《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》蓮との出會い 2
〈蓮side〉
「傷の手當て、ありがとうな來蘭。今度ちゃんと禮する。」
「お禮だなんて別に...あ、それなら今度わたしの歌聞きに來て!『Re Light』ってバンドで歌ってるか、弾き語りで歌ってるから」
「弾き語りって...ギターどうやって...」
「弾けるよ?」
來蘭は、近くにあったギターを左手で持ち上げギターを構えると、右手の親指で弦を鳴らした。
「その右手で...なぁ、今聞かせてくれよ」
「今?...んー...ちょっとだけだよ?」
來蘭はハーモニクスでチューニングをすると、いくつかのコードを鳴らし、ひとつ深呼吸して息を整えると、靜かに歌い出した。
右手が掻き鳴らすギターは、時に優しく、時に力強く、かない手で鳴らしてるとは思えない音に驚く...
歌がってくる。
言葉を失った。
今まで喋っていた聲とは全くもって別の聲で、繊細だが芯のある不思議な聲が、俺のれられたくない弱さや脆さの部分をでた...
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
〈 惹かれるのは、もう必然だった 〉
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
頬を流れる涙に気が付き驚く。
涙なんて無駄なものを流すことは、もう何年も前にやめたはずだったのに...
歌い終わった來蘭は靜かにギターを置き、席を立って、座っている俺のもとにやってきて、涙を左手の親指でそっと拭った。
そして
「わたしの歌、屆きましたか?」
と言って優しく微笑んだ...
もうどうにもならなかった。
そのまま彼のに頭を預けて、何年か振りに泣いた...
來蘭はただだまってそこに居てくれた。
し落ちついてきた俺に來蘭は言った
「ねぇ...その見えない右目に宿る悲しみを、わたしに聞かせて...」
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