《終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜》酒井 東夜の章:10
結局僕と咲希さんはそのまま教會で終焉を迎えることにした。
教會の外にあるベンチに腰掛けた僕たち2人はしく赤く染まっている空と、無慈悲に紅くる球を見つめている。
なぜだか不思議と怖くはなかった。
それどころか、今でもする彼と一緒に死ぬことができるという喜びに満ち溢れていた。
ロマンスのカケラもないこの狀況。
僕はそっとポケットに手をれてそれを探る。コロコロと僕の手から逃れようとするそれを取り出して咲希さんに見せつけた。
「ごめん、咲希さん。こんな狀況だし重々しい話をするんだけどさ...僕と一緒に居てくれない?」
僕の手のひらにはオモチャの指。
コンビニで243円で売っていたそれは、樹脂でできた寶石によって緑に反する。
なんてことはない告白。
ただそれに指おもちゃを付け足しただけ、と思ってはいたもののかなり恥ずかしいな、これ。
それに今の僕はぶっきら棒に片手を出して顔を逸らしている。
恥ずかしがり屋というか、ツンデレというか...よくわかんないな、僕。
それに言うセリフもなんともクサイ。
なんだよ...一緒に居てくれませんかって。
詩人かよ...。
「ふふ、あははは。東夜君面白いこと言うねー、僕と一緒に居てくれませんか(僕の聲真似をして)って。ふふふ。まるでドラマのようなセリフだね、それも絶対に月9だよ、うふふふ」
聲に出しながらも上品に笑う咲希さん。
しかも月9って...適切すぎるだろ...。
「でもね、東夜君?」
「ん?なんだよ...?」
「そういうロマンチックなの、私結構好きだよ?」
「なんで疑問系にするんですか?!」
「さぁね?でも本當に嬉しいわ...指、頂いてもいい?」
そう聞くと咲希さんは僕の左手からおもちゃの指を取り出して、右手の薬指にはめる。
それは婚約の意味。
うふふと微笑む彼の橫顔を僕はずっと見つめていた。
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