《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》呼び捨て
〈來蘭side〉
初めて聲をかけてくれたのが「青木 奏太」くんこと、そうちゃんだった。
いきなり奏太って呼んで!とか言うから、ちょっとびっくりしちゃった
今まで男友達はもちろん、男の子の馴染なんてのも居なかったから、男の子の名前を呼び捨てにするなんて、そんなの無理無理
ドギマギしちゃってたら、ごめんごめんってそうちゃんのが慌て出しちゃって...
「奏太」って呼ぶのは出來なかったけど、なんか自然に「そうちゃん」って呼びたくなったんだ。
そうちゃんは、わたしのことをいとも簡単に「來蘭」って呼んだ。
そういえば、男の子に名前を呼び捨てにされたのは初めてだ。そう思ったら急に恥ずかしくなって、顔が火照るのをじた。
「なあ來蘭はどこの中學から來たの?」
 
「わたし?わたしは小田原から來てるから多分知らない中學だと思うよ」
「小田原っ?遠いところから來てるんだなぁー」
そうちゃんがびっくりしてる
この高校は私立とはいえ、學區からの生徒が多い。わたしみたいに學區外から學してきてる子はない。だから學區外からの子はめずらしいんだろうな...
「あえて遠い學校選んだの....中學までのわたしのことを知る人が誰も居ないこの學校に、あえて來たの...」
中學でいじめられた記憶が蘇り、ふっと悲しくなった...
そんなわたしを心配そうに覗き込むそうちゃん
ハッとして笑顔を作って顔を上げた。
【電子書籍化】退屈王女は婚約破棄を企てる
☆2022.7.21 ミーティアノベルス様より電子書籍化して頂きました。 「婚約を破棄致します」 庭園の東屋で、フローラは婚約者に婚約破棄を告げる。 ほんの二週間前、「婚約破棄してみようかしら」などと口にしたのは、退屈しのぎのほんの戯れだったはずなのに――。 末っ子の第四王女フローラは、お菓子と戀愛小説が大好きな十五歳。幼い頃からの婚約者である公爵家の嫡男ユリウスを、兄のように慕っている。婚約は穏やかに続いていくはずだった。けれど、ユリウスが留學先から美しい令嬢を伴って帰國したその日から、フローラを取り巻く世界は変わってしまったのだった――。 これは、戀を知らない王女と不器用な婚約者の、初めての戀のお話。 *本編完結済み(全20話)。 *番外編「婚約者は異國の地にて王女を想う」(全3話)はユリウス視點の前日譚。 *番外編「『綺麗』と言われたい王女と『可愛い』と言いたい婚約者」(全3話)は本編から約2ヶ月後のフローラとユリウスを描いた後日譚です。
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