《終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜》後藤 慎二の章:4
店は薄暗く活気といえるものが一切なかった。
カウンターの上にかけてある看板には様々な趣向コースが書かれており、古めかしいネオン管で語られる文字がディープな雰囲気を醸し出していた。
「お客さん?あんたこんな日に好きだねえ・・・それで今日はどうするんだい?」
店の雰囲気に気圧されていると痺れを切らした店の男が憎たらしく応対してきた。
男はカウンターの向かい側に肘をついており、その接客態度は褒めたものではない。
「全く・・・今日で世界が終わるっていうのにこんな所に來るなんてねぇ・・・あ、もしかして最後の日だからここに來たのかよ?ヒヒ、慘めだねぇ」
うるさえ違えわ、と言ってやろうと思ったが実際その通りなので何も言い返すこともできない。
「いやぁ、でも不遇だねお客さん。生憎と今日がこんな日だからさ、この店でちゃんと働いてるの子は來ていないんだよ」
ヘラヘラと笑いながら男は俺を嘲笑する。
しかしそれはただ馬鹿にしているわけではなく、何か他の、もっと最悪な何かだということはじ取れた。
「それでだ、お客さん。今日ばかりは正規のの子がいないからさ、真っ當に貞を捨てることはできないって訳さ・・・」
ふむ、そうか。先程からやたらと"ちゃんと"や"正規"と言った言葉を使っているのはそういうことか。
「犯罪がらみのものでもいい。俺であれ誰であれ、今日ばかりはどんなことをしても許されるだろう」
「ヒヒヒ、毎度あり・・・と言っても今日ばかりは、そしてこればかりは無料にしとくかね」
どうやら俺は本格的に黒くなってしまうらしい。
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【6月10日に書籍3巻発売!】 「ビアトリスは実家の力で強引に俺の婚約者におさまったんだ。俺は最初から不本意だった」 王太子アーネストがそう吹聴しているのを知ってしまい、公爵令嬢ビアトリスは彼との関係改善をあきらめて、距離を置くことを決意する。「そういえば私は今までアーネスト様にかまけてばかりで、他の方々とあまり交流してこなかったわね。もったいないことをしたものだわ」。気持ちを切り替え、美貌の辺境伯令息や気のいい友人たちと學院生活を楽しむようになるビアトリス。ところが今まで塩対応だったアーネストの方が、なぜか積極的にビアトリスに絡んでくるようになり――?!
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「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
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