《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》文化祭 7

メイド服をベースに、赤いビスチェに破けた網タイツ、南京錠の付いたレザーのチョーカーに、お気にりのマーチンのブーツを履いて、真っ赤な口紅を塗る…

『Re Light』の來蘭が完した。

防音扉が開き、コロラドミュージックのスタッフがって來た。

その中に見覚えのある顔…

「あ、君さっきの!」

それはつい先程、育館へ行く階段を聞いてきた男だった。

「瀬名さん、もうナンパしてたんすか?」

スタッフの1人が茶化す

「ナンパなんかしてないって!さっき育館の行き方教えてもらっただけだよね?」  

わたしはコクんと頷いた。

「もしかして、君が〈Re Light〉の來蘭ちゃん?」

「はい…」

「君が…」

彼はわたしの右手を取り、かない手をじっと見つめた。

「瀬名さん、來蘭ちゃんの歌聲にやられちゃって大変だったんですよ。この文化祭ライブの生配信の企畫も、どうしてもやる!って言って、渋るお偉いさん達を説き伏せてまで企畫通したんですから…あなたが來蘭ちゃんなんですね…」

もう1人の彼までも、慨深げにわたしを見つめた…

「そうなんだよ來蘭ちゃん。

この瀬名さんの力によるものなんだよ、今日の生配信ライブは」

優輝くんが瀬名さんの橫に立ち、よろしくお願いしますと一禮をした。

「最初はね、大森さんが売り込んできた彼ら〈Jaguar〉(ジャガー)に興味を持ってね、高校生バンドとは思えない程の実力があったし、ライブの場數も踏んでるから、即デビューさせられそうだなと思って、どう売り出して行こうかと思っていたら、大森さんが、こんなのも居るよって君たち〈Re Light〉のデモ音源を渡されてね、もうなんだかおじさんのハート鷲摑みされちゃったんだよ」

「おじさんって…まだおじさんっていう程じゃないじゃないですか」

ちょっとだけお世辭混じりではあったが、実際まだそんな年ではないでしょ?って思ったからそう言ったら

「え?ほんと?高校生から見たら、28歳なんておじさんなんじゃないの?嬉しいなぁー」

28か…紫音先生と同じ歳か…

今日、紫音先生來てくれるかな…

病院に手紙を送ったのと、そうちゃんのお母さん春子さん経由で、見に來てくれるように伝えてはもらったんだけど、なんの返事もないままだった…

    人が読んでいる<一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください