燈にはなく、冷蔵庫もいていない。

ドアのガラスが割れていたのも電気が通っていないからだろう。そして、侵した人はある程度の商品を取って。

「そのまんま帰ったんだね、お金も払わずに...」

まあ、仕方のない、というかやりたくなってしまうだろう。

世界が終わりを迎えるのだからお金を払わなくてもいいだろう、という発想にはなってしまうと思う。

「それでも東夜君はちゃんと払っていくよね?」

後ろから咲希さんがひょこっと顔を出しながら問うた。その手にはカフェオレとサンドイッチ。お晝時のOLかよ。

「もちろん払っていくよ。いくら最後の日だからって犯罪なんて犯したくないからな」

実際、僕のポケットの中には財布がっており、中からは野口と諭吉が顔をのぞかせている。

「犯罪を犯したくないって、私たちもう二人乗りしたよね?これって一応れっきとした犯罪だよ?」

「まさかお前、謀ったな...」

「連帯責任だよ、王子様?」

ニタァと笑う彼に僕はため息をついた。

 「ちゃんと払っておくから商品貸してくれよ。ちょっと今のうちに見ておきたいものがあるからさ」

そう、見ておきたいものがあるのだ。

僕は彼からカフェオレとサンドイッチをけ取ってその場所に向かった。

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