《終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜》後藤 慎二の章:1

俺は親のみなく産まれてしまった。

母は他の男に逃げて、父は俺に暴力をふるいながら俺を18まで育て上げた。

それまでに何度死のうとしたのかなんて覚えていない、というか覚えきれない。誰にもされることはなかったし、誰もすることなんてできなかった。

唯一の楽しみと言えたのは中學時代に親父からパチった一本のギターだけだったかもしれない。もちろんその時は毆られたけどその後の人生に比べたら安いものだった。

俺はその日からギター練習に沒頭した。練習本を買えるほどの金は無かったから、市の図書館で本を借りて練習をし続けたのを覚えている。

高校の學園祭ではたまたま出來た友達とバンドを組んで曲を演奏した。演奏後にもまだ殘る興とあの拍手の音は今も脳で反響するように思い出せる。

思えばその日から狂ってしまったのかもしれない。いや、もともと狂っていた人生にただ拍車をかけただけかもしれない。

俺はその日から音楽で食っていこうと考えた。勉強は全て放ったらかして朝も晝も夜もギターを弾いていた。

それが1年、2年、3年、4年、5年...と経って、俺はいつのまにか落ちこぼれていた。

家も職もなく、その日暮らしの生活を送っていた。背負ったギターを弾くことなんてなく、俺は竊盜によって生計を立てていた。盜んでは売って、盜んでは売ってを繰り返して日々を過ごしていた。

やはり俺は間違っていたのだ。

淺はかだった。

こんな生活はやく終わってしいと何度も思った。何度も願った。何度も試みた。けれど俺は結局生きてしまった。

しかしそんな生活も今日で終わる。10月31日。世界終末の日。

俺の願いは遂に葉うのだ。

新聞紙にをくるんで溫めてながら俺は涙した。

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