《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》文化祭 5

白石さんと一緒に、教室に戻る廊下を歩いていると、大奧の廊下か!ってくらいに、人が両脇に避けて行く…

「ねぇ、なんでこんなにみんな避けてくの?」

「そりゃ、あたしとあなたが2人並んで歩いていれば、みんな避けてくわよ」

「どうして?」

「この學校のNo.1とNo.2の人気子が、セクシーな格好して並んでるからに決まってるでしょ!言っとくけど、No.1はあたしであなたはNo.2だからね?」

こうゆうところは白石さんらしくて笑ってしまった。

教室に戻ると、パイレーツなそうちゃんの人気っぷりは更に増してて、群がる子の數はさっきの倍にはなっていた...

「うわぁ…増えてる…」

思わずつぶやいてしまったわたしに

「恐ろしいくらいブスばっかりね!見てみなさいよ、あの奏太の引きつった顔!」

なんてわたしの耳元で言うと、白石さんは行ってしまった。

結局午前中の売り上げトップは、パイレーツのそうちゃんで、執事とメイドのわたしと加奈は僅差で2位だった。

午後からは、わたしたちはライブの方に行ってしまうから、白石さんに頑張ってもらわないと!

「ふぅ、やっとここから逃れられる…」

子達にもみくちゃにされ続けたそうちゃんは、ヨレヨレになっていた。

「隨分とモテモテでしたね!」

ちょっと口を尖らせて、プイっとしてやった。

「あれ?なに?來蘭ヤキモチ妬いてるの?」

嬉しそうにそうちゃんが言う。

「妬いてないっ!」

あんまりにもそうちゃんが嬉しそうに言うから、余計に悔しくなった。

「はい、ほら、おいで」

両手を広げてわたしを待つそうちゃんに、抱きつきたいのに、なんか素直になれない…

「は、や、く」

そうちゃんが急かす…

あぁもぅ無理っ!

意地を張るのも、たった數秒しかもたないよ…

そうちゃんのにぽすっと収まるわたしを

「よく出來ました♡」

って言いながら、ぎゅっとするそうちゃん…

ぎゅっとされてたかと思ったら、ふわっとが宙に浮いて、窓際に寄せて並べてあった機の上にトンと座らされ、そこにあったカーテンで2人のを隠した。

「ヤキモチ妬く來蘭、すげーかわいい…」

恥ずかしくて下向くわたしに

「來蘭…こっち見て…」

ゆっくり顔を上げると、そうちゃんの顔が近づいて來て重なる

kissひとつで、トゲトゲした気持ちが溶けて行く…

「ご機嫌ななめは直りましたか?」

なんて意地悪に聞くそうちゃんに

「もう1回してくれたら直るかも…」

って言ったら、そうちゃんはニヤリと雄の顔して

「煽るの好きだなぁ…」

って呟きながら、さっきよりもちょっと強引にを奪われた…

「この後のライブの栄養補給になったね、そうちゃん♡…ってあれ?このカーテン…け…」

そうちゃんがカーテンをめくると、そこには、大人しそうなの子や、男の子たちが沢山スマホを向けてる…

「映畫みたいでした…」

「その薄いカーテン越しのシルエットが素敵でした…」

「尊い…」

キャーとかギャーとか聲も出さず、ただうっとりとした顔をして、口々にそんなことを言う彼や彼ら…な、泣いてる子も居るっ?!

「わたしたち〈奏太來蘭カップル〉推しなんで…」

「『お2人の』ファンなんです」

メガネをかけた、ちょっと地味目な子がスマホの畫面をわたしとそうちゃんに向けて見せてきた。

「〈奏太來蘭カップル〉のアカウントのフォロワー數は、今や1萬人に迫る勢いなんです!あ、今の畫アップした途端にフォロワー數がすごい増えて行ってる!」

そうちゃんと2人で顔を見合わす…

「すごいな!!あ、待って、それにこの後のライブの宣伝出來る?」

「もちろんです!!」

「この後2時からライブするから宣伝しておいて!」

そうちゃんはそう言うと

「さぁ、ライブ行くぞ!!」

わたしの手を取った。

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