《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》メジャーデビューへ 5

「よく逃げてきたな...」

黙々とアジフライを食べながら、紫音先生は言った。

「メジャーデビューに向けてき出したのは、こないだ瀬名と一緒に咲の墓參りに行った時に聞いてたよ。まだレコーディングも始まってもいないのに、いろんなタイアップは決まってる、何十本ものライブツアーも決まってる、瀬名は嬉しそうに俺に話していたけど、俺はお前のことだけが心配だったよ...」

そこで初めて箸を止め、わたしの目を見つめると

「お前が全部を背負ってしまって、人知れず泣いてるんじゃないかって...」

また涙が溢れてきたけど、そのままにしてわたしは口いっぱいにアジフライを頬張った。

その膨らんだわたしの頬っぺたを

「お前リスみたいだな」

なんて言いながら嬉しそうに紫音先生つんつんして

「よく逃げてきたな...」

もう一度言った。

「あれ?もしかして來蘭ちゃんじゃない?」

聲を掛けて來たのは、そうちゃんのお母さん、春子さんだった。

「佐野さん!いい所に來た!」

そう言って紫音先生は立ち上がると、春子さんとし離れた所で話し出した。

程なく2人して戻って來た紫音先生に

「來蘭、午後はし春子さんの病棟、小児病棟に行ってこい。夕方には迎えに行ってやるから」

と言われ、コクっと頷いて返事をしたわたしに、春子さんは

「ちょっとあたしの手伝いしにいらっしゃい」

そう言って微笑んだ。

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