どのくらいホームのベンチに居ただろうか...

何本もの電車が、このホームにって來ては大勢の人々を降ろしては行き過ぎてった...

僕はただそれをベンチに座って見ていた。

フッと、晝休みに見えた彼の〈水のパンツ〉を思い出して、ちょっと笑ったら、手のひらで、スマホが震えた。

彼からのメッセージだった...

｢最後の曲の歌詞を書いてみてもいいかな？｣

とあった...

それは昨日浮かんだばかりのメロディーだった...作ろうとして作ったメロディーではなく、フッと降りてきたメロディーだった。

とにかく忘れないように録っておかねばと、あわてて録ったやつだ。

僕はすぐに

｢もちろんだよ！｣

と返事を送った。

よりによってあの曲かよ...

彼に出會うために降りてきた曲のような、そんな曲の歌詞を彼は書いてみたいと言った。

メロディーラインのみのあの曲は、まだなにも他の音は足していない...

あの曲を彼らと一緒に作ってみたらどんな曲に仕上がるだろうか...

彼があの曲を歌ってくれたなら、きっとすごくいい曲になるだろう、そこだけは確信がある。

文化祭を目標にやってみるか！

僕はやっとベンチから腰を上げた。